大切にしてた、または、気に入っていた食器を、割と10さんに割られます。
悪意はないんですよ。多分。
でも、足の上に落としたら間違いなく足の甲を骨折しそうなくらい武骨な大鉢も、パイレックスのグラタン皿も、洗っていたら手が滑って落として割れたそうです。
床にたたきつけても割れそうもないのに、なぜ10さんが洗うと割れるのか?
だから本当は欲しい薄張りのビール用タンブラーも、怖ろしくて買えません。
とりあえずお気に入りのコーヒーカップはまだ元気です。
あとは、最近買ったばかりのカレー皿が割られないことを祈るばかりです。
本日の読書:戦場の秘密図書館 シリアに残された希望 マイク・トムソン
Amazonより
『シリア内戦下の町ダラヤ。政府軍による完全封鎖。日常的な空爆、食料・物資の絶対的不足…そんな絶望的な状況の中、明日への希望をつないだのが、図書館、本だった。戦場となった町の地下につくられた秘密図書館を守りぬいた若者たちの感動のノンフィクション。』
2011年から現在に続くシリアの内戦。
過去最大級の難民が生まれ、国土は焼かれ、おおぜいの人の命が喪われた。
その始まりは、10代の子どもたちの壁の落書きだったことに驚く。
そのようなことすら許さない独裁政権の恐ろしさ。
首都ダマスクスに近い地方都市ダラヤでも、反政府デモが行われた。
非暴力のデモ行進に対して政府がしたのは、住民の虐殺。
シリア軍が街を包囲し、食料や衣料品などすら街に入れることはできない。
包囲される前に脱出した人も多いけど、大学生などの若者は自ら町に残った。
自分達の町を守るために。
そんな中、瓦礫に埋もれた建物の地下室で、彼らは秘密図書館を開く。
一日に一食、薄いスープしか食べることのできない日々で、「栄養が必要なのは、体だけではない。頭や心にだって栄養が必要なんだ」
シリアの多くの都市もダラヤのように政府に包囲されたけれど、ダラヤは唯一反政府の武装勢力を受け入れることなく、評議会という民主的選挙で選ばれた人たちが町を運営していた。
大学生だった若者たちは自分たちでできることを考え、図書館を開くことにしたのだ。
本を集め、整理し、貸し出すだけが図書館の仕事ではない。
各種講座を開き、学校がなければみんなの知識を持ち寄って、みんなで知識を共有する場。
それもまた図書館の仕事。
苦しいなかでの図書館の運営は、彼らの喜びであり、希望であった。
しかし、図書館開館から三年後、ダラヤはついに陥落し、人々はほかの地域へと散り散りになり、図書館はシリア軍に蹂躙される。
一年後。
移住先のイドリブ件で、秘密図書館の設立メンバーたちが移動図書館をはじめた。
設立メンバーの一人の言葉。
「もっとも記憶に残っているのは、第二次世界大戦中に原爆投下によって大きな被害を受けた日本の広島という街がいかに復興したか、という内容の講座です」
”いくらアサド政権を倒しても、同じような無慈悲で残忍な暴君が政権を握ったのでは、歴史をくりかえすだけで意味がない。本当の平和を手に入れるためには、まず国を新たに立てなおすことこそが大切で、そのためには書物から学ばなければいけない、と。”
今も自国の兵に銃を向けられるのではないかと怯えながら暮らしたり、難民として国を脱出しながら自国に帰れる日が来るのを持っている人たちがたくさんいる。
そういう人たちが、安心して本を読めるような世界が早く来ますように。
