8月3日(土)
誕生日プレゼントにもらいたいもの、ではなく、もらったもの、それは花束。
たぶん楽なので、毎年10さんからの誕生日プレゼントは花束です。
予算だけ告げて、中身は花屋さんにお任せ。
嬉しくないわけじゃないけど、心がこもっているとも言い難い。
そして夏の花束は日持ちがしないので、もらったほうが気を遣うのである。
というわけで、今年はドライフラワーにしてみました。
からからに乾いているので、ぎゅっと花を寄せるのも怖くて花束が開ききっていますが、まあまあ色も残っていい感じ。
来年以降、もう花束は勘弁してほしいんだけど、どうかなあ。
晩ご飯を食べていたら、花火の音が聞こえました。
どこの花火大会だろう?
豊平川より大きく見えて、しかも我が家のベランダ正面、特等席。
ばんけいの花火大会は今日だけど、時間も方角もちょっと違う。
小規模な花火大会のようで、1発1発の間隔が長くて間延びしていたけれど、涼しい風に吹かれて気持ちよく花火を鑑賞したのでした。
本日の読書:冬期限定ボンボンショコラ事件 米澤穂信
カバー裏より
『小市民を志す小鳩君はある日轢き逃げに遭い、病院に搬送された。目を覚ました彼は、朦朧としながら自分が右足の骨を折っていることを聞かされる。翌日、手術後に警察の聴取を受け、昏々と眠る小鳩君の枕元には、同じく小市民を志す小山内さんからの「犯人をゆるさない」というメッセージが残されていた。小山内さんは、どうやら犯人捜しをしているらしい……。冬の巻ついに刊行。』
待ちに待った『冬期限定…』がついに刊行されました。
春期から始まったこのシリーズは、小市民を志す小鳩君と小山内さんの高1の春から始まったもので、高3の冬、このシリーズを終える(と作者は明言してはいないと思うけど)のだから、それはもう華々しい事件を解決するのだろうと思ったら、小鳩君がひき逃げされ、病院から動けない約10日の話なのだった。
しかも、主に書かれているのは、小鳩君と小山内さんが初めて会った、中学生時代の事件のこと。
それがこの事件とオーバーラップするとはいえ、本当にこれでいいの?
いいんです。きっぱり。
初めて会った中学生のころから、この二人の阿吽の呼吸に驚かされるとともに、根幹がぶれていないのに、ちゃんと成長の跡がわかることにも感心しました。
小鳩君はやっぱり自意識過剰でヒーロー願望強すぎるし、小山内さんは復讐するのに手心は加えません。
中学生なのに。
中学生だから。
この事件で反省した二人は、高校で小市民を志すことで互恵関係を結ぶのですが、やっぱり本来持って生まれた性癖をなおすことができない…というのが今までの流れでしたが、ここまで読んできたら、ちゃんと成長しているよ、君たち。
このシリーズの好きなところは、何と言っても簡単に恋愛関係に陥らないところです。
高校生の男女がタッグを組んだら、それはもう恋愛の始まりみたいな陳腐な関係にならない。
そこにこだわる私の方こそ中二病なのかもしれないが。
でも、もう、かたくなに恋愛を拒否はしていないんだね小山内さんのほうは。
今までは自分の復讐のために動いていた小山内さんが、今回は自分も無関係ではないとはいえ、小鳩君の復讐のためにかなりきわどいことをやってのけた。
それは、やってることは同じかもしれないけれど、意味が中学生の時とは違うということ。
小鳩君は鈍いけどね。
小鳩君のことを「次善」という小山内さん。
いやいや、「最適解」だと思いますよ。