急に寒くなった

昨日も今日も、最高気温がマイナス。

ついに、とうとう、わたしの部屋にも暖房を入れました。

まだ「弱」だけどね。

 

とりあえずこれらで寒さをしのぐ!

 

 

 

 

同じネタで投稿する

 

他の投稿ネタを確認する

 

 

 

 

本日の読書:病む月 唯川恵

 

カバー裏より
『美人で金持ちで傲慢で、あの女は昔からいやな女だった。その女の美しい夫を寝取った「私」は……。(「いやな女」)年に一度の逢瀬には、必ず新調した着物を着る「私」。その日だけは、特別の存在になるのだから。(「雪おんな」)。月が満ちては欠けるように、女もまた変化する。おもての顔の裏に別の顔を隠しもって。金沢を舞台に、切ないほどに「女」に満ちた10人10話。』

目次
・いやな女
・雪おんな
・過去が届く午後
・聖女になる日
・魔女
・川面を滑る風
・愛される女
・玻璃の雨降る
・天女
・夏の少女

どちらかというと読後のあまりよろしくない話が多かったけれど、よくよく考えてみれば「女」ってこういう生き物だよねえって、ざっくりまとめてみたりもできるような気もする。
妬み嫉み、恨みつらみ。
もちろん男性にだってそのような感情はあるけれど、いかにもこれは女性だよねっていう描写が絶妙なのね。

そういう意味では『いやな女』は、まさしく「女」の「いやな」ところが前面に出ていて、面白かった。
『病む月』というタイトルを一番体現していると思われるルナティックな話は『過去が届く午後』。
めちゃくちゃ「いやな」雰囲気が最初からあったけど、最後の落ちは衝撃だった。

化粧もおしゃれもあまりせずにこの年まで来てしまったので、「愛される女」にはぞっとした。
幸い私は「それでも女なの?」などと蔑むように言われたことはないけれど、あそこまで頑なに「女らしくあること」を拒む理由がちょっとわからない。
っていうか、レースやフリルを着ないだけで、化粧っけなくてトレーナーにパンツって、そこまで非難されることなのか…。

思いがけずに切なさに着地したのは『玻璃の雨降る』。
気づくタイミングはいくつかあったはずなのに、妙なプライドがそれに目をつむり、大切なものを大切にしなかった苦い後悔がもたらす切なさ。

年のせいか、大病をしたせいか、『夏の少女』は沁みた。
少しずつ失われていく自分の命。
もっと未来があると思っていたのに。
だけど、夫の前では「ない未来」に気づいてはいないふりをする。
そんな主人公の前に現れた「夏の少女」の正体。
穏やかに逝けたらいいよね。