それは、私のやる気ボタンをばっこし押してくれるこの下敷き。
非公式グッズでごめんね。
でもこれで勉強しようって気になるの。←いったい何歳なのさ
それから、最近買ってパソコンに貼ったシール。
「とびてぇなー」と思う自分に「伸びしろあります」と背中を押してくれる。
今のところこれらのおかげで、めっちゃやる気に溢れています。
結果はなかなか出ないんだけどね。
今朝の書き取りの誤答率に泣けるのよ、まったく。
でも、伸びしろあるから…さ。
本日の読書:大名倒産 下 浅田次郎
Amazonより
『御国入りで初めて見る故郷の美しさ、初めて知る兄弟の情。若殿は倒産阻止を決意するが、家臣共々の努力も焼け石に水。伝家の宝刀「お断り」で借金帳消しの不名誉を被るしかないのか。人も神様も入り乱れての金策に、果たして大団円なるか―』
上巻を読んだとき、次々出てくるキャラクター(人も神も)の個性的なことにわくわくし、彼らが一体どうやって倒産を阻止するのだろう、と続きを読むのが楽しみでしょうがなかった。
恩田陸の『ドミノ』のように、一つの出来事が次の出来事を引き寄せ、次々と事態がかわっていく、「そんなバカな。わっはっは」と笑えるものだと思った。
でも、主人公の松平小四郎は評判通りにくそまじめで、思った以上に影が薄かった。
藩に取りついていた貧乏神が傷の手当てをしてくれた薬師如来に借りを返すために(不老不死の神とはいえ、瀕死の重体で不死は辛い)七福神の力を借りて藩の財政を立て直そうと画策する話、のはずだった。
いや、結果的にはそうなっているけれど、神頼みをする人間などいなかった。
神様たちはそれぞれの思惑で買って人間の背中を押してはいたけれど、自分にできる精一杯を行ったのは、それぞれの人間たちだった。
だから、軽やかに洒落のめした地の文に反して、人の行いは遅々として進まない。
病弱だけど切れ者の喜三郎、そろばんに長けている貞吉、急遽召し抱えられた比留間伝蔵。
設定が全然生かされていない。
この本の最初に、地元の豪農の家に帳簿改めに入って、裏帳簿の一つも見つけられずに終わったのがその一例。
ちょっと待て。
先代のお殿様はさっさと裏金を貯めて藩を倒産させようとしているのだよ。
あまりに地道すぎて、もはや無理ゲー。
でも、裏表のない小四郎の態度に、ゆっくり事態は好転していく。
大悪党と思われた先代も、見方を変えれば頭の切れすぎる真っ当な人物…かもしれない。
で、最終的な落としどころは、妥当な線。
だけどその後の日本の、特に越後の惨状を知る身としては、これが本当に人々のためになったのか、と思わないでもない。
それは言わない約束だけどさ。
そして、主人公の小四郎の影の薄さのせいか、上巻の最初と下巻の最後は新次郎なのである。