長ネギと言えば、会津を旅行した際に大内宿で食べたねぎそばが思い出されます。
ツユは辛味大根のしぼり汁。
これだけでも辛いのに、箸の代わりに太い長ネギ一本でお蕎麦を手繰って食べます。
もちろんお蕎麦と一緒にネギも食べる。
生だから、これまた辛い。
でも美味しかったなあ。
ねぎそばの何たるかも知らずに「ねぎそばが有名なんだって」とお店に入り、運ばれてきたお蕎麦を見てびっくり。
慌ててネットで検索したら、このネギで食べる、と。
いや、食べにくいって。
でも、ここでしか食べられない料理。
大内宿の景観とともに、会津の忘れられない思い出です。
本日の読書:鎌倉燃ゆ 歴史小説傑作選 細谷正充編
カバー裏より
『鎌倉幕府草創期から、二代将軍源頼家の時代に始まった宿老ら十三人による合議制を経て、三代将軍実朝の暗殺まで――。流されるように生きてきた北条義時が人生を賭けた大勝負に出る「水草の言い条」(谷津矢車)、”讒訴の奸物“となった梶原景時の生き様を描く「讒訴の忠」(吉川永青)、権謀術数渦巻く幕府において、畠山重忠が坂東武者の誇りを見せる「重忠なり」(矢野隆)など、実力派作家七人によるアンソロジー。』
目次
・水草の言い条 谷津矢車
・蝸牛(かたつぶり) 秋山香乃
・曾我(そが)兄弟 滝口康彦
・讒訴(ざんそ)の忠 吉川永青
・非命に斃(たお)る 髙橋直樹
・重忠なり 矢野隆
・八幡宮(はちまんぐう)雪の石階(いしばし) 安部龍太郎
昨年の大河が終わった頃から、鎌倉時代をテーマにしたテレビ番組がやたらとやっていたらしくて、予習に余念のない10さん。
それはいいんだけど、「鎌倉時代、得意?」って聞くから「全然」と答えると、実に嬉しそうに鎌倉クイズを出してくる。
やれやれ。
私の鎌倉時代は『草燃える』と『北条時宗』、及び『草燃える』に感動して読み漁った永井路子の作品群くらいしかないのよ。
あと北条政子の伝記とね。
でも、高橋克彦の『時宗』で、結構鎌倉幕府の成り立ちはじっくり書いてあったので、学校で習った執権政治のイメージでは全然なく、全く一枚岩じゃない御家人たちの合議制という、後の小田原評定を思わせるようなシステムだったことは知っていた。
あのドロドロした利権の奪い合い&足の引っ張り合いは、幕府成立の頃からのものだったとこの本でよ~くわかり申した。
三方を山に囲まれた鎌倉の地形は守るのに堅く…ってよく言うけれど、頼朝最初から鎌倉ひきこもりしか考えてなかったんじゃ?
京に対しては、「荒ぶる武士たちを抑えられるのは自分だけだ」と言い、御家人たちに対しては「朝廷を動かして領地を安堵できるのは自分だけだ」という。
実に危ういバランスの上で成立していたのが鎌倉幕府。
万が一朝敵として討伐の対象になったらヤバいので、絶対鎌倉から出ていかない。
反対に、朝廷(後醍醐天皇)が何をやらかすかわからないので京都に居座ったのが室町幕府。
鎌倉時代は、ちょっと隙を見せるとすぐに謀反人扱いされ、寄ってたかったボコられる。
室町時代は、親兄弟親戚一同が敵味方に分かれて延々戦い続ける。
どちらも戦に勝たないと領地が増えないから争う。
子どもの数だけ土地を分割して残さなければならないから、年代を経るほどに土地は減る。
そう言った意味で、長男総取り制を敷いた家康のおかげで江戸時代は平和でいられたのだろうな。
そうそう、ちょっと隙を見せるとよってたかってボコられるって、今の時代みたいだなと思った。
それで三谷幸喜はあえてこの時代を舞台にしたのかなと深読みしてみたり。
閑話休題。
7つの作品中、既読は最後の『八幡宮雪の石階』のみ。
実朝の哀しみと諦念が切ない。
頼朝と義経の関係でいえば、義経は戦バカであり、政治や行政なんてものにはまったく理解がなかったんだろうと思う。
梶原景時に何度説明されても、わからんものはわからんかったのだろう。
だからこそ、頼朝が「今はわからないかもしれないが、わしの顔を立てて、わしの言うとおりにしてはくれないか」と頭を下げたら、義経いうことを聞いたんじゃないかな。
徳川家康ならしれっとそんなこと言えたんじゃないかと思うけど、頼朝は器が小さくて言えなかったのが全ての元凶だと思う。
忠臣中の忠臣・畠山重忠と、讒訴の奸物・梶原景時だけが人として尊敬でき、あとはみんな浅ましすぎる。
個人的には大姫の話が好きなので、大泉頼朝が大姫にどんな態度を見せるのか興味がある。
大河見てないけど。
鎌倉幕府の感想であって、本の感想ではないね。
曽我兄弟の仇討も、この本を読んで流れがわかりました。
今までは「やじきた学園道中記」でさらっと出てきたことしか知らなかったので。
今年一年鎌倉クイズは続くのだろうか。
やめてほしいな。