10さんがいないので、あくびしても一人、です。
「咳をしても一人」のようなそこはかとない寂寞とは違い、どこかお気楽な様子がうかがえる一文ですが、先ほどようやく長い長い読書を終えたあとのあくびです。
よく頑張った、自分。
「せっかくだから、いない間に飲みに行ってもいいよ」と10さんは言いましたが、多分行きません。
寄り道きらいだから、まっすぐ帰ります。
ま、誘われたら行きますけどね。
でも誘われないでしょう。
多分残業です。しくしく。
お昼に10さんを見送ってから、1万歩を歩きに出かけました。
暑いので地下街を。
遅めのお昼ごはんは、「イワシとわかめの胡麻醤油出汁茶漬け」
イワシで頭よくなるかな?
本日の読書:サハリン島 エドゥアルド・ヴェルキン
四苦八苦しながら、ようやく読み終えることができました。
400ページ二段組みという、物理的な分量の多さに苦労したのもあるのですが、それよりも、読んでいて本当につらかったのです。
北朝鮮が発射した核ミサイルがきっかけで、欧米の先進国がほとんど壊滅してしまった世界。
日本は鎖国をし、太平洋一帯を領海域であると宣言します。
そして天皇中心の大日本帝国を復活させ、それは維新と呼ばれます。
というような背景は、最後まで背景のままで、ストーリーの中心に来ることはありませんでした。
なぜなら択捉島から始まった物語は、ほとんどをサハリン島の出来事に終始するから。
日本本国で一般大衆がどのような生活を送っているのかはわかりません。
ただ、主人公のシレーニは貴族の生まれっぽいです。
帝国大学で応用未来学を学んでいるシレーニは、研究の一環としてサハリン島を訪れるのですが、サハリンは囚人を収監する監獄の地。
そして、つねに物資や食料が欠乏し、身体や精神に異常をきたす人がかなりの割合で存在します。
どうにも非衛生的で、腐臭漂うイメージですが、そういうのは伊藤計劃・円城塔の『死者の帝国』やエドワード・ケアリーの『堆塵館』シリーズを読んでいるので、まだ耐えられます。
しんどかったのは、徹底的な人種差別の上での暴力行為の数々。
軍や行政機関の役職についているのは日本人のみで、囚人の中で権力を持っているロシア人、消耗品のようにこき使われる中国人、反対に金儲けに長けて肥え太り疎まれる中国人、人間扱いすらされないコリアン。
「限定的な権利しか持たない人種に属するもの」=「中国人、コリアンとそれに類する人種」
400ページ中300ページはこれらについて延々書かれていて、本当に休み休みじゃないと読み進められないくらいしんどかったのです。
が、300ページを過ぎたとき、突如大きく話が転回します。
MOB(移動性恐水病)という、致死率の高い伝染病が島を襲うのです。
これは自然発生した病気ではなく、アジア発祥の軍事目的で人工的に作られたウイルスがひき起す病。
人間がゾンビのようになって人を襲い、10日ほどで罹患者は死んでしまうというもの。
後に空気感染もするようになりますが、シレーニがサハリンにいたころは接触感染のみだったので、とにかく海を目指して逃げるのです。
が、シレーニにはサハリンの案内人であるアルチョーム、途中で保護したアルビノで手足の指と舌を失った少年ヨルシ、アルチョームが保護した盲目のコリアンの子ども3人を連れているので、かなりの苦労を強いられることになります。
が、それゆえに、読んでいるうちに目に涙が溜まってきます。
途中で投げ出さなくてよかった。
ところがところが、350ページからのエピローグで再びその様相は変わってしまいます。
私の目もすっかり乾きました。
個人的にはエピローグ部分は不要と思いました。
確かに変だなと思ったところもありました。
特にヨルシの目。
アルチョークは「銀色の目」と言っているのに、シレーニは「片方は赤で、もう片方は青」なんて言っているのです。
ん?これは信用できない語り手ってこと?
それでも。
やっぱり350ページまでで終わってほしかったな。
Amazonより
『北朝鮮発の核戦争後、先進国で唯一残った日本は鎖国を開始。帝大の未来学者シレーニは人肉食や死体売買が蔓延するサハリン島に潜入する。この10年で最高のロシアSFとされる衝撃の傑作。』四苦八苦しながら、ようやく読み終えることができました。
400ページ二段組みという、物理的な分量の多さに苦労したのもあるのですが、それよりも、読んでいて本当につらかったのです。
北朝鮮が発射した核ミサイルがきっかけで、欧米の先進国がほとんど壊滅してしまった世界。
日本は鎖国をし、太平洋一帯を領海域であると宣言します。
そして天皇中心の大日本帝国を復活させ、それは維新と呼ばれます。
というような背景は、最後まで背景のままで、ストーリーの中心に来ることはありませんでした。
なぜなら択捉島から始まった物語は、ほとんどをサハリン島の出来事に終始するから。
日本本国で一般大衆がどのような生活を送っているのかはわかりません。
ただ、主人公のシレーニは貴族の生まれっぽいです。
帝国大学で応用未来学を学んでいるシレーニは、研究の一環としてサハリン島を訪れるのですが、サハリンは囚人を収監する監獄の地。
そして、つねに物資や食料が欠乏し、身体や精神に異常をきたす人がかなりの割合で存在します。
どうにも非衛生的で、腐臭漂うイメージですが、そういうのは伊藤計劃・円城塔の『死者の帝国』やエドワード・ケアリーの『堆塵館』シリーズを読んでいるので、まだ耐えられます。
しんどかったのは、徹底的な人種差別の上での暴力行為の数々。
軍や行政機関の役職についているのは日本人のみで、囚人の中で権力を持っているロシア人、消耗品のようにこき使われる中国人、反対に金儲けに長けて肥え太り疎まれる中国人、人間扱いすらされないコリアン。
「限定的な権利しか持たない人種に属するもの」=「中国人、コリアンとそれに類する人種」
400ページ中300ページはこれらについて延々書かれていて、本当に休み休みじゃないと読み進められないくらいしんどかったのです。
が、300ページを過ぎたとき、突如大きく話が転回します。
MOB(移動性恐水病)という、致死率の高い伝染病が島を襲うのです。
これは自然発生した病気ではなく、アジア発祥の軍事目的で人工的に作られたウイルスがひき起す病。
人間がゾンビのようになって人を襲い、10日ほどで罹患者は死んでしまうというもの。
後に空気感染もするようになりますが、シレーニがサハリンにいたころは接触感染のみだったので、とにかく海を目指して逃げるのです。
が、シレーニにはサハリンの案内人であるアルチョーム、途中で保護したアルビノで手足の指と舌を失った少年ヨルシ、アルチョームが保護した盲目のコリアンの子ども3人を連れているので、かなりの苦労を強いられることになります。
が、それゆえに、読んでいるうちに目に涙が溜まってきます。
途中で投げ出さなくてよかった。
ところがところが、350ページからのエピローグで再びその様相は変わってしまいます。
私の目もすっかり乾きました。
個人的にはエピローグ部分は不要と思いました。
確かに変だなと思ったところもありました。
特にヨルシの目。
アルチョークは「銀色の目」と言っているのに、シレーニは「片方は赤で、もう片方は青」なんて言っているのです。
ん?これは信用できない語り手ってこと?
それでも。
やっぱり350ページまでで終わってほしかったな。
父が樺太引揚者なので読んでみましたが、勧めることなく終わるでしょう。
