7月1日(火)

なんとか20冊は読めましたが、本当に20冊の壁が高くなってしまった。
6月に関して言えば、理由は3つ。

1. 娘の家に行ったのが大きい。(と言っても思ったほど大きくもなかったけど)
  家事の合間にちょこちょこは読めたけど、じっくり腰を据えて読むことができなかった。
2. 『魔法の国ザンス』シリーズにとにかく時間がかかる。
  分厚いうえに文字が小さいので、読んでも読んでもページが進まない。
3. 冊数こそ少なかったけれど、一日あたりの読んだページ数は290ページ強。
  つまり、分厚い本が多かったという単純な事実。確かに毎回図書館で本を受け取るとき、その迫力にのけぞったもんなあ。

読みたいときに読みたいだけ本を読めるのは当たり前のことではなくて、自分や家族に何かあったら、あっという間に失われる時間なんだと改めて気がつきました。
だからと言って読書時間が劇的に増えるわけではないけれど。

そんな中でも★5つが4冊。
状況は過酷でも、読書を楽しめてはいたのさ。

『月まで三キロ』
科学ってこんなに温かいのか…と思わせられる掌編ばかり。
作中でも、直接的に科学が人の悩みを解決するわけではないけれど、見方を変えると行きどまりと思えた悩みの先が、少し明るく見えてくるような終わり方がとてもよかった。

『本を売る日々』
江戸時代の本屋という今はやりの題材でありながら、じっくりと腰を据えて読まねばと背筋が伸びるような本。
江戸時代の専門書の在り方や、本屋の矜持が改めて胸に迫る。
続編を希望しているのが私だけではないと知ったけど、やっぱり難しいだろうなあ、題材的に。

『書楼弔堂』
作者もテーマも大好きなので、当たり前と言えば当たり前だが、ここに勝海舟という師とも仰ぐあの方を出されてしまっては、文句のつけようがござらん。
しかも、口調を読むだけで、噂部分を読むだけで、勝先生の姿が浮かび上がってくるのだもの。
それはさておき、歴史上の人物も悩み苦しみ、本から受けたなにがしかを持って己の道を見つけていったというのは、悩んでいるのは自分だけでも太宰だけでもないという強いエールになるのでは。

『香君』
上下巻合わせての★5つ。
正直彼女の最高傑作ではないけれど、期せずして今の時代を鋭くえぐる作品となった。
食料行政の難しさ(一種類の作物に頼ることの怖さや、品種改良・土壌改良することによる自然への影響)がわかりやすく書かれているとともに、作家の時代を見る目の確かさに脱帽。

6月の読書メーター
読んだ本の数:22
読んだページ数:8746
ナイス数:644


夜光曲 (講談社文庫 た 56-37 薬師寺涼子の怪奇事件簿)夜光曲 (講談社文庫 た 56-37 薬師寺涼子の怪奇事件簿)感想
次から次へと、よくもまあこんな飛んでも事件が起きるな、東京。今回は『山枯らし』という、自然に存在する妖怪(?)が、マッドサイエンティストの手によって環境テロに対する武器として作り変えられる。それはすでに環境テロそのものなのだけど、自分だけは正しいことをしていると信じ込んでいるのがマッドサイエンティストたる由縁。薬師寺涼子はそんなマッドサイエンティストに名をつける。怪人「への一番」。悪人にかっこいい名前を付けるべきではないという、確固たる信念からの名づけ。★★★★☆
読了日:06月01日 著者:田中 芳樹

QED 鬼の城伝説 (講談社文庫 た 88-14)QED 鬼の城伝説 (講談社文庫 た 88-14)感想
ここ数年読んできた古代史をテーマにしたミステリは、なぜか岡山へと私を導く。詠んだのは数年前でも書かれたのは数十年前だから、その当時に古代史の岡山ブームでもあったのだろうか。で、今回タタルはほとんど出てこない。密室殺人事件の被害者の婚約者の友だちが、小松崎の雑誌に事件解決の依頼の手紙を送ったことから、彼らは事件に巻き込まれていくのだが。タタルは最後に登場して、事件全体の構造を暴き、現実の法手続きは警察に任せて、さっさと退場。このあたり、事件は暴くが事務処理は室町警視に丸投げする、薬師寺涼子みたいなものか。★★★★☆
読了日:06月03日 著者:高田 崇史

