私が退職したら、日付や曜日の感覚があっという間になくなるのではないかしら、と以前から思っていて。
日めくりカレンダーを毎日めくっていれば、なんとかなるかしら。
とりあえず4月から、ではなく1月から習慣づけなければ意味がない。
というわけで、来年の日めくりカレンダーを10さんのいない時にちびちび作っています。
リング綴じのメモ帳に日付と、クイズを3問。
ボケ防止のために、毎日3問クイズを解いてもらう。
簡単なものから難しいものまで。
この面倒くさくて時間のかかる作業が、結構好き。
以前も単身赴任の10さんに、毎日子どもたちの様子をはがきに書いて送ってましたからね。
「メールにすればいいじゃん」とママ友に言われても、手書きにこだわった私。
とりあえず年内に2月分くらいまで作っておきたいと思います。
こんなやつに、日付とクイズを書いてるよ。
本日の読書:クジラアタマの王様 伊坂幸太郎
カバー裏より
『記憶の片隅の残る、しかし、覚えていない「夢」。自分は何かと戦っている?――製菓会社の広報部署で働く岸は、商品への異物混入問い合わせを先輩から引き継いだことを皮切りに様々なトラブルに見舞われる。悪意、非難、罵倒。感情をぶつけられ、疲れ果てる岸だったが、とある議員の登場で状況が変わる。そして、そこには思いもよらぬ「繫がり」があり……。伊坂マジック、鮮やかなる新境地。』
クジラアタマの王様?
ハシビロコウの話?
まさかね。
伊坂幸太郎のことだから、一ひねりも二ひねりもある話なんでしょう。
本当に一ひねりも二ひねりもある、ハシビロコウの話でした。
理不尽な何かに巻き込まれ、わけもわからずのっぴきならない羽目に陥る主人公たちは、伊坂幸太郎の定番。
主人公の岸は製菓会社の広報部に勤めている。
新製品のCMに人気ダンスグループのメンバー小沢ヒジリを起用したいと暴走する広報部長の尻拭いをさせられる岸の上司である栩木(とちぎ)。
岸の行動原理の1は家族を守ること、2は栩木のサポートをすること、のような感じ。
そんな時、散々門前払いを喰わせてきた小沢ヒジリが、岸の会社を訪ねてくる。
もうひとり。
腰が低くてフットワークの軽い都議会議員の池野内。
彼によると、岸と小沢は、夢の中でチームを組んで、ハシビロコウの指示のままモンスターを退治しているらしいのだ。
そして、モンスターに勝つと現実世界のピンチがひとつ回避される、らしい。
正気か?
軽妙な会話と飄々とした岸の性格のおかげで、テンポよく話は進む。
理不尽に巻き込まれても、チームプレーでピンチを回避する爽快感。
岸だけでなく、小沢も池野内も、有名人とは思えないほどまたは嘘くさいほどいい人なのだ。
3/4までは順風満帆。
いろいろあるけど、人生捨てたものではないと思わされる。
だけど、最後の章で、15年ほど時間が進み、状況は急転する。
夢の世界で戦う人たちが減ってきた。
ハシビロコウが彼らをも狙う。
そして、新型インフルエンザの恐怖が世の中を席巻する。
この本が書かれたとき、実はまだ新型コロナはまだなくて、鳥インフルエンザなどをイメージして書かれたものらしいのだけど、びっくりするほどコロナ禍の日本が描写されてている。
マスクで防げるのか?
外出しなくなるから、家で食べるお菓子が売れるのでは?という製菓会社の目論見。
感染者探しに血眼になるマスコミと、SNSの発信者たち。
緊急事態にもかかわらず突撃取材と称して、行動するための時間を削り取っていくマスコミ。
夢の中ではハシビロコウに襲われ絶体絶命の彼ら。
現実世界でも、命の危機に見舞われ絶体絶命の彼ら。
だけど、一度失敗したって、あきらめなければ二度目はある(かもしれない)。
小さなエピソードもすべて伏線として回収していく手練れの技に、ページを繰る手がとまりませぬ。
今日が祝日でよかった。
本当の本当に一気読み。

