11月12日(火)

 

連日のQuizKnockネタで申し訳ない。

最近ちょこちょこ動画に出ている乾が、今後は動画に出ないことを決めた。

と言っても撮りだめた分がたくさんあるだろうから、まだしばらくは新作を見れると思うけど。

 

もともと動画編集のバイトでスタートした、クイズとは無縁の人だったけど

「でかでかと表に出ていくより裏でコソコソしているほうが好きというか性に合っている…」らしいです。

 

本人の気持ちを尊重するのにやぶさかではないのですが、GameKnackには残ってほしいなあ。

じゃないと鶴ちゃんのひとり勝ちになってしまう。

乾がどれほどゲームをやりこんできたのかは知らないけれど、プレイスキルが高いので、見ていて安心できるんよ。

山本さんなんてPS低すぎて、全然先に進めないもんなあ。びびりだし。」

 

一足先にQuizKnockを卒業した、同期のノブくんが乾の発想力を感心していたけど、その才能を裏方として発揮してくれるのはありがたい。

でも、GameKnackには出てよ…。

 

 

とむくんも3月までで、表立ってのQuizKnock活動は終了する、と。

彼の場合は、最近起業したようなことも言っていたので、まあフェードアウトしていくのかなあなんて思っていましたが、きっちりと3月と線引きをしたようです。

 

 

初期メンバーも続々30代になり、妻帯者も増え、ターゲットを中高生にしているのならメンバーの若返りを図らなければならないとともに、文系の人増やしましょう。

伊沢さんと東兄弟以外はみんな理系?

バランス、バランス。

 

 

 

本日の読書:タワー ぺ・ミョンフン

 

 

Amazonより
『674階建巨大タワー国家――。地上からの脅威が迫り、下層階を軍隊、上層階を富裕層が占める〈ビーンスターク〉の人々は、不完全で、優しい。犬の俳優Pの謎、愛国の低所恐怖症、デモ隊vs.インド象、大陸間弾道ミサイル、テロリストの葛藤……チョン・セラン、パク・チャヌク激賞!!韓国SFの金字塔にして、笑いと涙の摩天楼エンタテインメントが、ついに日本上陸!』

目次
・東方の三博士―犬入りバージョン
・自然礼賛
・タクラマカン配達事故
・エレベーター機動演習
・広場の阿弥陀仏
・シャーリアにかなうもの
・付録
 作家Kの「熊神の午後」より
 カフェ・ビーンス・トーキング―『520階研究』序文より
 内面表出演技にたけた俳優Pのいかれたインタビュー
 『タワー』概念用語辞典

たぶん初めて読んだと思うのですが、想像以上に面白かったです韓国SF。
674階建ての巨大なタワー国家「ビーンスターク」を舞台に繰り広げられる、緩くつながった連作短篇。

21階までは外国人も自由に出入りできる非武装地帯、22階から25階までが軍隊が占拠している「警備室」という名の国境検問所。
上階に行くほど金持ちが住むというのは想定内だが、上階は寒いらしい。
対外的には「コスモマフィア」という武装勢力と戦争中。
周辺国からは憧れられているけれど、外国人労働者は使い捨てにされている。
タワーとはいえ水平面の面積もそれなりにあるので、「垂直運送」=機械化されている、「水平運送」=人力が主、がイデオロギーの対立にもなっている。
等々、かなり丁寧に作りこまれた世界。

『東方の三博士―犬入りバージョン』がまず面白い。
タワー内の権力の流れを研究するために、高級ウィスキーにタグをつけて位置情報を追い、贈り物として流されていくルートを分析するというものなのだけど、その助手としてタワー外から雇われた三博士、クリスマスに生まれた上司の赤子を祝福するためにそれぞれの贈り物を持って出かけるのだが…。

タワーの構造というのが、テトリスのように無計画にパーツを継ぎ足してできたものなので、同じフロアに会っても同じエリアとは限らない、壁を隔てて隣同士の家に行くのにすら、エレベーターを何度も乗り換えないと辿りつけないこともあるというもので、慣れない外国人の三博士は目的地に行くまでも大変苦労するのである。
笑いながら読んでいたけれど、よく考えてみれば結構ディストピアな展開。

一番人気のある作品が『タクラマカン配達事故』らしい。
私も一番好き。
縦にも横にも高さにも広大なタワー国家は、エレベーターわきにある青いポストに郵便を入れておくと、善意の人たちの個人個人の善意で無料で数日後には郵便が届くシステムがある。
エレベーターの乗り換え時に、通りかかりにある宛先の郵便を、ついでに運ぶのだ。

タクラマカン砂漠で撃墜された外国人傭兵のパイロットを、タワー国家が見捨てた彼を、世界中の善意の人がネットで情報を共有しながら、探す。
最初の数人は頼まれたかもしれないけれど、ネットでその動きを知った人たちが、世界中で頼まれもせずに、砂漠の中の映像からパイロットを見つけ出す。
ただそれだけの話なんだけど、インターネットの本来のありようってものを考えさせられる。
粗探しして人を貶めるために作られたわけではないはず。

付録のカフェの話も、安いけどまずいコーヒーを飲みながらおしゃべりをする、地域の人たちのオアシスだったカフェが、おしゃれで美味しいテイクアウトのコーヒー店に駆逐され、地域のコミュニティも消滅してしまったという、フィクションで片付けられないようなショートストーリー。

現実の世界は、ディストピアに向かっているのだろうか。
それともこの作品から微かに漂う希望の光を信じていいのだろうか。