今日は通勤ラッシュがひと段落ついた時間帯に病院の予約が入っていました。

午後から荒れるという予報でしたが、その時点では天気が良かったので、余裕で駅についたら電車が動いていませんでした。

慌てて10さんに車を出してもらって、なんとか予約時間には間に合いましたが、車に積もった雪をはらってエンジン温めて…と、普段より出発に時間がかかったので、焦りました。

 

診察が終わって、薬局で薬をもらって、さて、どうやって帰ろうか。

なんとなくそろそろ電車が動いているような気がしましたが、散々迷って歩いて帰りました。

 

年末東京で、誰に頼まれたわけでもないのに両国から押上まで歩きましたが、やっぱり冬の札幌を歩くのは億劫です。

天気はいいし、新雪を踏み固めた歩道は雪道の中でも歩きやすいはず。

でも、億劫。

雪国に住む高齢者が冬を健康に過ごすためには、どうしたらいいんだろう。

とにかく歩くのが億劫。

だから、今日は歩いて帰りました。

 

歩けば寒くないだろうと思いましたが、ずっと耳が冷たくてつらい。

本を読んだりスマホをいじったりするために、普段から指先のない手袋を使用しているので、指先も冷たい。

歩いても歩いてもポカポカしない。

先月購入した靴は大股で歩いても滑らなくて快適なんだけどねえ。

 

 

 

本日の読書:女系家族 上 山崎豊子

 

カバー裏より
『大阪・船場の老舗矢島家は代々跡継ぎ娘に養子婿をとる女系の家筋。その四代目嘉蔵が亡くなって、出もどりの長女藤代、養子婿をむかえた次女千寿、料理教室にかよう三女雛子をはじめ親戚一同の前で、番頭の宇市が遺言書を読み上げる。そこには莫大な遺産の配分方法ばかりでなく、嘉蔵の隠し女のことまで認(したた)められていた。……遺産相続争いを通し人間のエゴと欲望を赤裸々に抉る長編小説。』

大阪の老舗木綿問屋の、四代目当主が亡くなったことで繰り広げられる相続争いの話。
代々女系の家系で、総領娘が養子婿をとって事業を継続していたので、当主と言えども家庭内では影の薄い存在であった。

長女の藤代は出戻りの33歳。
総領娘として母親から甘やかされて育ち、プライドが高い。
父の跡を継ぐ(財産も家名も)のは当然自分であると思っていた。(事業にタッチしていないのに、この自信は何だ?)

次女の千寿は地味で大人しく、姉が嫁に出てしまったため、養子婿をとった。
全てのことで姉に差を付けられてきたことを恨んでいる。
末の雛子は、まだ19歳。
マイペースな現代っ子(連載当時)だが、苦労知らずゆえの酷薄さはある。

家業のことも矢島家の財産のことも一手に任されている、大番頭の宇市。
先先代から仕えているので、さすがの矢島家の面々も、彼には頭があがらないところがある。
三姉妹の母の妹である芳子叔母。
姉が家を継いだため分家を立ててもらったものの、分家に追いやられたという恨みがある。
年齢をたてに三姉妹の上に立とうとするところが無きにしも非ず。
この二人も一筋縄ではいかず、隙あらばうまい汁を吸おうと画策するのは三姉妹と変わらず。
なんなら彼女たちよりも強かで、質が悪い。

そして、父親が囲っていた藤代と同い年の妾・文乃。
家庭内で影の薄かった嘉蔵を思いやり、ひっそりと息をひそめて生きてきた彼女。
嘉蔵は遺言状の中では具体的に何かを残すことはなく、文乃も特に何かを欲しがることはなかった。
しかし彼女が妊娠していることがわかり、事態は大きな局面を迎えるのだった。

面白そうなプロットではある。
でも、読んでいてもちっとも楽しくなかったのは、出てくる人出てくる人がみんな欲の塊で、一向に気持ちが晴れなかったから。

山崎豊子の作品なのだから、単純なハッピーエンドや勧善懲悪ってことはないだろうと思うけれど、誰が得をしても嫌な気持ちになるだろうし、誰が損をしても自業自得だと思うだろうから、なかなか興が乗らないのだ。
誰か一人でも善人が出てくれたらなあ。