蜜柑色と言えば、ずうとるびの『みかん色の恋』が瞬時に出てきます。
なんと50年前の曲!
♪す~きなんだ、す~きなんだ、さ~か立ちしたいほど~
だめなんだ、だ~めなんだ、ぼ~くさか立ちが、でっきな~い♪
山田隆夫をかっこいいと思ったことは一ミリもないけれど、アイドルだったんだよ、彼は。
蜜柑色と似た色では、ふきのとうの『柿の実色した水曜日』もめっちゃ好き。
細坪さんの歌声が、涙が出るほど今でも好き。
ふきのとうの曲は全部好きです。きっぱり。
本日の読書:マルコムX自伝 下 マルコムX
カバー折返しより
『マルコムは次第にブラック・マスリムの分離主義的傾向に反発を覚え、メッカ等への訪問を転機に非宗派的な黒人解放組織「アフロ・アメリカン統一機構」を設立。新しい活動を展開しようとした矢先、敵対者に暗殺される。』
上巻での激しい白人差別(最初の人類は黒人だった、から始まり、白人は黒人の劣化版であるという主張)は鳴りを潜め、誰をも差別をしなくてすむ、個人が尊重される世の中を作るために黒人は解放されるべきという主張へとシフトしていったマルコムX。
そのきっかけが、あまりのマルコムの人気に嫉妬した黒人イスラム教団の代表イライジャ・ムハマドから教団を追われ、イスラム教の本場メッカを訪問したことによるものだったのは、あまりに皮肉。
それがなければマルコムは最後まで教団の有能な指導者だったはずなのだから。
本場で初めて知る、正式な礼拝のしかたすら知らなかった自分。
アメリカでだけ通用する、アラーの教えの独自解釈。
結局なくなりはしない人種差別。
それに引き換え、イスラム教徒の国々では、黒人だからと差別されることもなく、白人だからと優遇されることもない。
同じ神を信仰する者同士の連帯。
大事なことは分断することではなく、連帯すること。
そのためには手を差し伸べられるのを待つのではなく、自分の力で行動しなければならない。
この本は『マルコムX自伝』となっていて、著者もマルコムXと表記されているけれど、実際にはマルコムの語ったことをアレックス・ヘイリー(『ルーツ』の作者)が文章化したものにマルコムがチェックを入れて作られたもの。
だからどこまでが真実なのかはわからないけれど、暗殺されることなく生きていたら、マイケル・ジャクソンは整形しないまま生きていられたのかな、なんて思ってしまう。
この本を読んで気がついたのは、現在のアメリカとイスラム国家の関係は、この当時とあまり変わってないんだろうなあということ。
宗教的対立というだけではなく、キリスト教が持つ根源的な差別思想がもたらす断絶というのもきっとあるのだろう。
確かにイスラム教では、奴隷になるのは黒人だけじゃないし(白人奴隷の方が高く売れたらしい)、征服した土地の文化を根こそぎ破壊することも、他の宗教を信仰することを禁ずることもなかったんだよね。
マルコムXが「キリスト教では人種差別はなくせない」というのは、今のところまだ正しい。
”原爆投下の前――海をへだてたこちらのアメリカ合衆国では、帰化し、あるいはアメリカで生まれた忠誠なる日系アメリカ市民十万人が収容所の有刺鉄線の中に狩り集められたが、これはどういうことなのか?それにひきかえ、ドイツ生まれの帰化アメリカ人で、鉄条網の中へ集められた者が何人いただろう?彼らは白かったからだ!”
