10月29日(火)
 
朝っぱらから父の呼び出しがあり、実家に向かう途中に見た円山公園や北海道神宮の紅葉が、とてもきれいでした。
車窓からあっという間にいなくなるのがもったいないくらい。
 
呼び出しの名目というのが、「札幌市物価高騰対応臨時給付金」の申請について、よくわからないので申請書を書いてくれ、というもの。
いや、よくわからんと言っても、自分の名前と住所と電話番号と口座番号くらいしか書くことないんだよ。
私に書けと言っても、口座番号知らんし。
 
それよりも、同封するべき健康保険証の写しや通帳の写しはどうなってる?
「健康保険証の方はやったけど、通帳のどこをコピーしたらいいかわからん」というので、表紙をめくって一枚目って書いてあるよというと「コピー取ってくる」と。
ところが、戻ってきてから「健康保険証の写しは?」と聞くと、「やろうと思って忘れてた。コピー取ってくる」
二度手間やないかい。
最初にもっときちんと確認しておくんだった…。
 
というのが本日呼び出しの主目的ではないことが、申請書の準備を終えたときに判明。
母の高校から、歴代の卒業生名簿を作るので寄付をしてくれ、または名簿を買わんかね?という手紙が来たそうだ。
無視すりゃいいじゃんと思ったら、「両方お金払わないとだめかい?」って聞いてくる。
父は、寄付をして、寄付の特典として名簿をいただけるというのに払いたいらしい。
卒業生名簿いるの?と思うけど、父いわく、「これで名簿なんてもらえるの最後だと思うからさ、お母さんに渡してやりたい」
認知症の母にどれだけその思いが届くのかはわからないけど、とりあえず父の気持ちは理解した。
「こっちの払い込み通知書だけ持っていけばいいよ」というと、わかった、今日払ってくる。
どんだけ前のめりよ。
 
さて、これで終わればなんということもないいつものやり取りなのですが、今回父から「ちょっと傷できてないか見て?なんか痛いんだよね」と背中を見せられたことから状況は急展開。
左の肩甲骨のそばに、500円玉くらいの傷ができていて、一面みっしり膿んでいる。
これは相当やばいと思うので、すぐさま病院へ行くように言うと、いや~な顔して「今日は家を空けられないんだよ」って。
さっき、お金払込みに行ってくるって言ってたじゃん!
そっちより病院優先だよ。
 
私を利用したいときはホイホイ呼びつける。
私が骨折しているのを知っても「大変な時に悪かったね」なんてことは一言も言わない。
で、こちらからやってほしいこと(父がやりたくないこと)を言うと、途端に機嫌が悪くなって言うことを聞かない。
だから嫌なんだよね、本当に。
 
それでも、さすがにあの傷は病院に行かないとどうしようもないと思うので、いやな顔されてもいやな顔し返して「病院に行け」と怒鳴る。
私の体力が万全なら、引っ張ってでも病院に連れて行くところなんだけど、そういうわけにはいかないので念押ししてとりあえず帰る。
 
夜の提示報告の時「今日はありがとう。じゃ」と電話を切ろうとするので「病院は?」と聞いたら、「検査したから2~3日後にもう一回行く」とのこと。
珍しくありがとうを言ったのはえらいけど、今日はそれより病院の報告が優先だろう。
まったく実家に行くと、心身ともにへとへとになる。
 
円山クラス前の小さなコキア。

 
 
 
 
本日の読書:The MANZAI あさのあつこ

 

カバー裏より

『「おまえ、なんでそんなに漫才好きなの?」「なんでて、おもろいやつが一番やないか」「一番て……そうか、そうかなぁ」「決まってる。勉強できたかて、スポーツできたかて、なんぼのもんや。たいしたことあらへん。やっぱ、おもろいやつが勝ちやで。絶対や、歩」漫才『ロミオとジュリエット』の行方は……?』

何のとりえもない普通の中学生。
それでいいと思っていた瀬田歩は、「普通じゃない。俺にとっては特別や」と秋本貴史に申し込まれる。
何を?
漫才の相方を。

正直歩のどこに秋本が特別を感じたのか、最後まで読んでもわからなかった。
けれど、歩にとって「普通じゃない」という言葉は落ちこぼれ宣言に等しかったのだが、秋本と学校祭で漫才をするにあたって、クラスのみんなと接しているうちに、普通の彼らにもそれぞれ事情があり悩みがあるのだとわかってくる。
ひとくくりに「普通」と言っても、「全部同じ」というわけではないのだ。

肝心の漫才は、漫才としてのクオリティにずいぶん疑問詞が付くけれど、中学生の笑いポイントは多くを内輪受けに拠っているところもあるし(それが楽しいお年頃)、それが楽しいので、よし。

そして、これで完結しても十分満足できているんだけど、続きがあるのよね。
どうもこの作者って、シリーズが長くなればなるほど登場人物に感情移入して、モノローグが膨大になって話のテンポが悪くなる癖があるんだよなあ。
この先がちょっと不安。