それはあなた、誰にも邪魔されることなくソファに寝転んで本や漫画を読むことでしょう。
在職中に思い描いていたよりも一人時間は多いのですが(思いのほか外出予定が多い10さん)、やらねばならないこともそれなりに多くて、なかなか自由時間を満喫するには至りません。
退職したら読もうと思って大人買いしたマンガ、1冊も読めてません。
なんでやねん。
冬までには何とか読む時間を捻出したい所存。
本日の読書:誘拐犯 下 シャルロッテ・リンク
カバー裏より
『B&Bの娘の失踪と発見。しかし、記憶を一部失った少女から情報は得られない。消えた少女は他にもいた。母親に虐待されていた少女と父親に束縛されていた少女。彼女たちは生きているのか?〈ムーアの殺人鬼〉という名が一人歩きし始める。ケイト・リンヴィルは、地元署のケイレブ警部に隠れて秘かに調査を開始……。事件の真相は誰の予想もはるかに超える!』
この作品はミステリ小説ではありますが、途中に手掛かりが忍ばせてあり、読者はそれをもとに犯人を推理しながら読むという形式のものではありませんでした。
後半次々と明らかになった事実は、登場人物が感じると同じくらい唐突に表れ、推理する間もなく犯人を明らかにします。
そしてその真相は…確かに予想外。
でも私は、誘拐された少女たちよりも、誘拐した犯人のことよりも、誘拐されなかった少女の闇が気になりました。
彼女の家庭はいささか借金が重めではあり、そのため両親の中が必ずしも良いとは言えませんが、それでも子どもを思う気持ちは本物です。
なのに、あそこまで徹底して親を拒否するに至った経緯がわからないので、もやもやしました。
ちょっと常軌を逸した行い、ふるまいも気になります。
主役であるケイトにも、悲劇とある種の喜劇が訪れます。
これを機に彼女が、誰もがコンプレックスを抱えながら隠して生きていることに気づき、あまり自分を否定しないで生きてほしいと思いました。
好悪の情は理性とは違うし、ましてや恋愛感情は、というところはありますが、第三者としてみている分には、ロンドンから故郷に戻ってきて、ケイレブと一緒に事件を捜査するのが一番いいような気がします。
彼は彼女の能力を高く評価していますし、彼も問題を抱えていることをケイトは知っているので、一方的な優越感や劣等感にさいなまれることはないのではないでしょうか。
もしどうしてもロンドンに戻るのであれば、コリンとの茶飲み友達付き合いを通して、自分がそれほど卑屈になる必要はないことを日々実感すればいいし。
次作はまだ訳されていないようなので、縁があったら前作を読んで、なぜケイトがかくも自己評価が低いのか探ってみようと思います。

