5月29日(木)
毎日毎日コメ関係のニュースや話題を見聞きして、思ったこと。
ちょっとだけ書こうと思ったら、思いのほか長文になってしまって、自分でひいた。
いや、ほんと、長い。
でも、どこかに残しておかないと、またいつか米不足でワーワー騒ぐのことになりかねないし、何より言わずに我慢していると腹ふくるる思いが辛い。
だからここで、「王様の耳はロバの耳」と長文でつぶやいておく。
夜にはいつものブログを書こうと思うので、短時間だけトップに来るけど、ごめんなさいね。
* * *
北海道のローカル番組『ハナタレナックス』で、高級炊飯器(12万円)で炊いた安いブレンド米と安い炊飯器(スタッフ所有の2万円程度)で炊いた高級ブランド米を食べ比べて、どちらが高級炊飯器で炊いたご飯を当てる、という企画をやった。
結果として、どちらも美味しかったそうで、意見はバラけたのだった。
ということは、我が家が鍋でご飯を炊くようになって、「安いブレンド米が高級ブランド米に変貌した!」と言っていたのは、あながち間違いではなかったのだな。
しかも今はおひつでご飯を保存しているので、それを温めなおしてもなお美味しい!
安いお米を美味しく食べる手段というのはきっとあるので、あまりマスコミに踊らされて米に群がらないようにしたいと思った。
平成の米騒動の時も、「タイ米は臭い」とマスコミが騒ぎ、「吹きこぼして炊くとよい」とか「油を少量たらすとよい」とか、いろいろな方法が紹介された。
SNSが発達した今なら、もっと、いい情報を探しやすくなっているのではないだろうか。
ちなみにその当時、実家の母に「米は足りているのか?」と聞いたら、「まあ年寄り二人が食べていく分くらいは何とかなっているし、どうしてもお米が手に入らなくなっても、じゃがいもやカボチャはあるからね」と言っていた。
そうだった。
パンだ、パスタだという前に、私の実家はもともとじゃがいもが半主食であったのだ。
何故って貧乏だったから。
私は粉吹き芋の、塩気たっぷりの粉の部分が好きで、鍋からかき集めて食べてたなあ。
ということはでんぷんに塩を混ぜてもいけるんじゃないか?←試したくはない
私は最後まで給食の主食はパンだったけれど、米給食が導入されたとき、「古米を子どもたちに食べさせるのか!」と結構反対者が多かったと覚えている。
そもそも増えすぎる古米対策として、米給食の導入があったのだから。
でもふたを開けたら、「ご飯でおかずを食べたほうが美味しい」などの声が上がり、今更お米給食反対の声などは聞かれなくなった。
備蓄米の保存期間が過ぎたら、大半は動物の餌として売り渡すけれど、一部は無償で学校給食や子ども食堂やフードバンクに渡っているらしい。
保存場所や維持費の問題で保存期間という枠を作り、「動物の餌」という選択ができたわけで、人間が食べて害になるものを「備蓄」しているわけではない。今は。
平成の米騒動で明らかになった、ただ保存しているだけでは米がダメになること。
政府米を放出してみたら、虫が湧いていたり傷んでいたものが大量にあった。
いざという時食べるために保存していたはずなのに、いつの間にか保存のための保存になり、いざという時役に立たなかった。
だから今の備蓄米は、いざという時に役に立つように、ちゃんと保管をしているはず。
「備蓄米を5キロ2000円で」という小泉農水相の政策を、「対症療法じゃ困ります!」と弾劾していた人がいたけど、いや、これ、対症療法案件じゃろう。
もともと「米は足りている」はずなのに流通しない、全農に備蓄米を売り渡したのに流通しない、だから今、対症療法としての古古古米であり、2000円なのだろう。
全農に猶予期間は与えたよ。
これでも米を流通させないというのなら、問題がどこにあるかは自明だろう。
終戦後の食料品不足のような状態なんだな、今は。
昭和20年の夏。
その前年も、その前も、天候に恵まれ稲も野菜も豊作だった。
けれど国民は飢えた。
流通しなかったからだ。
そこに実った野菜があるから、野菜泥棒は横行した。
農家の人も、丹精込めて作った野菜が、どこにも行き場がなくて朽ちていくのを、ただ見ていた。
どこに行けば野菜やコメがあるのかをみんなが知っていたから、ヤミ米、ってことになる。
なぜ流通しなかったのかというと、軍が物流を押さえていたからだ。
国民の食糧なんかを運送する暇があったら、軍需物資を輸送する。
鉄道は国有だから、それができた。
今、当時の軍と同じことをやっているのが全農で、米を押さえて、流通させない。
なぜ?
ゆっくり作業している間にも、米の値段が上がるから。
本気でやる気があるのなら、無地の米袋にでっかく『備蓄米』と印刷したシールを貼って出荷すればいい。(備蓄米用の袋を作るのに3週間かかるとぬかしておった)
政府に貨物コンテナを借り上げてもらえばいい。
トラックよりは時間かかるかもしれないけれど、JR貨物の方が輸送コストもかからないのでは?
「米の生産者は、こんな値段じゃ生活していけない、と言っている」のだそうだ。
「国民は、こんなに高くては手が出ない(でも買う)と言っている」のだそうだ。
政治家は、「農家と消費者」という構造で分断するけれど、どちらも国民だ。
その調整を図るのが、政治家の仕事じゃないの?
どちらかが幸せになるために、どちらかには泣いてもらうなんて、政治ではないよ。
どちらも国民。
両方を救え。
「いざという時」に食べるために米を備蓄していたわけで、今が「いざという時」だと判断されたから、それが放出された。
なんでこれに文句を垂れる人がこんなにいるのかわからない。
そもそも米は十分足りていたはずなのに、なぜ今が「いざという時」なのかがわからない。
誰が今を「いざという時」にしてしまったのか。
確かに例年よりは不作だったのかもしれないけれど、飢饉になるほど壊滅的な被害を全国的に受けたってニュースを聞いた覚えはないのだけれど。
昭和初期の金融危機みたいだね。
噂で「台湾銀行が危ないらしいよ」って流れた途端、みんなが預金を下ろしに行ったため、ちょっとしか危なくはなかった台湾銀行が倒産。
そして全国的な金融危機に。
高校生の時、なぜ台湾銀行の動向が日本にここまで影響したのかよくわからなかったけど、当時の台湾は日本の支配下にあったから、普通に日本の皆さんも台湾銀行に預金していたんですね。
大人になってから理解しました。
来週、安いお米が店頭に並んでも、みんなに行きわたるかはわからない。
どうやっても転売ヤーは出てくると思う。
転売ヤーだけではなく、平日に時間のあるお年寄りや主婦が買い占めたら、昼間働いている一人暮らしの人、昼間親が働いている家の子どもに渡る米はあるのだろうか?
年金生活者には、安いお米はとてもありがたいだろう。
でも、働き盛りの人には食べ盛りの子どもがいるかもしれない。
とりあえず我が家は、今の米があるうちは買いに走らないことにした。(よく考えたら我が家も年金生活者だったな)
もともと米は、あるんだよ。
今は流通していないだけ。
マスコミにあおられないように、政治家の口車に乗せられないように、冷静に状況を判断したいと思っている。