2月21日(金)

 

夏目漱石の作品読んだことある?

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そりゃまあ、夏目漱石の作品を読んだことない大人はほとんどいないのではないでしょうか。
だって教科書に載ってるもん。
 
私が最初に読んだのは、小学生の時の『坊っちゃん』。
そのときにどんな感想を持ったのかはもう忘れてしまいましたが、大人になってもしばらくは『坊っちゃん』というのは、若者らしい率直さで教頭などの権力にこびず、友人の恋の後押しをしたりという、爽やか青春小説だと思っていました。
 
ところが久世番子さんのマンガを読んでから『坊っちゃん』を読み直したら、印象が全然変わってしまいました。
っていうか、番子さんの言う通りでした。
 
もし”漱石””青春”というパッケージがなかったら
ネット上にいたら
 
東京と比較して松山の悪口ばっか
学校や生徒の悪口垂れ流し
問題起こして途中退会
イタイね~。イタすぎる。
痛くて自意識過剰で毒舌日記たれ流す…それが坊ちゃん
 

 

この本、ほんとお薦め。

 

で、胃痛持ちのわたくし、胃が痛くなるといつも夏目漱石を思い出します。

漢方薬ではなく、ケミカルな薬でもなく、漱石のようにあたためたこんにゃくを胃の上に乗せて横たわっていたら、一番胃に優しく痛みが鎮まるんじゃないかしら。

一度やってみたいが、胃が痛いときに限って予備のこんにゃくがない。

こんにゃくがないから、ショックで胃が痛むのか!?

 

でも漱石先生は、そうやってこんにゃくを胃の上に乗せていると、そのうちお腹が空いてきて、こんにゃく食べちゃうんだよ。

それ、文豪がすること?

なんかほんとに憎めない方ですわ、漱石ったら。

 

 

 

 

本日の読書:QED 六歌仙の暗号 高田崇史

 

カバー裏より
『「七福神は呪われている」明邦大学を震撼させた連続怪死事件以来、その研究はタブーとなっていた。しかし、棚旗奈々の後輩・貴子は兄の遺志を継ぎ、論文を完成させようとする。そして新たな事件が⁉ご存知、桑原崇が歴史の闇に隠された「七福神」と「六歌仙」の謎を解き明かす。大人気シリーズ第2弾!』

七福神と六歌仙。
神と人との対応はいいとして、数が違うではないかとの声を力技でねじ伏せる博覧強記。
分析とこじつけのコラボレーションに、頭がくらくらしてくる。(いい意味で)

明邦大学では「七福神」の研究をすると不審死を招くことから、その研究はタブー視されていた。
その時点で、大学の姿勢って、研究者の矜持って何よと思うが。
しかし兄の遺志を継いで七福神研究をしたいという貴子が、棚旗奈々を通じて桑原崇とともにその謎を追う。

 

という建前の割に、これから卒論の準備をするという、まだ研究の端緒にも立っていない状態というのを差し引いても、貴子の知識がほぼなくて、桑原崇が一人で畳みかけてくる。
異論をさしはさませることなく、「~とはこういうことだ」「~だからこうなる」「つまりから~だ」という断定の連続。
ああ、このスタイルがそもそも呪(しゅ)なのだな。

しかし、一族の秘密を守るために家族をも手にかけてしまうというのは、なんてすさまじい呪、呪いであるのか。
しかも、その秘密ってのがさあ…。

京都弁の、裏の意を含んだ柔らかい表のことば。
それはすなわち、平安の時代の人たちが、人を呪ったり魔を避けるために日常的に使っていた生活の知恵なんだろう。
と思うと、時代を重ねてあることの重さ、というものが強く感じられる。

少なくとも「ぶぶ漬けいかかですか」と言われたら「あ、どうも、ご馳走になります」とありがたくいただいてしまう道産子には、思いもよらないくらいの重さなのだろう。