ちびちびと時間を作ってアメリカのドラマである『ゲーム・オブ・スローンズ』を見ています。

原作である『氷と炎の歌』がすごく好きで、全7部のうち5部まで訳されているのを読んではいるのですが、続きがかかれる気配もないので、とりあえず原作者の意向に忠実に作られているドラマ版を観ることにしたわけです。

 

登場人物一覧だけで6ページくらいあったと思うのですが、10年以上前に一度読んだだけの原作を思い出せるか心配でしたが、なんとかなりました。

なぜなら第一シーズンと第二シーズンは一度観たことがあるからです。

それとても10年くらい前ですけど。

 

どんな話かというと、壮大な話で、説明不可。

 

”本シリーズには3つの主要なストーリーラインがある。シーズンが進むにつれて、一つのストーリーラインに収斂していく。

多分全体を通しての中心は、ロバート・バラシオン王の親友であり、〈王の手〉という腹心だったエダード・スタークの子どもたちだと思う。
特にエダードの落とし子であるジョン・スノウと、次男のブランが持つ役割は大きいと思われる。
 
七王国をすべていた王であるロバートが死んだことによって、七王国のパワーバランスが変わり、それに巻き込まれて多くの人の運命が変わる。
5部まで読んだ感じでは、とにかくスターク家の人たち(ほぼ全員善人サイド)が不幸に見舞われるのよ。
死んじゃったり、半身不随になったり。
でも、この一族がこの物語の要の一つだ。
『氷と炎の歌』の氷担当。(北部に領土がある)
 
もう一人、七王国になる前の統一王国の出身で、竜の血を持つ高貴な少女デナーリス・ターガリエンが肝になる。
原作読んで想像していたよりもはるかに美しくて儚げな彼女が、最初はプライドだけが高くて無能な兄のために、デナーリスからは蛮族に見える騎馬民族の族長カール・ドロゴと結婚させられ、デナーリスの努力で仲睦まじい夫婦となって子どもを身ごもったところで夫とお腹の子どもの両方を喪う悲劇に見舞われる。
代わりに、ドラゴンが目覚め、彼女は奪われた鉄の玉座を奪還するために立ち上がる。
『氷と炎の歌』の炎担当。
 
ってところで第一シーズン終了。
中世のヨーロッパのような世界だけど、ドラゴンは生まれるし、魔女はいるし、死人は生き返るし。
暴力は日常的で、切ったはったもエロもグロも日常茶飯事。
B級で作ろうと思えばいくらでもB級になると思うんだけど、これが結構重厚で滅法面白い。
 
これから宗教の話も入り込んでくるし、新たに出てくる重要人物もたくさんいるし、一番見たくない裏切者への拷問シーンも見なくちゃならない。
 
第一話で逃亡者の処刑(首切り)を自ら行う領主のエダード・スタークが出てきたが、第九話でエダード・スタークを謀反人として処刑したジョフリー(新王)は自ら手を下すことはしない。
エダードの娘サンサに侮辱された時も、部下に平手打ちを命じて自分は何もしない。
上に立つものの器量をこういうところで表現するのか、と感心した。
 
 
 
 
 
本日の読書:源平絵巻物語 第四巻 木曽義仲 赤羽末吉 絵 今西祐行 文

 

Amazonより

『木曽で旗上げした源氏の大将義仲。横田河原、くりから谷で平家の大軍を破り、朝日将軍の名で都入りする。その短い一生を描く。』

人物紹介編はこの四巻で終了。
最後は木曽義仲です。

この本を読むまで、木曽義仲って頼朝の従兄弟なのは知っていましたが、頼朝のお父さんが義仲のお父さん(と子どもたち)を殺していたとは、元々一族殺し合うのが当時の武士としてはありふれたこととはいえ、殺伐としたものを感じてしまいます。
当時2歳の赤子とはいえ、見つかれば殺されるのが当たり前。
それを助けたのが、当時義朝の家来だった斎藤実盛。

実盛は義仲の乳母の夫、木曽にいる中原兼遠(なかはらかねとお)に義仲を預けます。
兼遠は表向き平氏に仕えていましたが、心の中では打倒平氏を考えていたので、義仲を大切に育てます。
で、兼遠の娘が巴御前。

頼朝と義仲は、親世代の確執もあり、仲が良いはずはありませんが、義仲は頼朝と戦うよりも早く京へ上って天下の大将軍になりたかったので、息子を頼朝に預けます。

その後のことは歴史に残っている通り。
義仲は一味は余りにも政治を知らな過ぎたし、京の都人について知らなかったのだと思います。
悪い人ではなかったのかもしれませんが。

平維盛の軍をあっという間に蹴散らした義仲ですが、たった一人、向かってくる武士がいます。
名乗りもしないその武士は、義仲の部下に討たれますが、その首は、赤子の義仲を助けた斎藤実盛のものでした。
かつて頼朝の家臣だった実盛は、今は平氏に仕えていましたが、義仲に討たれる覚悟で戦に出ていたのでした。
なんという運命の皮肉。

頼朝や義経と違って、本当にのびのびと苦労知らずに育った義仲は、それが上京してからの仇になったのかもしれませんが、もしかすると結構面白い人生だったと思っていたかもしれません。
そういうあっけらかんとしたものを、彼からは感じることができると思いました。