9月5日(金)
私の話ではありません。
職場の先輩だった人の話。
ある日彼が「俺、これからオリンピックに出るとしたら、馬術にするわ」と言いました。
60歳目前にして何言ってんねん、と思ったことはひた隠し、乗馬やってたんですか?と聞くにとどめた私。
「いや、全然。でも馬術だったら、いい馬に乗れば大丈夫っしょ」
…
「冬のオリンピックだったらカーリングだね。あれなら俺にもできる」
片足は滑り止め付き、片足は滑り止めなしの靴で、20キロもするストーンを投げるのは、素人では無理です。
そもそも氷上のチェスと言われるカーリングですから、頭がよくないと勝てません。
馬術も、馬は賢い動物ですから、馬が人を選ぶんですよ。
馬にお任せ~なんて言ってる時点で、馬にお断りされます。
ってなことを職場で話したことがありました。
何も知らない人が見たら楽に見えるのかなあ?
私は馬術はマンガから、カーリングは小説から、その大変さを教えられましたので、軽口でも「オリンピックに出るなら…」なんて言えないわ。
楽なスポーツなんてないと思っているので、お金を積まれてもスポーツ選手にはなりません。
っていうか、なれません。
本日の読書:僕と先生 坂木司
Amazonより
『こわがりだけど推理小説研究会所属の大学生・二葉と、ミステリが大好きな中学生・隼人が、日々の生活での様々な「?」を鮮やかに解決するシリーズの第二弾は、謎めいた人物も見え隠れして、ますます目が離せません。』
目次
・レディバード
・優しい人
・差別と区別
・ないだけじゃない
・秋の肖像
・指先の理由
ひょんなことから推理小説研究会に入ることになった伊藤二葉は、超怖がりなので殺人を扱うようなミステリは怖くて読めない。
ところが、家庭教師先の中学生・瀬川隼人はミステリが大好き。
そもそも頭がいいので家庭教師など必要ないので、成績を下げないという約束で、家庭教師の時間の半分をミステリの話をして過ごすことに。
隼人はミステリの話が出来て嬉しい。
二葉は怖くないミステリを教えてもらえてありがたい。
そんなシリーズ第二弾。
日常の謎系ミステリでありながら、ミステリ案内の要素も多少あります。
というのも、隼人から二葉に毎度宿題(課題図書)が出されるのですが、日常の謎と絡めて差し出される作品は、ちゃんと基本図書になっていると思います。
今回は『怪盗ルビイ』『怪盗ルビイ・マーチンスン』『ブラウン神父の童心』『ポー名作集』『11人いる!』『怪盗紳士リュパン』『大誘拐』『黒蜥蜴』。
ポーの作品には怖いものもあるので、それは読まないよう、事前に教えてくれもします。
隼人はアイドル顔負けの美貌の持ち主で、それを必要に応じてあざとく使い分けるだけの頭脳を持っています。
でも、ちょっと過保護なお母さんに育てられているせいか、奥の奥に隠された本質は、とても純粋でちょっと幼いくらいかも。
だから家庭教師を手玉に取って、大人顔負けの名推理を働かせたとしても、笑って許せるのです。
一人暮らしにあこがれ、徹夜でミステリを読みふけってみたいと願い、お風呂でジュースを飲むようなお行儀悪もやってみた~い!と思うような、まだ子どもなのだもの。
コミュニケーション能力に自信がなく、ましてや女の子の気持ちなんて全く解することのできない二葉にも、ほんのり恋の気配が漂うところでこの巻は終わり。(ただし本人は全く気付いていない)
二葉くん、あと二年で社会人になるというのに、それで本当に大丈夫か?
ああ、続きが読みたいが、続きが出る日は来るのだろうか。