今日が返却期限の本をなんとか午前中に読み終わり、午後から小樽に行ってきました。(そんなわけで、昨日ブログをかけなかったのだ、と言ったら言い過ぎだけど)
 
秋晴れの小樽は観光客でいっぱいでした。
夏が長かったからピンとこないけど、ハロウィンは今月なのね。

 
ツタも赤くなってきました。
 
ちょっと異国っぽいね。
 
晴れの日のアンブレラスカイ。
 
北一硝子カフェの8色ソフト(のフィギュア)。
8つの味で800円なら安いような気もしますが、まあ、食べられないでしょう。
 
お昼に食べたお蕎麦。
めちゃくちゃ量が多くて、夕方までお腹ぱんちくりんでした。
 
 
 
 
 
 
本日の読書:黒牢城 米澤穂信

 

 

Amazonより
『本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の智将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。デビュー20周年の集大成。『満願』『王とサーカス』の著者が辿り着いた、ミステリの精髄と歴史小説の王道。』

大好きな米澤穂信ですし、ミステリーのランキングで4冠を得たとか、直木賞受賞作であるとか、機体は爆上がりでした。
だからでしょうか、はっきり言って期待外れ。

まず、歴史小説としてマイナーな題材なので、それを補足するためにどうしても長くなってしまいます。
どちらかというと米澤穂信の場合、長編より短篇の切れ味が好きなので、これは嗜好の問題ですが。

で、荒木村重って誰?
名前は知っていたけれど、功績はほぼ知らない。
でも、ここに書かれる村重の、動きの鈍さやカリスマ性の欠如が、信長に反旗を翻す人には思えないところに大きく引っかかってしまったのだ。
史実には忠実なのだろう。
実際籠城しているときにできることってそれほどないのかもしれない。
だけどなあ…。

信頼できる家臣の数が少なすぎる。
というか、家臣を信頼しなさすぎるから、全部を自分の判断でなそうとするがゆえに、行動が遅くなる。
思慮深く、志が悪くないのに、どうも機を逸している感がぬぐえない。

せっかくの戦国時代を舞台にした小説なのに、手に汗はまったく握れない。

さらにミステリとしても、探偵役の黒田官兵衛にさほどの魅力がない。
せっかく土牢に押し込められて安楽椅子探偵になっているのだから、ここぞという切れ味の推理を見せてくれるのかと思いきや、抽象的なことしか言わない。
謎解きのような官兵衛の台詞を、思い返し思い悩みしてようやく真相にたどり着き、それに背中を押されるようにようやく一歩を踏み出すのだから、テンポが遅くなってもしょうがない。

肝心の謎は、4つの章それぞれの謎、全部分かりました。
ミステリファンなら簡単でしょ?
村重が見たくないところに真実がある。

ただ、官兵衛が抽象的なことしか言わずに村重を翻弄するのには、理由がある。
武将の立場、宗教の意味、民の心。
どれもが真実なのだけど、立場によって選ぶべき道が変わってしまうのは仕方のないことだけれど。

ミステリならミステリ、歴史小説なら歴史小説と、割り切って書いたほうが良かったのでは、と思う。



今はもうアメブロを退会してしまったけれど、10年ほど前によくコメントのやり取りをしていた若手俳優の彼は、「米澤穂信はぼくにとって神です」と言っていたけれど、これを読んでどう思っただろうか。
なんてことばかりを思いながら読んでいたということは、私にとって集中できる読書ではなかったってことなんだな。
それが全てかと。