ええと…対人運は「関係を1から始めるのが吉」なのに、恋愛運は「現状を維持させることを意識」って、どう両立させればいいんだろう?
とりあえず「失敗は成功のもと」だから、ダメもとで何とかやってみたら、失敗は成功につながるし、成功は成功ってことでいいのでしょうか?
いやしかし、だからどうやって両立したら?
本日の読書:卒業生には向かない真実 ホリー・ジャクソン
カバー裏より
『大学入学直前のピップに、ストーカーの仕業と思われる出来事が起きていた。無言電話に匿名のメール。敷地内に置かれた、首を切られたハト……。それらの行為が、6年前の連続殺人の被害者に起きたことと似ていると気づいたピップは、調査に乗りだす。――この真実を、誰が予想できただろう?『自由研究には向かない殺人』から始まる、ミステリ史上最も衝撃的な三部作完結編!』
この本を個人的に貸してくれた司書さんが、「読後感が悪い」と言っていたので、アンハッピーエンドなのかと思って読みました。
が、そういう「読後感の悪さ」か、と、ちょっと唖然としてしまいました。
ミステリなのでネタバレはいけないのはわかっていますが、全く内容に振れずに感想を書く自信はありません。
今後読む予定のかたは、この先を読まないほうが安全でしょう。
シリーズの最初から主人公のピップは、過剰な正義感を持ち、大人の忠告を聞かずに突っ走っていくところがあり、そこが気になってはいました。
そして、一作目の犯人はかなり身近な人であったので、彼女の心に大きな傷をつけることになったのだと思います。
二作目でピップは、「警察も裁判も当てにならない」との思いを抱いてしまいます。
正義は自分の手で行わなければだめだ、と。
ところがそれを唆したチャーリー・グリーンの行った正義が、ピップの心を引き裂き、取り返しのつかないトラウマを彼女に与えます。
というところからの第三作。
最初からピップの情緒は不安定です。
まずその辺りから、違和感。
本人は必至で隠しているにしても、どうして誰も気づかないのか。
親は意外と気づかないけど、恋人や親友は気づくでしょ。
眠れないし食べられないんだもの、化粧で顔色をごまかしたところで、急激に痩せるはずでしょ?
こっそり薬も多用しているし。
そして、悪意のあるストーカー(?)の存在。
警察も親も信じてくれないのなら、そういう時こそ友達に相談して、ガードしてもらったりできたはず。
なぜ一人で対応しようとするの?
ピップは頭がいいし、勇気があるし、行動力もあります。
だから独善的になりやすい。
今回がそう。
ピップの名誉のために書くと、彼女はそれを自分のためではなく、正義のために行ったんだとは思っている。
でも、それはやっちゃいけないことだ。
「理由は言えない。でも、絶対に悪いことをするわけじゃないから協力して」
ピップは次々と友達に協力を求めますが、それはあくまでピップの主観です。
本当の友だちなら、ちゃんと理由を聞いて、それが違うと思うのなら「違う」と言ったり「それはできない」と言ったとしても友達のはず。
友だちを面倒に巻き込むわけにいかないから理由を言えないというのなら、逆に理由を言って協力を求めてもいいか確認するのが筋。
悪く考えると、ピップが友だちと言っている人たちは、それぞれにピップに助けてもらった経験がある。
「ピップが手伝ってと言うのなら、理由の如何にかかわらず協力するよ」
っていうのは友達ではなく子分のように思える。
そして最後の展開。
作者は自信をもってこの最後にしたのですね、と思って驚愕しました。
ハッピーエンドのようになっていますが、ピップとラヴィは今後の人生で自分たちの行ったことの重さに苦しむことはないのでしょうか。
そして理由を告げられなかったとはいえ、ピップに手を貸してしまった友達は、正義が行われうらみを晴らしたことを最初のうちは誇らしく思うかもしれないけれど、ひとりの人生に重大な影響を与えてしまった事実におののくことはないのでしょうか。
作者が登場人物たちと同じ目線でいる、というのは、作者がまだ若いからということで許されるのかどうか私にはわかりませんが、少なくともピップと違って作者は、正義の実行を警察や裁判にゆだねるべきだと思います。
私たちは法治国家に生きているわけで、行き過ぎた正義感(だけなのかはわかりませんが)のもたらす犯罪というのは、日本でももう珍しいことではなくなってきているからこそ、大人としてそこは読者である若者たちに伝えないと。



