間取りだけではなく、コンセプトがまず好きなのが、潮産業さんの建てるアパートまたはマンション。
特に好きなのはアールフィーノシリーズから派生したネコフィーノ。
猫飼ってないけど、ここに住みたい。
潮産業さんの物件は人気が高いので、若干家賃はお高めだけど(東京よりは断然安いが)、すぐ予約で埋まっちゃうらしい。
なんなら完成披露ツアーで埋まる。
まず、部屋の号室ごとに壁紙から照明から建具まで全部違うというのが素敵。
そして各部屋には必ず広いウォークインクローゼットがある。
パントリーが必ずあるのもポイント高し。
キッチンも広めで、収納ばっちり。
ワークスペースも必ずどこかに、個室だったりリビングだったりするけれど、ある。
私はあまり必要ないけど、浴室テレビも必ずある。
でも圧倒的に1LDKが多いのよね。
潮産業さんの2LDKに住みたいなー。
神様、言霊よろしく。
本日の読書:ツボちゃんの話 夫・坪内祐三 佐久間文子
Amazonより
『類まれな同時代史の書き手が急逝して一年半――。妻が語る二十五年間の記憶。「ぼくが死んだらさびしいよ?」が口癖だったあの頃……。けんかばかりしていたけれど憎めない。博覧強記の東京人。生涯一「雑誌小僧」。毎日が締め切りでも、いつもふらふら飲み歩く生粋の遊歩者。「怒りっぽくて優しく、強情で気弱で、面倒だけど面白い」夫との多事多難な日々が鮮やかに蘇る。そう、みんなツボちゃんを忘れない。』
頭のいい人が好きだ。
地頭がいい人はもちろん、博覧強記の人にもあこがれる。
頭のいい人にだけ見ることのできる、世界の違う断面を見せてもらうと幸せだ。
で、ツボちゃんだ。
名前のせいか文体のせいか、年配の人を想像していたのに、私よりやや年上だけれど、ほぼ同世代と言っていいくらいの年齢のかた。
なのに、なぜこんなに日本の近代のあれやこれや、何ならサブカルチャーにいたるまで詳しいのか。
なのにさ、たったの62歳で急逝しちゃったんだよ。
2年くらい前から体調が悪かったって…若すぎるよ。
そんなツボちゃんが北海道立文学館で『更科源蔵と豊かな交流圏』という副題の企画展をたまたま見て、更科源蔵を知らなかったというエピソードに驚く。
私が知っていてツボちゃんが知らないことがあるなんて!(ま、北海道の詩人ですからね)
私との共通点は、方向音痴のところ。
”迷う時間を織り込みずみなのか、ただのせっかちなのかわからないけど、約束より早めに家を出て、迷った先でいろんなものに出会った。手ぶらで出かけ、何か必ず自分へのおみやげを持ち帰った。おみやげは本のこともあったし、新しい発見のこともあった。”
偏屈で、怒りっぽくて、人見知りで、酒飲みで、多分簡単に仲良くなるのは難しい人。
だけど、著者が描くツボちゃんは、なんてキュートなんだろう。
亡くなった日のことを書いた第一章を読んで胸が痛み、途中クスクス笑ったりハラハラしたりしながら最後まで読んで、夫婦って切ないなと思う。
一緒に亡くなるのはまれなことで、大抵はどちらかが残される。
私たちもそう遠い話じゃないんだと、覚悟だけはしておかないとなあ…。

