10さんったら事前にあんなに副反応を心配していたくせに、2日目もケロケロリンと過ごせたようです。
昨夜様子を見に行ったときには、気持ちよさそうに熟睡していましたし、ちょっと肩が重いと言っていましたが、普通の生活を送れていました。
「心配なのは2回目の方だよなあ」
心配してもどうしようもないことは、腹をくくってしまえばいいのに。
と、病気慣れ、注射慣れしている私なんぞは思ってしまいますが。
さて、健康なときは食欲大魔神になる10さん。
今日のお昼は、以前から気になっていたという『弟子屈ラーメンRAMAT』へ。
RAMAT(ラマッ)というのは、アイヌ語で「魂」とか「いのち」という意味なのだそうです。
食べたのは「鹿肉の汁麺(ユク オハウ)」。
安静に過ごした10さんにつきあい、私も安静に(ぐうたらに)過ごしました。
なのに明日も休みだなんて嬉しすぎる。
安静万歳!
本日の読書:慈雨の音 流転の海 第六部 宮本輝
カバー裏より
『昭和34年、中学生になったものの、あいかわらず病弱な伸仁の身を案じていた松坂熊吾だが、駐車場の管理人を続けながら、勝負の機会を窺っていた。ヨネの散骨、香根の死、雛鳩の伝染病、北への帰還事業、そして海老原の死。幾つもの別離が一家に押し寄せる。翌夏、伸仁は変声期に入り、熊吾は中古車販売店の開業をついに果たすが――。「生」への厳粛な祈りに満ちた感動の第六部。』
この巻では松坂家の周囲で何人もの人が亡くなった。
また、蘭月ビルで伸仁と仲良くしていた敏夫と光子の兄妹が、母の再婚相手と一緒に北朝鮮へ行くことになった。
幾つもの別れがあったせいか、全体的に『静』な印象が強い。
熊吾自身は管理人生活は期間限定ということもあって、早く中古車販売の仕事にめどをつけたいのだが、住込みで駐車場の管理人をやっている以上、時間のやりくりが難しい。
いつも分不相応な規模の事業計画を立てる熊吾に対し、身の丈に合った事業からスタートすればいいと思う房江。
今回は房江の言うことを聞いて、小さな中古車販売店からスタートしたのだが、それでも2足のわらじは大変だ。
加えて、どうも熊吾の健康状態が、この先良くなる気がしない。
伸仁が乳幼児の頃から糖尿病だったのに、一日三度も酒を飲み、旨いものを食べ、運動しない。
伸仁が成人するまで、なんとしてでも生きるのではなかったのか?
逆に伸仁は、高価なビタミン注射のおかげですっかり健康体となり、反抗期に突入。
松坂家は、静かに崩壊…家族がバラバラな方向に向かっていきそうで、次の巻がちょっと怖い。
さて、北への帰還事業というのが、当時の一大イベントだったようで、北朝鮮派と韓国派の対立が血なまぐさいものだったらしい。
この辺の経緯は詳しくないけれども、結果についてはわかっているので、日本で暮らしたくて家出までしたのに、母の再婚相手に連れられて無理やり北朝鮮に渡ることにされた敏夫と光子の運命が悲しい。
大人になった時、伸仁は彼らのことをどう思うのだろうか。


