小学生の高学年の頃には身長150センチ以上ありましたし、あまり子どもっぽい服装もさせてもらえなかったし(似合わなかったし)で、小学生の時にひとりでバスに乗って30分以上かかる市立病院に行くときに、バスの運転手さんに「ちゃんと大人料金払いなさい」って怒られました。
びっくりして「小学生です」って言えなくて泣いちゃったけど、乗り合わせた人が「この子は小学生だから」って言ってくれて助かりました。
あとは、電話に出ると「ご主人はいらっしゃいますか?」ってよく言われたな。
「父はおりません」というと、「あ…」って感じになりました。
逆に母は「お父さんはいらっしゃいますか?」って言われて、「父はおりません」と言ってケロッとしてた。
そういう太い神経を持ち合わせてないくらいには、ちゃんと子どもらしかったのにさ。
本日の読書:Black Box 伊藤詩織
Amazonより
『信頼していた人物からの、思いもよらない行為。しかし、その事実を証明するには―密室、社会の受け入れ態勢、差し止められた逮捕状。あらゆるところに“ブラックボックス”があった。司法がこの事件を裁けないのなら、何かを変えなければならない。レイプ被害に遭ったジャーナリストが、自ら被害者を取り巻く現状に迫る、圧倒的ノンフィクション。
著者について』
ニュースでは知っていましたが、レイプ被害者によるこの本に書かれたことは、一つの事件についてだけではなく、日本というこの国が国民一人ひとりの基本的な人権についてどう考えているかをも問うものだと思いました。
「売名行為なのではないか」という意見もネットで見たことがありますが、売名行為などしなくても彼女のジャーナリストとしての実力は認められつつあったわけで、逆にこのような心ない言葉をぶつけられるようなリスクを負う必要はなかったはずです。
ニューヨークでジャーナリストとして働きたい。
そのためには学力だけではなく、学校で勉強するための財力も必要となり、彼女は遠回りをしながらもひとつひとつ問題をクリアしながら知識や経験を積み重ねていきます。
体を壊す寸前までバイトをこなしながら。
最初からジャーナリストとしてやっていけるわけではないので、ここでも彼女は少しでも目標に近い場所での実績を積み、人脈を広げていきます。
そんな中で知り合った尊敬する、信頼できる大先輩に彼女は就職先の紹介をお願いするのですが、食事をしていた寿司屋での急な泥酔、意識喪失。
気がついたらホテルの部屋で、男がのしかかっていたのでした。
ジャーナリスト志望の彼女でさえ、突然自分に降りかかったその出来事をどうとらえていいのかわからなく、誰に相談することもできず、体はスケジュール帳のとおりに動きながら、心は混乱を極めます。
とりあえず産婦人科に行ってピルを処方してもらうのですが、それがまず最初のミスでした。
こういう場合は救急に駆け込んで、自分の体の状態をチェックしてもらうことがまず必要。
そういう事すら知られていないのです。
彼女がこの本を書いたのは、まず真実を知りたいこと。
紆余曲折を経て、ようやく逮捕状発行までこぎつけたのに、逮捕予定当日に突然刑事部長の一言で逮捕はしないことが蹴ってします。
担当刑事と検事はその日のうちに異動させられます。
もうひとつ。
レイプ被害者を救うための法律やシステムの整備を促すため。
レイプはされる方も悪いんだという世間の圧力から、声を出せずにいる人たちがたくさんいるのです。
心だって体だって暴力を受けたら痛いんだよ。
見える見えないの違いはあっても傷ができるんだよ。
大きな傷は抱え込んでいるだけでは絶対治らないし、何なら悪化して化膿して壊死してしまうかもしれない。
だからそうならないように、まず心と体のケアが大事。
セカンドレイプなんて言語道断。
そして二度とこのようなことが起きないように、きちんと加害者に自分の仕出かしたことを認識させないと。
逃げ切ったという成功体験は、次の事件への一歩になるかもしれない。
著者も書いている通り、事件前と同じ自分には戻れないのです。
私もハラスメントを受けたことがあるから、うつ病になったことがあるから実感としてわかります。
元の自分には戻れない。
だから、他人を傷つける、他人を壊してしまうような出来事が起こらないような世の中にしていかなければ、と強く思いました。
