9月10日(水)
多分私の脳内を観測していると思われる、ユーキャン。
ユーキャンのメインである通信教育の方は、介護系の資格を中心としたラインナップになってきたので、私の受講したいものはない。
もっと国語や漢字、歴史系のがあれば考えないでもないけれど、資格取得のための勉強はちょっと興味の枠外。
というわけで、史跡をめぐる旅的なDVDや、日本の名城的なDVDなどの広告をじゃんじゃん送ってくる。
こちらにはちょっとそそられるけれど、買っていたらきりがないので、買わない。
とはいえ、興味はあるのよ。
ただでくれるんなら、絶対ありがたく頂戴します。
多分テレビのBSで似たようなのをやっているんじゃないかと思ったり。見たことないけど。
で、今日来たのがこれよ。
『名作映画で楽しむ英会話』
私が最近洋画を見るとき、なるべく英語を聞き取ろうと努力していることをなぜ知ってる?
そして、聞き取れずに打ちひしがれていることを、なぜ?
これは、欲しい。
しかし買ってしまったらDVDを見ない可能性は極めて高い。
なぜならば我が家には、買ったまま未開封のDVDがそれなりにあるから。
いつでも見られると思ったら、いつまでも見ないよね。
でもさ、この映画のラインナップがまたすごいのよ。
『雨に唄えば』『オズの魔法使い』『風と共に去りぬ』『誰が為に鐘は鳴る』『シャレード』『第三の男』『紳士は金髪がお好き』『花嫁の父』『ローマの休日』『カサブランカ』
これにテキスト(英文のポイントや違う言い回しなど)が5冊とガイドブックがついて32000円弱。
てことは、映画1本について3000円。
日本語字幕や英語字幕を見ながら何度も鑑賞するのなら、めっちゃ安い。
単純に映画を楽しむのでも、まあ安い。
欲しいなあ…。
いや、読書が…。
本日の読書:推し、燃ゆ 宇佐見りん
カバー裏より
『「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」。高校生のあかりは、アイドル上野真幸(うえのまさき)を解釈することに心血を注ぎ、学校も家族もバイトもうまくいかない毎日をなんとか生きている。そんなある日、押しが炎上し――。第164回芥川賞受賞のベストセラー。時代を映す永遠の青春文学。』
薄くて文字が大きくて行間の広い本なのに、読むのに時間がかかる。
作者は、見たものを丸ごと記憶する力を持っているのか、主人公が目にする世界のことごとくが、こと細かくて、しかも多分正確だ。
デビュー作『かか』では、その特異な文体ゆえあまり気にならなかった、選択される語彙の的確さ。
その文章の持つ圧倒的な力に気圧されて、読むのに時間がかかる。
読み進めるとまた、その圧倒的なまでの自己肯定感の低さというか、生きることに対する不器用さに圧倒される。
生きにくい生きにくい生きにくい。
声にならない悲鳴のような思いの強さに、デビュー当時の金原ひとみを思い出す。
推しを思う気持ちは、理解できる。
ファンの数だけ推しへの思いは違うのかもしれないけれど、主人公の「あたしは触れ合いたいとは思わなかった。現場も行くけどどちらかといえば有象無象のファンでありたい」に、私はひどく共感した。
多分発達障害であろう主人公は、何をやってもうまくできない。
どれだけそのことを責められても、出来ないものはできない。
けれども推しの言葉を分析し、解析し、ブログに発信することで、推しは彼女の背骨となる。
そういうありかたのすくい取り方が、大変うまいのは言うまでもないけれど、言葉のチョイスと文章の精度が素晴らしいと思う。
『かか』の文体はもちろん彼女の常とするものではないけれど、この作品の文体もまた、彼女の常の文体ではないのだという。
本来は三作目である『くるまの娘』の文体だと作者が言うので、これも読んでみなければなるまい。
解説が金原ひとみだったのも、むべなるかな、というところ。