最終回まで読み切った漫画ある?
▼本日限定!ブログスタンプ
Amazonより
『“bitch”は侮蔑語か?“its”と“it’s”を間違える人は無教養?“OMG”は英語の退化?“nude”は「白人の肌の色」?“marriage”できるのは異性だけ?一語一語と向き合い、格闘する、知られざる辞書編纂の世界とその秘密。アメリカで最も歴史ある辞書出版社、メリアム・ウェブスターの編集者による言葉の謎をとく14章。』
辞書が好きなので、憧れをもってワクワクと読み始めました。
高校生の時、辞書の編集者になりたかったんだよね。なんとなく。
だから辞書の編纂業務について
”愚直な忍耐力で重荷を背負い、くじけそうになりながらアルファベットの道を踏みならす、よろこびの少ない、果てしなく続く不毛な労働”
ととらえる人がいるなんて!と驚きました。
三浦しをんの小説『舟を編む』でも、主人公たちは大変だけどやりがいがあり、楽しそうに辞書の編纂をしていたではありませんか。
しかし、事実は小説よりよほどハードだし、お国柄なんでしょうか、自分の意見と違うものが記載されると抗議のメールが信じられないくらい大量にくるようです。
それはなかなかしんどいなあ。
例えば、汚い言葉が掲載され、もちろん語釈が書いてあると、「子どもがこれを読んで汚い言葉を覚えたらどうするのか!」と手紙が来る。
辞書にはその言葉の使い方が書かれているだけなんです、と説明したところで納得を得るのは難しい。
けれど著者は心の中で思うわけです。
「だいたい、いたいけな子どもが不謹慎な知識を入手するのに辞書を介するわけがない」
確かにね。
英和辞典って発音記号と、品詞と、語釈と例文が載っているけれど、英語話者が使うような英語の辞書は、その言葉の成り立ちから調べ、いつその言葉が使われ始めたのか、ということまで書いてあるらしい。
日本語の場合、国語辞典は現在の言葉だけ、古語辞典が過去の言葉だけと住み分けているけれど、生きた言葉の流れを知るには古語辞典の要素も含んだ大国語辞典がやっぱり必要なんだと思う。
江戸時代までは古文の言葉はある程度知られていたはず。
意味は分からずとも何度も素読をして、言葉のリズムも身体に染みていたはず。明治期の言文一致運動が、私たちに小説を読みや
すくしてくれたけれども、古典からは遠ざけてしまった。
英語でもシェイクスピア時代の英語と今の英語は全然違っていたと、英古文法の本に書いてありましたな。
結婚。Marriage
これの語釈に「同性の相手と、従来の結婚のような関係で結ばれた状態」と加えたときの、大騒動の顚末が最後に書かれていて、それでは日本の辞書ではどう書いているのだろうとネットの広辞苑で調べてみたら”男女が夫婦になること”が第一義になっていた。
ちなみに似た言葉として婚姻を調べてみると、”結婚すること」とした上で、「夫婦間の継続的な性的結合を基礎とした社会的経済的結合で、その間に生まれた子が摘出子として認められる関係”となっている。
男女とは言っていないけれど、夫婦っていうのがすでに異性婚前提だよね。
じつは語釈は社会の変化を敏感に反映しているらしい。
もっと真剣に辞書を読もう。
