10さんがご飯を食べるとき、いつも見守っている。
10さんはご飯を食べながらいつも「かわいいなあ」って言ってくれる。
ぼくと10さん、ずっとともだちだよ。

 
台所の水切り袋を買いにダイソーに行ったらかわいいミミズクくんと目があってしまいました。
10さん、フクロウとかミミズクとか好きだから、買ってくか。
軽い気持ちで買って、玄関の棚にこっそり飾っていたら、何事にも鈍い10さんが素早く気づいて、ダイニングテーブルの上にお連れしたというわけです。
 
毎日「かわいい」と愛でているので、申し訳ない気持ちになって「100円ですよ」と言ったら、「それはいい買い物でしたね」と逆に喜んでくれました。
痛み入ります。
 
 
 
 
本日の読書:呪われた首環の物語 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 

Amazonより

『霧に霞む緑の湿原に暮らす“人間”と“巨人”、そして水に棲み不思議な力を持つ“ドリグ”。この物語は、昔一人の“人間”の子が美しい首環欲しさに、武器を持たないドリグの子を殺したことから始まる…。首環にこめられたドリグの死に際の呪いはじわじわと湿原を蝕み、“人間”全体を、はては“巨人”をもおびやかすようになった。呪われた首環をめぐって、恐れ、憎みあう三つの種族が一つにからまりあっていく中、“人間”の長の息子ゲイアは、“巨人”の少年と友だちになり、湿原に脈うつ呪いを解こうとするが…?巨石、緑金、サンザシの木…ケルトの香り漂う英国の丘陵地帯に繰り広げられる、伝説を題材にした極上のファンタジー。』

いつも行く図書館が休館で、以前通っていた図書館に行ったら児童文学が充実していて、思わずこのダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品を借りてきました。

久しぶりに読んだジョーンズ、面白い。
ちゃんと児童文学で、ちゃんとファンタジーで、ちゃんとわくわくできる。

イギリスの湿原に暮らすゲイア。
勇者の父、賢者の母、〈能〉を持つ姉のえいなと同じく〈能〉を持つ弟のセリと暮らしている。
ひとりだけ何のとりえもなく父の期待に応えられないだろうことを気にしている。
けれど家族は、ゲイアに何かを感じてそれを尊重している。
多分ゲイアに本当に何のとりえがなくても、家族はゲイアを愛してたと思うけど。

湿原にはゲイア達”人間”のほかに”巨人”と”ドリグ“も住んでいる。
互いに怖れ、接触をを避けているこれらの種族は、しかし湿原の環境の悪化で、居住地の移動を余儀なくされるが、その悪化をもたらしたのが、ひとりの”人間”の愚かな行為のせいだった。

最初は純然たるファンタジーと思ったのね。
だけど”巨人”が出てきて、その恐ろしい存在が、ゲイアの目を通して描写されると「あれ?」と思い当たる。

自分たちの常識が、誰にとっても常識ではないこと。
他者からどう見えるのか?
違う常識とは本当に相容れないのか?

面白いのは、ゲイア達”人間”だけではなく、”巨人”も”ドリグ”もそれぞれ自分たちのことを”人間”と呼んでいること。
自分たちこそが”人間”と思っていること。

そして全然別と思っていた彼らも、話しあえば分かり合えるし協力し合えることを、ゲイア達兄弟や、”巨人”や”ドリグ”のこどもたちが証明してくれることが素晴らしい。
ならどうして人間同士で諍いを止めることができないのか。
子どもも大人も考えるべき問題。