子どもの頃、本を読みながら歩くことがよくありました。

今でこそ歩きスマホの台頭による事故の多発により、眉を顰められる行為ですが、当時は「あら、えらいわねえ」と褒められるくらいだったものです。

目は文字を追っているのですが、ちゃんと周囲の状況に神経をとがらせていたので、電柱にぶつかったりどぶに落ちたり、なんてことは全然ありませんでした。

歩道と車道の段差でコケることももちろんありません。

何なら今の方が段差でコケます。

 

本を読みながら入浴というのは、逆に大人になってからの習慣。

子どもたちが親とお風呂に入らなくなった頃、ゆっくりできる自分の時間ということで、入浴時間を読書に充てました。

子どもたちには内緒にしていたつもりでしたが、しっかりバレバレで、うちの子たちはお風呂で私のマンガを読んでいます。

自分のマンガではそのようなことをしない、というのが腹立たしい。

 

なんでこんなことを書いているかと言うと、長年謎だった「本を読みながらご飯を食べることはできるけど、本を読みながらおやつを食べたりコーヒーを飲んだりは出来ないのはなぜか」問題に、すっきりとした答えが出たからです。

いや、すっきりしたのは私だけなんですけども。

 

本を読みながらご飯を食べるのは、お行儀が悪いというハードルを越えると実は簡単なんです。

食べ物を口に入れる。もぐもぐもぐ。

口の中が空になったら、食べ物を口に入れる。もぐもぐもぐ。

これの繰り返し。

 

しかし、おやつは違う。

そんなことをしたら、あっという間に無意識のうちにおやつがなくなってしまう。

それは何とももったいない。

コーヒーだって、ごっくんと飲み干して間髪を入れず次のひとくちを飲んでいたら、秒でコーヒータイムが終わってしまう。

 

だから本を読みながら、つまり文字を目で追い、物語世界に身を浸したり、難しい内容を頭に叩き込んだりしながら、次のひとくちのタイミングもめっちゃ考えなければならない。

2ページごとに一口食べるか、いや2ページだとがつがつしてるように見えるかもしれないから(誰に見られてるの?)、5ページごと?とか、ページごとではなく3分ごとに一口にしようか、とか、めっちゃ考えるわけです。

めんどくさっ。

 

結局そんなこと考えながら読んでいる本には集中できないし、おやつも楽しみなんだか苦行なんだかわからなくなるし、で、やめました。

本を読みながらご飯は食べられるけれど、それ以外の飲食は無理。

 

ということを、今日本を読んでいて突然思い当たったので、「そういうことかっ!」とつい大声でひとりごとを叫んでしまい、10さんを驚かせてしまいました。

本を読みながらお酒を飲まないのも同じ理由。

ああ、すっきりした。