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珍しく今日寄り道しました。

久しぶりに定時に帰る事が出来たので、本屋大賞の発表もあったことだし…と本屋さんへ。

大賞は予想通りだったけど、米澤穂信はもうちょっと上かなと思っていたので、ちょっと意外。

 

本屋さんで知人に偶然会いました。

数年ぶりに会ったというのにお互いマスクをしていたものだから、どちらも二度見してからの「お久しぶり!」笑

 

札幌に戻ってきてからずっとコロナ自粛をしているので、本当にいろんな人と会えてない。

たまの寄り道もいいもんだなあ。

 

 

 

本日の読書:刑事ぶたぶた 矢崎存美

 

カバー裏より

『春日署に配属された新人刑事の立川くん。彼の教育係になった上司の山崎ぶたぶたさんは、なんと、ピンク色をしたぶたのぬいぐるみだった。立川くんが、びっくりしている間もなく、管内で起きる数々の事件――銀行強盗によるたてこもり、宝石の窃盗、赤ん坊の誘拐――に、ぶたぶたさんは、可愛らしい容姿で走り、潜入し、立ち向かう!大人気ハート・ウォーミング・ノベル、待望の刊行!!』

 

いやいや面白かった。

ぬいぐるみの山崎ぶたぶたには出来ることと出来ないことが厳然とある。

 

何故か動いて喋って飲み食いすることはできる。

酔っ払うし居眠りもする。

だけどバレーボールサイズの体なので、高いところを見るときは抱き上げてもらった方がいいし、走らなければならない時も抱きかかえてもらった方が当然早い。

 

「生きている本物のぬいぐるみ」という制約の中で、当たり前に生活しているからこそ、このぶたぶたシリーズは面白いのだ。

これが「生きている本物のぬいぐるみ」をネタとして笑わそうなんて小細工をしたら、ドン引きだ。

何か変だと思いながらも立川くんが素直にぶたぶたさんと接しているからこそ、見た目以外はしっかりと大人の男性であるぶたぶたの言葉や行動が沁みる。

 

結構な大事件に関わってしまうぶたぶたの前にあらわれた小学生・桃子。

赤ん坊の誘拐犯は自分の親ではないかと警察に訴えるが、その真意には胸が痛くなってしまう。

いつも忙しくて疲れている親にきちんと話を聞いてもらったことのない桃子。

自分のことは自分でできるから大丈夫って、全然大丈夫じゃないじゃん。

母親はまだしも、悪いことをした桃子を叱りもしない父親には心底腹が立った。

 

あと赤ん坊誘拐犯の抱える過去の痛み。

いや、痛みに目を向けずに10年来たから、未だに引きずっている。

今も生活が幸せなのはわかっているのに、過去を捨てることも乗り越えることもできない。

本当に欲しかったのは赤ん坊ではないと気づけて良かった。