11月7日(木)
 
降る降るとは言っていたけど、こんなに降るとはね、な札幌市。
実は夜のうちに降った雪が昼間にはとけるだろうと思って、朝撮った写真がこれ。
ところが日中もずっと雪が降っていて、夕方には結構な量が積もっていました。

 
粒の大きなアラレが降ったり、雨まじりのみぞれが降ったり。
大きな雷もあって、今日はなかなかにハードな立冬でございました。

 

用事があったので今日はお散歩できなかったけど、明日はJRさえ動いていれば、地下街をぶらぶらします。

定期買っておいてよかった。

ついでに、タイヤ交換も月曜のうちに終わらせておいてよかった。

さすがの10さんも、今日は自転車無理でした。

 

 

 

 

本日の読書:花まんま 朱川湊人

 

カバー裏より
『母と二人で大切にしてきた幼い妹が、ある日突然、大人びた言動を取り始める。それには、信じられないような理由があった……(表題作)。昭和30~40年代の大阪の下町を舞台に、当時子どもだった主人公が体験した不思議な出来事を、ノスタルジックな空気寒で情感豊かに描いた全6篇。直木賞受賞の傑作短篇集。』

目次
・トカビの夜
・妖精生物
・摩訶不思議
・花まんま
・送りん婆
・凍蝶

初めて朱川湊人を読んだのは、ちょうど初めて恒川光太郎を読んだころ。
ちょっとノスタルジックでセンシティブなホラーなところが似ているなあと思ったものの、その後朱川湊人の方に手が伸びることはなかった。

それは多分、彼の描く子ども時代の思い出って、『三丁目の夕日』のような温かみのあるオレンジ色がかかっているから。
私にはそのような懐かしい子ども時代の思い出っていうのがほぼないので、そこがピンとこなかったのだと思う。

今回久しぶりに読んでみて、やっぱり子ども時代を懐かしむ気にはなれないけれど、時代に対するノスタルジーというのは少しわかるようになった。
個人商店の並ぶ道、ちょっと行くと雑草だらけの原っぱ、埃っぽい道。

日常に普通にあるそれらの中に、ふと見える死の影だったり、別れの切なさだったりが上手いと思う。
大阪の下町の風景というのは、この時代と多分合っているんだろうな。知らんけど。

大切な娘が事件に巻き込まれて命を失っていた時、何も知らないでうどんをすすっていた自分をゆるせない父親。
10年も自分を責め続けて、必要最低限の栄養しか取らない父親を案じて、生まれ変わった姿でそっと様子を見に来る娘。
姿は全く変わっているのに、一目で娘であることを見抜く父と兄姉。

表題作だけあって、切なさはひとしお。
生まれ変わった後の娘の兄は、そんな妹をただ見つめるしかなくて。
”兄貴というものは、たぶん世界で一番損な役回りなのだから”
いや、姉もつらいぞ。
子どもの時から一生押し付けられる損な枠回り。
だから私には懐かしむべき子ども時代がない。