金土日と3日間一歩も外に出ないうちに、札幌は雪まみれになっていました。
朝、まだ誰も歩いていない真っ白い道を歩く喜び。
 
 
 
 
 
本日の読書:40(フォーティ) 翼ふたたび

 

カバー裏より

『人生の半分が終わってしまった。それも、いいほうの半分が。会社を辞めて、投げやりにプロデュース業を始めた喜一・40歳の元を訪れる、四十代の依頼人たち。凋落したIT企業社長、やりての銀行マン、ひきこもり……。生きることの困難とその先にある希望を見つめて、著者が初めて同世代を描いた感動長編』

目次
・真夜中のセーラー服
・もどれないふたり
・翼ふたたび
・ふたつの恋が終わるとき
・われら、地球防衛軍
・はい、それまでよ
・日比谷オールスターズ。

解説でも書いてあったけど、これ、大人の『池袋ウエストゲートパーク』だな。
主人公・吉松喜一は40歳で、大手広告代理店を辞め、先輩が経営する広告制作会社を辞め、フリーのプロデューサーとしてかつかつの生活をしている。
フリーのプロデューサーって何をするのが正解なのかはわからないが、彼のブログを見て相談(依頼)をする人たちに真摯に対応していくうちに、彼の人生も少しずつ開けていく。

IWGPのマコトのようにフットワークが軽いわけでも、仲間に恵まれているわけでも、巨悪に立ち向かうわけでもない。
人生の折返し。
いいほうの半分が終わってしまったという屈託。
それでも生きていかなくてはならない。

読んでいて、「そんなうまくいくわけないよ」って思うような展開もあるけれど、作者がしっかりと日本の現実を捕らえているから、「うまくいったっていいかもな、小説だもの」っていう気にもなる。
現実は思うに任せないことばかりでも、考え方次第では生きにくさが少し解消されるかもしれない。
頼りになるのは金ではなく、人とのつながりで、身近にあるごく当たり前の簡単なことを頼りに生きていけば、幸せは誰にでも手の届くところにあるのだと喜一は言う。

ちょっと考え方を変えてみようか。