5月11日(日)
字幕でも吹替でも気にしないタイプでした。
字幕の時はセリフ回しを含めて俳優の演技を堪能し、吹替の時は映像に込められた思いや情報を受け取ることに重点を置きました。
だから結局どっちでもよかったのです。
最近は、英語のセリフを聞きながら日本語字幕を読む、日本語のセリフを聞きながら英語の字幕を読む、ようにしています。
そうすると少しずつ英語が聞き取れるようになったり(カタツムリの歩み)、英語での言い回しが分かってきたりするようになったかも。
まあ、映画に集中してしまうと、そんなこと関係なくなっちゃうんですけどね。
北海道のローカルテレビ、『おにぎりあたためますか』での商品開発で没になったチルド麺が、視聴者からの「食べてみたい」という声に応えて、発売されることになりました。
第一弾は、戸次重幸開発の「スパイス香る海老味噌ラーメン」。
私もこれが一番食べてみたいと思っていたので、大変うれしい。
「味が予想できるものだったから」という専門家たちの評価で没になったけど、逆に言えば専門家が考えるレベルのものが作られたということではないですか。


本日の読書:くもをさがす 西加奈子
Amazonより
『『くもをさがす』は、2021年コロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された著者が、乳がん発覚から治療を終えるまでの約8 ヶ月間を克明に描いたノンフィクション作品。カナダでの闘病中に抱いた病、治療への恐怖と絶望、家族や友人たちへの溢れる思いと、時折訪れる幸福と歓喜の瞬間――。切なく、時に可笑しい、「あなた」に向けて綴られた、誰もが心を揺さぶられる傑作です。』
コロナ禍のカナダで、乳がんを宣告され、治療し、寛解を迎えるまでの8ヶ月の記録。
異国での発症という、それでなくても「がん」を宣告されることは衝撃が大きいのに、言葉や環境の違いなど日本での医療とは全く違う文化を受け入れる作業もあり、その大変さは如何ほどだったかと思う。
特にカナダの医療スタッフのおおらかさというか、ユルさは、日本じゃ考えられない。
電話やFAXの番号を間違えてかけ続け、結果として薬の発注ができていないとか、診察の予約が入っていないとかは日常茶飯事なの?
手術前にやっておかねばならないこと、入院に必要なことなども、「聞いてないの?」「聞いてません」が何度繰り返されていることか。
結果、「じゃ、まあ仕方ないか」とスルーされてなんとかなっているようだけれども。
医師や看護師が有能でも、こと医療に関する情報伝達がポンコツなのは、ちょっとあり得ない。
「がん」宣告から治療までの精神的なこと身体的なこと、病院のこと家族のこと、どれもが詳細であり、なのにとても分かりやすい文章に、作家の文章というものを見せつけられた思いがする。
しかし、それよりも、治療後の心の描写が素晴らしい。
なかなか小説だとそこまで書いてあることは少ないと思うが、実は私の場合も、治療中より投薬終了し、血液検査も不要と言われた後の方が、心細くて不安だったのだ。
日常を送る力が戻ってきた、ということなのに、急に自分の足で立っていられないような気がした。
まあしょうがない。
何をどう思うとも、結果は同じだ。
不安におびえても、のんきに過ごしても、無事な時は無事だし再発するときはする。
だったらなるべく自分に正直に、好きなものを好きと言いながら生きていけたらいい、と今は思っているけれど。
そういうところまで書いてくれた本を、私は読んだことがなかったので、ちょっと嬉しくなった。同志よ!って感じで。
日本で生まれ育って日本で「がん」になった私には、ハグの習慣は今もってついていないけれど、ハグをすることで安心感を共有できるというのは、わかる気がする。