1月24日(金)
 
今までの人生で、一度だけサイン会に行ったことがあります。
その時の本がこちら。

いわむらさんの方から「お名前は?」って聞いていただいて、大感激したのでした。
絵本のイメージ通り、とても柔らかい雰囲気の方でした。
 
大量にあった絵本もずいぶん処分してしまいましたが、いわむらさんの本はまだ全部手元にあります。
そのくらい、私も子どもたちも大好きな絵本作家さんでした。
特に『14匹のねずみ』シリーズは、どれもこれも隅から隅まで楽しませていただきました。
 
いわむらさんの絵本は文章よりも絵が多くを語ってるんですよね。
この子はこういう性格です、なんてことは一言も書いていないのに、絵をちゃんと見ていればわかる。
全員がねずみなのに、ちゃんとどの子が誰ってわかる。
 
長男はいっくんに似て、温厚で家族思い。
長女はなっちゃんに似て、体を動かして遊ぶことが大好き。
次男はとっくんに似て、甘えん坊さん。
みんな自分に似たねずみの子が、そのページでは何をやっているのかを真っ先に確認していたものでした。
 
この年になると、訃報に接する機会も増えてきりがないので、追悼のようなことはあえて書かないようにしていました。
でも、いわむらさんは特別です。
一冊の絵本を囲んで、子どもたちと楽しい時間をたくさん過ごさせていただきました。
本当にありがとうございました。
心よりご冥福をお祈りします。
 
 
 
 
本日の読書:山の本棚 池内紀

 

Amazonより

『古今東西、山と人、自然から生まれた言葉の森を、池内紀と歩く。山岳関連書だけでなく、その選書はエッセイ、詩集、民俗学、小説、図鑑、技術書など多種多様。ドイツ文学者にてエッセイイストであり、登山、散歩、旅を愛した池内紀が描く「山」の本の世界。153回という、『山と溪谷』でも指折りの長期連載を単行本化!』

『山と渓谷』という雑誌に連載された、山にまつわる本のブックガイド。
目次が二段組みだったので恐る恐る読み始めたのだが、本文は一段だったので安心した。
連載コラムらしく、一冊につき3ページ。
ただし、登山小説だけではなく、広い意味での山にまつわる本だけですらなく、動物記、民俗学、江戸時代の暮らし、植物観察、料理、植草甚一など、興味の赴くままの選書。
表紙絵、挿絵も著者の手になるもの。

面白そうな本が何冊も紹介されていて、楽しく読んでいたのだけれど、残り50ページくらいのところで衝撃的な出来事が起こってしまい、そこからは読み進むのにてこずった。
集中力が切れてしまったのだ。
本と著者には失礼なことだ。
申し訳ない。

武田百合子の『富士日記』が入っていなかったな、と読み終わってぼんやり思った。