王女とドラゴン (ハヤカワ文庫 FT ア 1-7 魔法の国ザンス 7)王女とドラゴン (ハヤカワ文庫 FT ア 1-7 魔法の国ザンス 7)感想
今回の主人公は、ドオアとイレーヌの娘アイビィ・3歳。相棒は、ハンフリーとゴルゴンの息子ヒューゴー・7歳か8歳。そして若返りの泉の水を浴びたベイビー谷ドラゴン。そんな二人が迷子になったため、母親たちは子どもをさがしに行くのだが、次々と災難に見舞われ…。いろんな種類の生き物が生息するザンス。互いに敵対したり、無視したりしていた種族も、ザンスの危機の前に力を合わせて戦えるようになったのには、アイビィの無垢の善意・愛情が種を蒔いたからだ。何十年も前に書かれた作品だが、ここには多様性を認め合う社会が存在している。★★★★☆
読了日:06月05日 著者:ピアズ アンソニイ,山田 順子,Piers Anthony

香君 上 西から来た少女香君 上 西から来た少女感想
主人公のアイシャは、民に憎まれてその座を追われた前藩王の孫娘。本当なら命を奪われるところを、弟ともどもこっそりとその命を救われ、身分を隠して生きている。主人公は少女だが、これは少女の成長譚ではない。この作品に書かれているのは、もっと大きなものである。主食とはいえ一つの作物に固執することの危うさ。種子を作ることができず、外国頼りであることの脆さ。食を政治や外交の駆け引きに使うのみで、民を見ようとしない統治者。なんと今の私達の生活にぐさぐさ来る物語なのだろう。★★★★☆
読了日:06月06日 著者:上橋 菜穂子

新源氏物語(中) (新潮文庫)新源氏物語(中) (新潮文庫)感想
しみじみと、平安の世に生まれなくてよかったと思う。ルッキズムの最たる時代なので、どんなに性格が良くて才能があっても、花散里のような女性を最後まで大事にするのは源氏くらいだ、と言われるし、美貌に恵まれ後ろ盾が盤石であろうとも、玉鬘のように自分の意志に反した人生を強要される。それなのに、男どもは「あなたのため」を連発するんだからな。もし私がどうしても平安時代に生まれなければならないとしたら、貴族の家の下働きでお願いします。一番気楽で食いっぱぐれない気がするから。★★★★☆
読了日:06月08日 著者:田辺 聖子

完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)感想
【再読】自意識過剰って、周囲を俯瞰で見ていること。そして、著者も言うように、人の評価を基準にしないこと。自己ベストを更新し続けていけば、結果がついてきても来なくてもよいという自信、自分に対する信頼がキモなのではないかと思う。数日前、藤井青銅の本を買った。高校生の頃よく聞いていたラジオドラマの番組で、面白いと思った話の脚本家が藤井青銅だったことが多かったので、ひそかにファンだった。そうしたら、この本の中で著者と藤井青銅との浅からぬ絆を書いていて、何やら私にも浅からぬ絆があるように思えた。←大いなる勘違い★★★★☆
読了日:06月11日 著者:若林 正恭

