3月30日(日)

 

自民党が選択的夫婦別姓に反対している理由がよくわからない。

この間テレビに片山さつき氏が出ていて、いろいろ言っていたけれど、「なぜ選択制でもダメなのか?」の問いにははぐらかしてばかりでぜんぜん答えてくれなかった。

選択肢が増えることに反対するのが、仕事が増える行政側の意見ならわかるけど、なんで自民党は反対なんだろう。

 

夫婦別姓についての反対理由は「子どもたちに、家族で名字が違うことについてどう思うかアンケートを取ったら、ほとんどの子が反対と言ったから」という、まさかの責任転嫁。

これは恣意的にアンケート結果を捏造したと指摘されている、フジサンケイグループが行ったアンケートのことじゃあるまいな。

まず、選択制夫婦別姓についてきちんと説明してから、子どもたちにアンケートを取らねばならないし、分析方法はフェアなモノじゃなくてはいけない。

 

あと、「日本は古来より、同じ家族で同じ苗字という文化だから」ともおっしゃってたので、耳を疑いました。

彼女は日野富子の夫を、北条政子の夫を知らないのでしょうか?

というか、日本の庶民は明治になるまで名字がなかったことをご存じないのでしょうか?

 

教科書にも載るくらいの有名武将のお城の名前が名字の知人がいました。

「もしかして、ご先祖様は家臣だったのですか?」と目をキラキラさせて聞いたら「いやいや、あのあたりの百姓は、明治のあの時、みんな名字をあのお城からもらったんだよ。あっはっは」と笑われました。

 

今現在に至るまで名字のない人たちが日本にはいます。

皇室の方々は古来より名字をもちませんが、それはどうなの?

別にだから名字をなくせ、と思っているわけじゃないですよ。

ただ、どうして選択制すら認めようとしないかたくなな夫婦同姓にこだわるのかなあって思って。

 

私の知っていたご夫婦で、双方ともに珍しい苗字の方がいました。

お二人とも九州出身で、当然夫の名字を名乗るという判断に文句はありません。

でも、奥さんの旧姓が消えてしまうのはもったいないなあと思ったのです。

上別府とかいて「うえんびゅう」さんでした。

 

俳優の戸次重幸氏は、本名を佐藤重幸と言いますが、お母さんの旧姓を残したくて戸次(とつぎ)を芸名にしました。

実際のお母さんの旧姓は戸次と書いて、「べっき」と読む、これまた九州の名字です。

 

私は自分の旧姓が嫌いでした。

平凡だし、直線だけで構成されている名字(角がない)が殺伐として見えて、しかも名前の方も直線で構成されているので、併せて本当に嫌いでした。

よく考えたら二人の弟の名前もすべて直線のみなので、これは両親の趣味なんだろうなあ。

 

ことほどかように、人それぞれの名字に対する思いは違うのだから、ひとくくりに「日本の文化」などとまとめないで(しかもでたらめだし)、選択制の夫婦別姓にもう少し前向きになったらいいのになあと思っています。

一人一人に国民番号付けたんだから、もう名字で管理する必要もないと思うんだけど。

 

 

 

本日の読書:クレオパトラの葬送 薬師寺涼子の怪奇事件簿 田中芳樹

 

カバー裏より
『香港に向かう豪華客船上でのショーの最中、奇術師がバラバラになって空中から落下。さらに船室では三人の暴力団員の体が引き千切られた。いわくつきの要人警護のため、この巨船に乗り合わせたのは圧倒的な美貌と無謀を誇る警察官僚・薬師寺涼子警視。特別待遇を堪能しつつ、孤絶した現場でますます本領を発揮!?』

南米の国の元大統領、ホセ・モリタ。
在任中は治安維持の名目で軍を掌握し、金も権力も使い放題だったが、国から追われる身となった今、日本人として日本に保護を求め、香港の銀行へ出向くための豪華客船上での護衛を、薬師寺涼子が押し付けられる。

その船上で、凄惨な連続殺人が起こる。
銀色の巨大蛇「ラ・ぺノラロスタ」という、血を絞った後の人肉を食べる怪物が、どういうわけかその船にいたのだ。(もちろん持ち込んだのはホセ・モリタだ)

お決まりのアクションと軽妙な会話のやり取りの末、無事事件は解決したのだが、解せないのはやっぱり「ラ・ぺノラロスタ」だ。
塩が弱点ということで、船内に海水を撒いたり塩の弾丸で打ち抜いたりするのは理解できる。
しかし、塩が弱点のくせに、あんなにスプラッターに人を殺す?
絞め殺せばいいだけじゃん。

南米には現地独自の怪物、キリスト教由来の怪物、奴隷として連れてこられたアフリカン由来の怪物がいるので、まあ怪物が潤沢にいるのね。
なんと恐ろしいところなのか。