どこで食べた?
福島県の大内宿で食べた「ねぎそば」
推せるポイントは?
まず見た目でしょ。
お箸の代わりにネギがど~ん!
いや、まあ、食べにくいっちゃあ食べにくいけど、それもまた旅の醍醐味よ。
薬味代わりにネギをもぐもぐ。
これがまたうみゃい。
めっちゃ混んでたので駆け足で回りましたので、今度はゆっくり観光したいなあ。
本日の読書:窓辺の愛書家 エリー・グリフィス
カバー裏より
『多くの推理作家の執筆に協力していた、本好きの老婦人ペギーが死んだ。死因は心臓発作だが、介護士のナタルカが不審に思い、刑事ハービンダーに相談しつつ友人二人と真相を探りはじめる。しかしペギーの部屋を調べていると、銃を持った覆面の人物が侵入してきて、一冊の推理小説を奪って消えた。謎の人物は誰で、なぜそんな行動を?『見知らぬ人』の著者が贈る傑作謎解き長編。』
高齢者用の共同住宅に住んでいたペギーが死んだ。
発見したのは通いの介護士のナタルカ。
90歳という年齢で心臓疾患を抱えていたのだから、死因が心臓発作であることに問題はないはずだった。
しかし彼女は海の見える窓辺の椅子にいつも通り座ったまま亡くなったのだ。
目の前のテーブルには薬があったにもかかわらず。
彼女は同じフロアに住むペギーの友人だったエドウィンと、ペギーの行きつけのカフェの店長であるベネディクトと3人で、事件の真相を探る。
元修道士のベネディクトはミステリが好きで、観察力や推理力に優れている。
エドウィンはBBCで働いていたこともあり、孤独な生活を送っている割にはコミュニケーション能力が高く、現実対応力もある。
ナタルカはウクライナ人。
数学が得意だったので、イギリスの大学に留学し、一瞬だけイギリス人と結婚したことにより、イギリスへの永住権を持つ。
最低賃金の保証のない介護士をしているが、実は財テクの特技を持つ。
これだけだと普通のミステリなのだけど、亡くなった(殺されたのかどうかも不明)ペギーが、殺人コンサルタントとして多くのミステリ作家にアドバイスをしていたことから、作家や編集者、ブックブロガーやイベントなど、現在のイギリスの出版事情も垣間見える。
そして、なぜペギーは殺人コンサルタントと名乗るようなことができたのか。
そこにはヨーロッパの、主に東欧の歴史が大きな影を落とすことになる。
この本が書かれたのは2020年だが、ウクライナ人はイギリス人にとって縁起の良くない民族と思われている節がある。
ナイチンゲールの時代からずっと戦時中であるというクリミア半島。
まあ、少数民族に対するマジョリティーの偏見というのは、刑事のハービンダー(イギリス生まれのインド人)も常に感じているところだが。
ナタルカの弟は反ロシア行動をとったということで、ロシアの捕虜になっていたことがあとでわかる。
トランプ大統領の口利きの捕虜交換で解放されて、政治難民としてイギリスへ来た。
祖国に帰らないのかと聞かれて、彼は答える。
「いつか、いつかは帰るよ。ロシア人がいなくなったら」
ポーランドも大きなカギだ。
ポーランド人の介護士。
第二次世界大戦中ポーランドにいた人物も。
ポーランドの「女学生暗殺者」。
日本のマスコミだけではわからない、世界の今と過去がこの本には書かれている。
「人は本のなかで世界を旅することができる」
前作『見知らぬ人』の時も思ったけれど、作者は本当に読書が好きなんだということが、今作では随所に現れていて楽しかった。
前作の主人公であるクレアがちょっとだけ出てきて、「ウィルキー・コリンズもディケンズもミステリを書いたことがあるのよ」という。
中世の文学が好きなクレアはミステリなんて読まないでしょという、ハービンダーの問いに対する答え。
「え?読むんだ!」と読者に思わせたかったのだろうけれど、私は逆にウィルキー・コリンズってミステリ以外も書いてたんだ!と驚いた。
ディケンズの遺作『エドウィン・ドルードの謎』はミステリだが未完なので、知らずに読んで衝撃を受けた。全集に入れるなよ!
タイトルの『窓辺の愛書家』もとても良い。
原題は『The Postscript Murders」という味気ないもの。
年を取ったら海の見える家(サ高住でも老人ホームでも)で、窓辺の椅子に座りながら膝の上にはいつも本。
テーブルの上にはクロスワードパズル。
そして海を眺めながら息を引き取ることが出来たらいいなあ。