死にがいを求めて生きているの (中公文庫 あ 92-2)死にがいを求めて生きているの (中公文庫 あ 92-2)感想
朝井リョウらしくない?作中で何度も読者の立ち位置を確認するような書き方。わかりやすいキャラクター設定のようでいて、複層的な作り。でも、最後のどろどろと湧いてくるような毒は、確かに作者のものだと思った。世の中から「対立」「競争」というものを無くしていったのが、【平成】という時代。自分を信じられるものは幸いである。しかし、そうでない者たちは、自分を何で評価すればいいのか。簡単にカリスマを作り出し、簡単にその座から引きずり下ろし、簡単に忘れる風潮。忘れられたカリスマは、その後をどうやって生きていったらいいのか。★★★★☆
読了日:06月12日 著者:朝井 リョウ

女帝 小池百合子 (文春文庫 い 88-2)女帝 小池百合子 (文春文庫 い 88-2)感想
もしここに描かれていることが全て本当なら、恐るべきホラーだと思う。美内すずえあたりに漫画化してほし…いや、『ガラスの仮面』の続きを早く。権力者に近づき、引き立ててくれた人も自分に敵対した人も、等しく徹底的に踏みにじって上を目指す。嘘を書いているとは思わないが、これはあくまでも徹底した取材を行った著者の見方。本人の弁を聞いて判断しなければ、事の真偽はわからないと思う。しかし、著者が直接の取材を申し込んでも、彼女からの返事は一切ないのだという。★★★★☆
読了日:06月14日 著者:石井 妙子

教授のパン屋さん (ポプラ文庫 お 22-1)教授のパン屋さん (ポプラ文庫 お 22-1)感想
舞台が札幌だというので買ってしまったけど、もしかしたら子ども向けの作品だったのかも。一般常識を疑い、柔軟な思考を促すための工学部教授なのだろうけれど、パンが好きすぎて副業にパン屋を…というのが無理やりすぎる。謎解きとパンも、特に絡ませる必要はない。最初の話で、話題として実在のパン屋の名前が出てきたので、もっと実際のパン屋の話が出てくるのかと思ったらそれだけだったのも残念。札幌市内で神出鬼没のキッチンカーのパン屋という設定だったわりには、市内中心部しか舞台になっていないのも残念。★★★★☆
読了日:06月15日 著者:近江 泉美

BANANA FISH (6) (小学館文庫 よA 16)BANANA FISH (6) (小学館文庫 よA 16)感想
警察に捕まった英二とシンは、ユーシスによって解放されるが、英二はそのまま囚われの身に。いやそれよりもユーシス、あんた兄ちゃんに何をした?アッシュはアッシュで命を狙われたり脳みそを狙われたりと、次々ピンチが襲い来る中、冷静に、しかし体力的には相当無理をして脱出を図る。5歳児の知能にされたドースン博士というお荷物を抱えたまま逃げ切れるのか。マックスと俊一が近い所まで来てくれているのが、唯一の安心材料。安心していいよね。まさかお荷物倍増なんてことには…。
読了日:06月17日 著者:吉田 秋生

月まで三キロ (新潮文庫)月まで三キロ (新潮文庫)感想
理系の雑学を聞くのが好きだ。正直、こんな科学の知識を知ったところで、人生の悩みが解決するわけはない。事実、これらの作品のなかでも、根本的な解決に至った話はない。でも、新しい可能性は確かに生まれた。『山を刻む』は、専業主婦の主人公が夫の定年退職後に自分の人生を変えようと日帰りの登山に出掛ける話なのだけど。日々家族のために彼女がしているあれこれを、夫も子どもたちも、当たり前すぎて何も思わない。自分の時間が、愛情は、家族に刻まれた(傷つけられた)と思うのは、主婦としてあまりに辛い。なのに、一番読後感が良かった。★★★★★
読了日:06月17日 著者:伊与原 新

本売る日々 (文春文庫 あ 64-7)本売る日々 (文春文庫 あ 64-7)感想
主人公の松月平助(しょうげつへいすけ)は、物之本屋である。物之本の本とは、「根本」の本であり、「本来」の本であり、物事の本質を意味する。つまり学術書の専門店と言っていい。で、短編が3作。江戸時代の出版文化や、本という貴重品についてとともに語られる平助の話は、不可解な出来事であり、ちょっとしたミステリになっている。読んでいるうちに、自分の心の中で何かがきれいに洗われていく気がした。そして、物語の最後に書かれたことは、平助の本屋としての大きな一歩であったと言える。続編出ないのかなあ。★★★★★
読了日:06月18日 著者:青山 文平

