5月30日(木)

 

今日から食事当番なので、買い物に行ってきました。

厳密にはおつかい、ではありませんね。

でも、ベテラン主婦の買い物、でもないのです。

私の北海道での物価は2017年で止まっているので、何を見ても高くて手が出ない。

自分の中の子どもの部分に「♪ラ~ラララ~ラ~ラ~ラ~、ラ~ラララ~ラ~ラ~ラ~」と歌いかけながら、「頑張れ~」とエールをおくらないと買えない、時もある。

 

それでも、10さんの辞書に「節約」とか「倹約」という文字がなさそうなので、私が頑張って極力安いものを買って食いつないでいかなくてはいけない。

車で買い物に行く10さんの視野には入っていないようだが、我が家から歩いていける範囲でもそれなりに安い店はある。はず。

 

安いと言われている八百屋さんに行って、安いものも売っているらしいスーパーに行って、それでもエコバッグに余裕があれば、業務スーパーに寄って帰る。

これが今日の予定です。

 

八百屋さんの前に、開店直後のパン屋さんに寄ってしまった…。

だって焼き立てパンの匂いって、あらがえないよね。

食パン1斤購入。

明日と明後日の朝食はこれで決まり。

ちなみに東京にいたときは、チェーン店だけど『ポンパドール』のパンが好きでした。

いつ行ってもレジ前に行列ができていて、タイミングが悪いとほとんど売りきれていたりするくらいの人気店なので、いつもまだ温かいパンを抱えて帰るのが嬉しかったなあ。

 

閑話休題。

八百屋さん、安かった。

北海道できゅうり3本100円って、今どきないでしょ?

水菜やホウレン草は88円、玉ねぎ5個で130円、じゃがいも5個で150円、キャベツ半分で100円。

基本の野菜でバッグが結構一杯になる。

 

お店の前に、ミニトマトすくいがありました。

テボですくうとはいえ、400円は高い。

 

いつも行ったことのない、安いものも売っているらしいスーパーでは、納豆とかお豆腐とか白滝とかマヨネーズとか買いました。

あと、来月から値上げするっていうのに、このタイミングでめっちゃ海苔にハマっている10さんのため、海苔もいくつか買いました。

倹約倹約。

 

とか言いながら、こんなもん買っちゃあだめだ。

でもさ、「ようこそ美術部へ」っていうのが、なんか嬉しかったんだもん。←美術部だった過去はない

 

 

 

 

 

 

 

本日の読書:湖畔荘 上 ケイト・モートン

 

カバー裏より
『あるネグレクト事件関連の失策で謹慎処分となったロンドン警視庁の女性刑事セイディはコーンウォールで過ごすうちに、打ち捨てられた屋敷を発見する。そして70年前、そこで赤ん坊消失事件があり迷宮入りになっていることを知って調べ始める。ミッドサマー・パーティの夜、そこでいったい何があったのか?各種ミステリ・ランキング常連の著者による見事なまでに構築された傑作!』

『忘れられた花園』を読んで以来の作者の本ですが、またもや違う時代に生きる女性二人が主人公です。

現代パートの主人公は、ネグレクト事件でのミスで有休消化という名の謹慎処分中の刑事、セイディ。
どうも彼女が過去にプライベートで起こした事件がきっかけで、そのミスが誘発されたらしいということは薄々わかります。

過去の事件に向き合いたくないがために、早く職場復帰したいセイディは時間をもてあまし、たまたま祖父が買っている犬の散歩中に見つけた荒れ果てた屋敷が、未解決の誘拐事件の舞台となった場所であることを知り、興味に駆られてその事件を調べ始めます。

過去パートの主人公は、誘拐事件のときにその屋敷に住んでいた、作家志望の少女・アリス。
彼女は現代パートでは有名なミステリ作家として名をはせています。
しかし、事件について何かを語るということは一切ありません。
それは不自然なほどに。

少女時代のアリスは、その屋敷・湖畔荘をとても愛し、結婚して家を出るくらいなら一生結婚しないでこの家で暮らしたいと考える少女でした。
その反面、恋を知ったアリスは、恋する少女特有の夢を見たりもするのですが。

最初、あまりの不穏な書き出しに、アリスが事件の被害者で、死んでしまうのではないかと心配でしたが、いけ好かない婆さま作家として長生きしていたことがわかり、安心して事件について考えることができました。

アリスの母のエリナの少女時代から語られる過去パートでまず気になったのは、アリスが語る堅苦しい母と、アリスのように自由闊達にふるまう少女エリナの乖離。
なぜ彼女は変貌したのか。

ほとんど社交というものをしなかったアリスの家庭で、年に一度開くミッドサマー・パーティ。
その夜に赤ん坊が誘拐されたわけですが、容疑者たり得るのは家族と数人の使用人だけ。
この中に犯人がいるはずですが、家族それぞれに語られない秘密があるようです。

事件は解決されないまま70年がたち、アリスと姉のデボラはそれぞれ過去と向かい合う最後の時が近づいてきたことを感じています。
セイディも、事件を追いながら自分の過去と向き合うことになるのでしょうか。

アリスの両親たちが若かった頃に起きた第一次世界大戦、アリスたちが若かった頃の第二次世界大戦も、なんらかの影響を事件に与えているようにも読めます。
いくつも散りばめられている伏線がどう回収されて、事件がどのような姿を見せるのか、下巻がとても楽しみです。

第二次大戦の時代をアリスが回想しているシーン。
”あの時代を生きた人々は現代人よりずっと禁欲的だった。己の感情をみだりに口にしなかった。怪我をしても泣くな、潔い敗者たれ、恐れを決して認めるなと、子供のころから叩きこまれたものだった。”
日本人だけがこういう教育を受けていたわけではなかったんだな。
そして、イギリス国家は、一人の餓死者も出さないよう、王立公園をつぶして畑にするなど、内政もしっかりしていた。
勝敗を分けるのはそういうところ、というわけではないにしても、彼我の違いが残念でならない。