もう終わりどころか、終わって1週間もたってしまったのに、2022年10月が賞味期限のお茶がまだ職場の机の引き出しにたくさん残っている。
まあ、すぐ悪くはならないだろうと思いつつ、9月末くらいから毎日ちびちび飲んでいたのですが、飲みきれませんでした。
だってさあ、夏場の暑いときは冷たいお茶を飲んじゃうんだもの。
秋風が吹き、気がつけば賞味期限間近のお茶が大量に…。
今月中に飲み終わるかな。
カビてないからまだ大丈夫だよね。
4回目のワクチンを打ちましたが、今のところ問題なし。
「熱が出たら休むね~」とあんなにアピールしてきたのに、明日は普通に出勤かなあ。
ちぇ。←!
本日の読書:海の見える理髪店 荻原浩
カバー裏より
『店主の腕に惚れて、有名俳優や政財界の大物が通いつめたという伝説の理髪店。僕はある想いを胸に、予約を入れて海辺の店を訪れるが……「海の見える理髪店」。独自の美意識を押し付ける画家の母から逃れて十六年。弟から促され実家に戻った私が見た母は……「いつか来た道」。人生に訪れる喪失と向き合い、希望を見出す人々を描く全6編。父と息子、母と娘など、儚く愛おしい家族小説集。直木賞受賞作。』
目次
・海の見える理髪店
・いつか来た道
・遠くから来た手紙
・空は今日もスカイ
・時のない時計
・成人式
短編集なのは知っていましたが、ちょっと勘違いしていました。
海の見える理髪店を訪れる客が、そこでなにがしかの癒しを得る連作短篇だと思っていたのです。
全く独立した6編の短編集でした。
そこに家族があるのに、思い出に生きているような登場人物たち。
過去に囚われている。
言いたいけれど言えなかった言葉は、優しさゆえか、臆病さのためか。
それでも前に進むんだろうなあと思わせる終わり方の作品が5つ。
特に『成人式』。
15歳の娘を交通事故で喪った夫婦の、ただゆっくりと流れていくだけの5年間を想像して、辛くなる。
そもそも子どもが親より先に死ぬ話は嫌いだ。
「むーん」と眉間にしわを寄せて読んでいたと思うのだが、読後一番気に入った作品となった。
本当に娘を愛していたと同じくらい、本当に夫を、妻を大切にしている夫婦なんだよなあ。
「忘れよう」「前を向こう」と思いながらもそんなことできるわけもなく。
だけど、パックをしている妻にお願い事をされて「なんだい、スケキヨ」っていう夫なんだよ。
絶対いい人。
突拍子もないことを考えてはいざとなるとビビる夫と、冷静に突っ込みながら実行しちゃう妻。
いいじゃないですか。
一番荻原浩っぽい作品かも。
さて、一つだけ毛色の違う作品が。
『空は今日もスカイ』
子どもが主役というだけではなく、母とともに親戚の家にお世話になっている茜と、親に虐待されている陽平。
家出をしようとしていたわけではなくて、居場所を探していただけ。
だけど子どもの言葉は大人には伝わらなくて、彼らを保護したホームレスの男は警察に連れていかれる。
救いがない。
ただ、ホームレスの男が教えてくれたフクシの連絡先。
ここに電話したらなにか変わるだろうか。
