9月14日(土)
 
この中に、蝶とトンボと蜂が隠れているはずなのです。
肉眼では見えたのです。
だけど、写真では全然わからない。
なぜ?

 
 
 
本日の読書:素敵な日本人 東野圭吾

 

カバー裏より

『一人娘の結婚を案じる父に、娘は雛人形を指差して大丈夫という。そこには亡き妻の秘密が……。(「今夜は一人で雛祭り」)独身女性のエリーが疑似子育て体験用赤ちゃんロボットを借りたところ……。(「レンタルベビー」)世にも珍しい青色の猫。多くの人間が繁殖を目論むが……。(「サファイアの奇跡」)日本人に馴染み深い四季折々の行事を題材にした4編と、異色のミステリ5編を収録!』

目次
・正月の決意
・十年目のバレンタイン
・今夜は一人で雛祭り
・君の瞳に乾杯
・レンタルベビー
・壊れた時計
・サファイアの奇跡
・クリスマスミステリ
・水晶の数珠

昔々、「東野圭吾ってタイトルのセンスないなあ」と思っていた時期がありました。
いつの間にかあまり気にならなくなっていたのですが、今回は久しぶりに「センスないなあ」と思いました。

『素敵な日本人』という作品がないのにもかかわらず、あえてこれを本のタイトルにしたというのは、これという決め手のある短編のタイトルがこの中にはなかったからでしょう。
だからと言って『素敵な日本人』っていうのも結構やっつけっぽいけど。

一番よろしくないのが『今夜は一人で雛祭り』。
散文にすぎるし、この作品の場合は主人公が一人で雛祭りをすることではなく、亡き妻を偲ぶとか、リスペクトというか、そっち系のタイトルにすべきだったのでは?

逆に『十年目のバレンタイン』は、先にタイトルができたのではないかと思いました。
だって、十年ぶりのバレンタインにする必要ないもの。
警察はそこまで一警官の心情に寄り添った逮捕はしないと思うので。

『レンタルベビー』については、お腹を痛めて生んだわけでもない赤ちゃんロボットに、そこまでリアルな育児体験を強要されたら、却って子育てなんて嫌がる人続出じゃないかと思ったら、まず、子育てがしんどい理由にひとひねり。
うん、うん、納得。
からの、想像の斜め上行く結末に、なるほどそう来たかと感心しきり。

個人的な好みとしては『サファイアの奇跡』。
ちょっとイメージしたくないシーンもあるけれど、猫と心を通わせることのできた寂しい女の子が、最後に報われるのは、よし。