4月16日(水)

 

解説・あらすじ

アラブ民族独立に尽力した実在のイギリス陸軍将校T・E・ロレンスの波乱に満ちた半生を、「大いなる遺産」の名匠デビッド・リーンが壮大なスケールで描いた不朽の名作。20世紀初頭、アラビアはドイツと同盟を結ぶトルコの圧政下にあった。イギリス陸軍カイロ司令部に勤務するロレンス少尉は、トルコからの独立を目指す反乱軍の指導者ファイサルに会うため旅に出る。反乱軍の無力さを目の当たりにしたロレンスは、アラビア民族をまとめあげてゲリラ戦を展開し、見事トルコ軍を打ち破ることに成功。その後も次々と勝利を収めていくが、その一方でロレンスはアラブ人同士の争いや国同士の政治的駆け引きに翻弄されるようになっていく。当時まだ無名だったピーター・オトゥールが主人公ロレンスを熱演。共演は「戦場にかける橋」のアレック・ギネス、「炎の人ゴッホ」のアンソニー・クイン、「ドクトル・ジバゴ」のオマー・シャリフ。1963年・第35回アカデミー賞で作品賞・監督賞など7部門に輝いた。(映画.com)

 

 

 

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昨日9時間もの電車旅をしたというのに、今日は長尺の映画を観に行きました。

何かしらの罪を犯して、長時間着席2日の刑を受けているみたいです。←情状酌量の余地はなかったのか?

 

昨日はなんやかんやで寝るのが遅くなり、珍しく今朝は6時半に目覚ましを掛けましたが、6時前には目が覚めてしまい、よく知らない国のよく知らない事件を題材にした映画を観る…寝るの確定!

と思ったのですが、全然おめめぱっちりのまま食い入るように観ていました。

 

第一次世界大戦の頃、オスマン帝国(トルコ)と戦争中のロシアを巻き込みたいイギリスは、トルコの圧政下にあったアラブをたきつけてゲリラ戦を行い、さっさとドイツ包囲網を完成させたいと思っていた。

アラブの文化や文字に詳しいロレンスを送り込み、内部からアラブを動かそうとしたのだ。

 

砂漠で生き延びるためのルールや、テクニックなどを徐々に覚えたロレンスは、すっかりアラブの人たちの心をつかんだが、彼の方もアラブの民に心を寄せ、一方的にイギリスに支配されないよう尽力をする。

オスマン帝国を倒すことはできたが、理想とするアラブのための国づくりができず、傷心のまま国へ帰るロレンス…というところでこの映画は終わります。

 

が、見どころはストーリーだけではない。

一面に広がる砂漠から昇る太陽、地平線の一部が揺らいだと思ったら徐々に表れてくるベドウィンの民、長く続くラクダの列、駈けぬける騎馬の民、砂嵐、流砂、とにかく迫力。

 

それぞれの首長に従う、別々の思惑を持った人たちを動かすために広げた大ぶろしきを、自分まで信じてしまったロレンスは、敵に捕らわれ鞭うたれたとき、己の無力を痛感したのだと思う。

平和的に進めたい、やられたらやりかえしたい、まとめたい、放り出したい、揺れるロレンスの心。

 

最終的にはロレンスは、アラブサイドからもイギリスサイドからも排除される。

アラブは、自分たちの独立の英雄がイギリス人であってはならないから。

イギリスは、自国民がアラブ独立の英雄であってはならないから。

 

結局イギリスが推したアラブの独立国家がサウジアラビアになり、ロレンスが支持していた王子はイラクの初代国王となったらしい。

が、私が感じたのは、これほどまでに首長をトップに抱く部族たちがバラバラであるのなら、アラブ首長国連邦が成り立っているのって、すごいことなんだなあ、と。

映画とは関係ありませんが、そう思いました。

 

めったに洋画を見ない10さんも、詳しいことはよくわからなかったけれど、映画は面白かったと言っていました。

名画と言われるのには、理由があるものですね。