BANANA FISH (7) (小学館文庫 よA 17)BANANA FISH (7) (小学館文庫 よA 17)感想
本来動き回ることも無理な体調なのに、ドースン博士ばかりかマックスや俊一まで拾って敵陣から脱出成功するアッシュ。どこまですごいんだ、と思わせてからの、英二とのふわふわな日々。しかし、それぞれの思惑を抱えて手を結んだユーシスとゴルツィネは、アッシュの唯一の弱点は英二だと見抜き、ターゲットを英二に絞る。英二だけがそれに気づいていなところがなんとも彼らしいのだけれど、ちょっともどかしい。
読了日:06月18日 著者:吉田 秋生

霧の訪問者 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス タK- 27 薬師寺涼子の怪奇事件簿)霧の訪問者 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス タK- 27 薬師寺涼子の怪奇事件簿)感想
今までいろいろ怪奇的生き物が登場してきたこのシリーズだが、土着の風俗や伝説的存在ではなく、まったくの人間のエゴで作り出された存在がグロテスクで哀しい。自由の国アメリカの、実は全然自由ではないキリスト教への妄信。金さえあれば何をやってもいいなんて、キリストは言ったか?「弱肉強食」「自己責任」などはキリストの教えなのか?合間合間に挟み込まれる自由時間に、涼子がきっちり予定を組んでいたことがうかがわれて微笑ましい。ここは普通に20代の大金持ちのお嬢様なんだな。★★★★☆
読了日:06月19日 著者:田中 芳樹,講談社ノベルズ

QED ~ventus~ 熊野の残照 (講談社文庫 た 88-16)QED ~ventus~ 熊野の残照 (講談社文庫 た 88-16)感想
今回は、タタルたちが出てくる現在パートでは事件が起こらず、幕間に語られる過去パートで殺人事件が起きている。しかしよく読んでみると、現在の私と過去の私の語る内容が微妙に違う。ずっともやもやしながら読むのだが、タタルたちは当然そのことを知らないわけで、延々と熊野にまつわるウンチクが語られていく。このシリーズを読んでいると、日本人ですみませんという気持ちになってしまう。まあ、読んでいる間だけなんだけど。★★★★☆
読了日:06月21日 著者:高田 崇史

新源氏物語(下) (新潮文庫)新源氏物語(下) (新潮文庫)感想
もう、自分勝手な振る舞いをする男どもの、自分勝手な言い分を読んでは怒髪天。脳内で、大和和紀の描いた美しい顔で、ゲスなことをやってのける。でも、悪いのは女のせいなので、口先でしか反省しない。一人だけ割と誠実な振る舞いをするのは、玉鬘と結婚した髭黒の大将。武骨で風雅なこととは無縁だけれど、実直で信頼できる。ただ、彼もまた強引ではあったけれど。こんなに怒りながらも、読むのを止められないのはなぜか。やっぱり面白いのである。悔しい。★★★★☆
読了日:06月22日 著者:田辺 聖子

幽霊の勇士 (ハヤカワ文庫 FT ア 1-8 魔法の国ザンス 8)幽霊の勇士 (ハヤカワ文庫 FT ア 1-8 魔法の国ザンス 8)感想
今回は、ここ数作の面白さに比べたら今一つだった。野蛮人のジョーダンは、野蛮人らしくドラゴンなどを退治するような冒険に出る。ドオアの冒険のように使命を持って出かけるわけでも、ここ数作のように子どもの冒険が結果的に彼らを成長させるわけでもない。それでも、ジョーダンが話を終えた後のアイビィの行動に躊躇のないところが、さすが王女だなあと感心する。タペストリーに織り込まれたジョーダンの物語は、本人には知りえなかった真実があり、400年越しに明かされた純愛の行方は、なかなか面白かった。★★★★☆
読了日:06月24日 著者:ピアズ アンソニイ

