超絶忙しかった8月が終わり、ようやく明日から夏休みです。

10日ほどの大型連休ですが、夏季休暇として付与されているのは3日間で、あとは普通の有給と祝休日。

基本的には家でうだうだ過ごします。

 

夏休み初日の明日は、半年に一度の子宮がん検診。

やれやれ楽しくない。

 

しかし、金曜日と土曜日は朝から長時間出かけますので、明日中に土曜日返却の図書館の本を明日返しに行かなくてはなりません。

まだ1/10しか読んでないので、明日病院の待ち時間に頑張って読まねば。

 

ぢゃ!手

 

 

 

 

本日の読書:泳ぐ者 青山文平

 

Amazonより
『些細な違和感の先に、〈未解決の闇〉が広がっていた――。話題作『半席』から五年、衝撃の長編。離縁された妻はなぜ三年半も経って、病床の前夫を刺したのか。徒目付の片岡直人は「真相」を確信するが、最悪の事態に。折も折、耳に入る奇妙な噂。毎日決まった時刻に、冷たい大川を不恰好に泳ぐ男がいる。何のために? 事件の予兆、男の謎めいた笑み、仕掛けられた罠。「なぜ」の奥に、直人は人の心の「鬼」を見た――。時代本格ミステリー。』

以前読んだ『半席』が面白かったので、その続編であるこの本はとても楽しみでした。
『半席』は短編集でしたが、これは長編。

主人公の片岡直人は旗本への出世を目指すことを辞め、御家人として徒目付として、事件を起こしてしまった人の「なぜ」を見極めることを心に決めて『半席』は終わったのだが。

今作で直人は体を壊している。
どうも「謎」を探る「頼まれ御用」で初めてしくじりをしてしまい、やる気が失せて、体も不調を訴えているらしいのだ。

その事件とは、三年半前に離縁された妻が、余命いくばくもない元夫を、息子の前で刺殺したというもの。
なぜ離縁されて三年半も経ってから殺したのか。
その「なぜ」を解明するため直人は事件関係者から話を聞くが、元妻の評判は決して芳しいものではなく、誰からも評判のいい元夫は離縁したといっても元妻を支え続けていたはずだった。
では「なぜ」。

直人は「なぜ」を見誤った結果、最悪の事態を引き起こしてしまう。
そんな直人に上司の内藤は海防の話をする。
幕末間近の日本にはロシア人もイギリス人もやって来る。
択捉島では幕府の会所がロシア人に焼き討ちにあう。
これからは海防に力を入れなければならないという時に、海防に関わる目付から直人に声がかかる。
ここで認められたら旗本への夢は叶うかもしれないのだが。

そして、直人の目の前で惨殺された「泳ぐ者」。

全編通して愚直に誠実に事件と向き合う直人の話は、盛り上がる山場が特にあるわけではないのだけれど、妙に沁みるのだ。
心の中の昏い部分。
隠された闇を少しずつ少しずつ明かしていく。
明かされた安堵、というのもあるのかもしれない。
しかしそれはあくまでも静謐だ。

”取るに足らぬとされる者の、取るに足らぬ動きが、他者の目に留まることはない。衆生の目に留まらなかったものはこの世になかったのと同じだ。”
だから直人は取るに足らぬ動きに目を凝らす。
その姿勢は清々しい。

内藤は直人に言う。
”ふだんから国が見ているのが伝わることが肝なのさ。国から構ってもらってると思うことができりゃあ、言われなくても民のほうから国自慢をするようになる。”

海防は国の大事だ。
事件の「なぜ」を丁寧に追うことは、人が海防を思い行動を起こすことに繋がるということだ。

幕末の不穏を予感させながら続編が作られるのは、何年後になるのだろう。
早く読んでみたいのだけれど。