8月8日(金)
いつも美容院では、持参した本を読む。
今回は図書館で借りた本を読み終わってしまったので、自分の本を持っていった。
いつも通り鏡の前のテーブルに本を置くと、美容師さんが「あれ?このカバー、鳥獣戯画じゃないですか!」
この写真は、家に帰る途中で水分補給をした時のもの
パッと見鳥獣戯画とはわかりにくいデザインだと思うのですが、何ならよく見てもわかりにくいかもしれないのに、本当に一瞬で「鳥獣戯画じゃないですか!」って。
これはすごいと思う。
鳥獣戯画いいよねー。かわいいよねー。
なんて話から、去年道立近代美術館でやっていた「鳥獣戯画展」の話まで、まあ、盛り上がった盛り上がった。
やっぱ鳥獣戯画は『甲巻』に限るよねー。
彼女とは、本の話や映画の話など、割りと趣味が似ているところがあるのだけれど、まさか鳥獣戯画までとはね。
その後、副店長さんがいらしたので、鳥獣戯画から、なぜ映画館でポップコーンを食べるのだ、ぷんぷん
の方へ話題は移ってしまったけれど、今日の美容院はあっという間に時間がすぎました。

本日の読書:ペッパーズ・ゴースト 伊坂幸太郎
帯に「そうだ、こういうのが読みたかったんだ」と書いてあったが、まさに、それな。
不穏で、理不尽で、極めて暴力的で、軽妙洒脱。
視点となる側の人物はみんな、切ないくらいに真っ当で真摯。
ストーリーは大きく分けて二つ。
ひとつは、猫虐待動画(猫を地獄に送る会)を視聴し、煽る人たち(通称「ネコジゴ」)を追い、同じ手段で報復するネコジゴ・ハンターの話。
宝くじで10億円を当てた愛猫家に頼まれ、金に糸目をつけずにネコジゴを捜し出して報復するのは、悲観主義者のロシアンブルと楽観主義者のアメショーの二人組。
この二人の掛け合いが、楽しくってしょうがない。
もうひとつは、飛沫感染により他人の明日がちょっとだけ見ることができる(かもしれない)と言う超能力を持つ中学教師の檀が、生徒の未来を観てしまったことから、行方不明になった彼の父親を救うべく、奔走する話。
こちらは、先生のお母さんが地味に良い味出してます。
正直に、誠実に、誰にも迷惑をかけることなく生きていても、理不尽に不幸に突き落とされることはある。
その反対に、ちょっと要領が良くて、ちょっとずるをして、いつもおいしい思いをしている人もいる。
なんであいつばっかりいい思いを、なんで自分ばっかり損をするのか。
他人の迷惑などお構いなしに、自己顕示欲や承認欲求を満たそうとする人。
匿名の陰に隠れて、愚劣な言動を平気でたれ流す人々。
そういう人たちは、無神経な分だけ、繊細な人たちより圧倒的に強い。
でも、それじゃあ、ダメなんだよ。
動物虐待で『アヒルと鴨のコインロッカー』を思い出し、ロシアンブルとアメショーの掛け合いで『マリアビートル』の蜜柑と檸檬を思い出し、己の無力を知りながらもがく檀先生の姿に『AX』の蟷螂の斧(AX)を思い出す。
なんだよこれ、私の好きな伊坂幸太郎の詰め合わせじゃないかよ。(動物虐待が好きなわけじゃないよ、もちろん本屋強盗も)
カバー裏より
『中学教師の檀(だん)は、猫を愛する妙な二人組の小説原稿を生徒から渡される。さらに他人の未来を観る力を持つことから謎の集団とも関わり始め……。苦い過去を乗り越え檀先生は世界を、自分を救えるのか!?全ページ楽しく愛おしい、一大エンターテインメント!』帯に「そうだ、こういうのが読みたかったんだ」と書いてあったが、まさに、それな。
不穏で、理不尽で、極めて暴力的で、軽妙洒脱。
視点となる側の人物はみんな、切ないくらいに真っ当で真摯。
ストーリーは大きく分けて二つ。
ひとつは、猫虐待動画(猫を地獄に送る会)を視聴し、煽る人たち(通称「ネコジゴ」)を追い、同じ手段で報復するネコジゴ・ハンターの話。
宝くじで10億円を当てた愛猫家に頼まれ、金に糸目をつけずにネコジゴを捜し出して報復するのは、悲観主義者のロシアンブルと楽観主義者のアメショーの二人組。
この二人の掛け合いが、楽しくってしょうがない。
もうひとつは、飛沫感染により他人の明日がちょっとだけ見ることができる(かもしれない)と言う超能力を持つ中学教師の檀が、生徒の未来を観てしまったことから、行方不明になった彼の父親を救うべく、奔走する話。
こちらは、先生のお母さんが地味に良い味出してます。
正直に、誠実に、誰にも迷惑をかけることなく生きていても、理不尽に不幸に突き落とされることはある。
その反対に、ちょっと要領が良くて、ちょっとずるをして、いつもおいしい思いをしている人もいる。
なんであいつばっかりいい思いを、なんで自分ばっかり損をするのか。
他人の迷惑などお構いなしに、自己顕示欲や承認欲求を満たそうとする人。
匿名の陰に隠れて、愚劣な言動を平気でたれ流す人々。
そういう人たちは、無神経な分だけ、繊細な人たちより圧倒的に強い。
でも、それじゃあ、ダメなんだよ。
動物虐待で『アヒルと鴨のコインロッカー』を思い出し、ロシアンブルとアメショーの掛け合いで『マリアビートル』の蜜柑と檸檬を思い出し、己の無力を知りながらもがく檀先生の姿に『AX』の蟷螂の斧(AX)を思い出す。
なんだよこれ、私の好きな伊坂幸太郎の詰め合わせじゃないかよ。(動物虐待が好きなわけじゃないよ、もちろん本屋強盗も)