文庫版 書楼弔堂 破暁 (集英社文庫)文庫版 書楼弔堂 破暁 (集英社文庫)感想
このシリーズは、本屋が舞台なのである。しかも、歴史上の人物たちが自分の人生に迷ったときに、「自分のための一冊」の本に巡りあう話なのだ。本好きであり、歴史好きである私のために書かれた本だと思っても、あながち間違いではないような気がする。人生を変えてもいいくらい面白い本と巡りあう。しかし、もしかしたらもっと面白いものがあるかもしれない。そう思ったらそれは「自分のための一冊」ではない。もっと面白い本を探して、本を渉猟する。必然的に本は集まってしまうのだという。だから本って増殖するのか!と膝を打つ思い。★★★★★
読了日:06月26日 著者:京極 夏彦

聖なるズー (集英社文庫)聖なるズー (集英社文庫)感想
合意を得ることのできない動物に一方的に自分の性癖を押し付け、痛みや苦痛をを与え身体を損なうような行為を強要してまで、自己の快楽を優先するという心理がゆるせないと思っていた。ところがこの本を読んで、それは全くの思い込みであったことがわかる。性行為を伴わない「ズー」の人も最近は増えているようなので、「動物性愛者」という呼び方は、もっと現実に即したものにした方がいいような気はする。私には理解のできない性的志向ではあるけれど、それはそれで尊重はする。そこまでしか、今の私には言えないなあ。でも、読んでよかった。★★★★☆
読了日:06月27日 著者:濱野 ちひろ

香君 下 遥かな道香君 下 遥かな道感想
オアレ稲の本当の天敵はオオヨマではなかった。そして香君の能力を持たないオリエは本物の香君ではなかった。オリエがずっと抱えていた後ろめたさは、最後に大きな賭けに出る。藩王国の国王たちと帝国の皇帝・貴族を一堂に集め、それぞれが互いの立場を述べ、皆が傷を負い責任を負い、最悪の事態を避けるために決断する。しかしオリエが倒れたとき、真の香君であるアイシャが立ち上がる。もうね、どこを読んでも手に汗握るの。面白いのよ。やっぱり自分の頭で考えて自分の足で立とうとする少女の話が、私はいっとう好きなのだと思う。★★★★★
読了日:06月28日 著者:上橋 菜穂子

もののふの国 (単行本)もののふの国 (単行本)感想
平将門から西郷隆盛までの、もののふの歴史を通して日本という国の在り方を振り返る。それぞれのパートはさほど長くはないので、特に目新しい事実というのはなかったけれど、目新しい解釈というのはあった。この話の肝は、”長老”と言われる存在が海の者と山の者の争いをただ見ているだけではなく、時に干渉するということ。しかし、干渉した結果世の中が良くなるというわけでもなく、”長老”の目的もわからない。正体などはわからなくてもよいが、目的がわからないまま終わってしまったのは残念。存在意義がわからん。★★★★☆
読了日:06月29日 著者:天野 純希

先生、大蛇が図書館をうろついています! ―[鳥取環境大学]の森の人間動物行動学先生、大蛇が図書館をうろついています! ―[鳥取環境大学]の森の人間動物行動学感想
今回は大きなトピックがなくて、全体に小粒だった印象。ただ、いつも思うのだけれど、この先生に教わる学生は幸せだなあ。動物好きが動物に存分に触れ合える環境というのも幸せなんだろうけど、学問というか研究の仕方というのを、ここまで時間をかけて考えてくれることって少ないのではないだろうか。そして、学生の側も自分が何を学びたいのかというのに自覚的で、自分の学生時代を顧みると赤面のいたり。★★★★☆
読了日:06月30日 著者:小林 朋道


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