QuizKnockを好きになって、動画を見始めて割とすぐに「血圧計の腕に巻く部分の名称と、クリスマスの時などに鳥のもも肉の持つところに巻く花状の紙飾りはどちらもマンシェットという」という雑学と出会いました。
「へえ~」と思って「覚えとこ」と思ったのですが、30分後くらいに見た別の動画で同じ雑学を見たときに、30分前に見た記憶だけがあって、名称は全く覚えていませんでした。
さすがに二度目のときは「今度こそ覚えとこ」と、意識的に覚えるようにしたのです。
が、次の日にはもう名前を思い出せませんでした。
これは悔しい。
なので、ネットで名前を調べて、漢字の書き取りをしているノートの片隅に書きました。
そして一週間、毎日一度はそのページを開き、忘れていないことを確認しました。
自分で調べることと紙に書くことは、記憶の定着に有効ですな。
一週間の復習期間ののちは、ノートを開かなくても思い出せるようになり、現在に至ります。
実に効率の悪い覚え方ですが、テストがあるわけでも〆切があるわけでもないので、問題なし。
血圧計のマンシェット(他にもいろいろ呼び名はある)
紙製ではないけど、マンシェット付き
本日の読書:狐罠 北森鴻
カバー裏より
『店舗を持たず、自分の鑑定眼だけを頼りに骨董を商う「旗師」宇佐見陶子。彼女が同業の橘薫堂(きくんどう)から仕入れた唐様切子紺碧椀(からようきりここんぺきわん)は、贋作だった。プロを騙す「目利き殺し」に透子も意趣返しの罠を仕掛けようとするが、橘薫堂の外商・田倉俊子が殺されて、殺人事件に巻き込まれてしまう。古美術ミステリーの傑作長編。』
骨董のことなんか全然わからないけれど、面白かった。
店舗を持たずに、直接同業者やコレクター相手に取引を行う宇佐見陶子。
屋号は冬孤堂。
ある日、同業者である橘薫堂から贋作を買わされ、仕返しのために罠を仕掛けるのだが。
贋作と知って他人に売りつけるのは犯罪である。
面子をつぶされたからといって、そこまでやるか?という気もするけれど、メンツをつぶされることが生死に関わるのだから、しょうがないのかな。
しかし、主人公がのっけから犯罪に手を染めようだなんて、この先シリーズをどう進めるつもりなのか?
それはさておき、橘薫堂を陥れることができるだけの素晴らしい贋作を作るために、陶子は元々美大の教師と学生として知り合った元夫の元へ行き、ひとりの人物を紹介される。
陶子が一体どうやって橘薫堂を騙すのか…は物語を読んでいただくとして、ここに殺人事件までがからんでくる。
何故か陶子について調べていたらしい、橘薫堂の外商・田倉。
大英博物館、国立博物館、保険会社の美術監査部の調査員なども巻き込みながら、現在の贋作事件、戦後の贋作事件、隠れようとする人、あぶり出そうとする人。
いくつもの思惑が複雑に交差して、仕事が忙しくないのなら、一日休んで一気読みしたいくらいだった。
オセロのように優勢劣勢が入れ替わり、落としどころが全く見えなかったのに、気がついたらいろいろと謎が解け、事件は解決していたのだった。
巧い!
途中、陶子が元夫と三軒茶屋のビアバーで食事をするシーンがあって、にやり。
お店の名前もマスターの名前も出てこなかったけれど、ここはまさしく香菜里屋。
香菜里屋シリーズよりこちらの方が一年早く発表されたのだけど、作者はあえて構想中の香菜里屋を出してきた、ということなのだろうか。