7月も読めなかったなあ。
結局一日もテレワークせず出勤して、昼休みの1時間という読書時間が確保されてにもかかわらず。
敗因は2つ。
仕事がハードで忙しすぎて、昼休みに本を読みながら寝る→家に帰っても本も読めないまま寝るという日々で、なかなか読書時間が取れなかったこと。
司馬遼太郎の『峠』にノレなくて、読み進める気力がわかなかったこと。
おかげさまで月の後半は体が慣れてきたのか、昼休みも本を読めるようになりましたし、何とか『峠』も読み終わり、ペースをつかめたように思います。
★5つは2冊。
加納朋子『カーテンコール!』は、今後何度も読み返したい本。
家族が原因で社会性を持てず、大学を卒業するための特別補講を受ける子たちが主人公の連作短編集。
親の過剰な期待や間違った愛情過多、家族というしがらみなど、どれも痛々しい話ばかりだけど、彼女たちにすべてをなげうって向かい合う理事長のおっとりと構えた包容力と、不器用な可笑しみが、読後感をすばらしいものにしている。
ずっと手元に置いておくことにした。
『書店主フィクリーのものがたり』は、本好きの琴線をこれでもかと刺激する一冊。
出だしのフィクリーの感じの悪さが、読み進めるほどに不器用で愛情豊かな過去とその後を読むことによって、フィクリーの哀しみの深さなのだとわかる。
何気ない行動が実は伏線だったというのがいくつかあり、出来過ぎなくらい良い話が、実は緻密に考えられた作品であるのだ。
最後は蛇足かなあとも思うけど、「本屋のない町は、町じゃない」のだから、まあ良しとしよう。
7月の読書メーター
読んだ本の数:29
読んだページ数:7788
ナイス数:769
峠(上) (新潮文庫)の感想
主人公の河井継之助。私、この人嫌いです。まず、この人は他人を尊重することがない。他人の才を見切っては、多くは見下して切り捨てる。傲岸不遜とはこのことか。『功名が辻』の千代みたいに、現在を知っているからこその後付けの知識で物申しているんじゃないの?なんて思って調べてみたら、この小説の中で書かれている彼の行動はほとんど史実のようです。彼が何をどう思ったかまではわからないけれど、すごい人であるのだけは事実。でもね、事を起こそうとするときに、人がついてこないんじゃないの?って思う。★★★★☆
読了日:07月03日 著者:司馬 遼太郎
花よりも花の如く 18 (花とゆめCOMICS)の感想
子ども能が無事終わり、いよいよ自分の能に向かうのかと思いきや、今度はクラス会からの失われたタイムカプセルの謎に。もちろん憲人の生活の中心は能であることは変わらないけれど。ひきこもりの同窓生の家を訪ねて、こころを拓こうとする憲人。憲人らしいなあと思いつつも、このテーマは別の作品でやってもよかったかな。憲人と葉月、互いの行動を報告し合わないとだめなの?そういうの、私委は鬱陶しいなあ。
読了日:07月04日 著者:成田美名子
花よりも花の如く 19 (花とゆめCOMICS)の感想
タイムカプセルの謎、無事解決。人に見せたくない自分の心の闇って、もしかして人にわかってもらいたい部分なのかもしれない。さて、安達ケ原まであと半月というタイミングで、解釈が違っていたことが判明。大丈夫か?ということと、葉月と望や麻生の中に入って行けない自分を感じる憲人。両方は望めない時はあるものだよ。今集中すべきは、葉月との仲ではなく、能では?葉月はそんな憲人の立場を知っているから、敢えて雑音を憲人に聞かせないようにしているだけだと思うけど。
読了日:07月04日 著者:成田 美名子
7SEEDS (3) (フラワーコミックスアルファ)の感想
春チーム、やっぱり柳はそういうことになりましたか。一つ疑問は、脳神経の、言語中枢部まで操れるようになるものなのでしょうか?体の動きでさえちょっと疑問なのに、動かせる、話せるっていうのは相当な能力では。最期に関東近辺にいることを明かしてくれたのは、よし。夏Bは九州。救援物資の保管所である由布岳を拠点とし、ナツと嵐は関東を目指す。花たちは海に沈んだ横浜を見つけ、知人たちを探しにそれぞれの地元を探すが…。お嬢さま育ちのはずのちさの現実対応能力というか、技術に感心。もしかしてこんな時のために訓練されていた?
読了日:07月04日 著者:田村 由美
7SEEDS (4) (フラワーコミックスアルファ)の感想
春チーム、富士山を目指すが噴火してその姿はもうない。ようやく見つけたシェルターには、夏Bチームからのメッセージが。そして、冬チーム。解凍の失敗で最初から人数が少ないうえに、猛獣に襲われ次々に人が亡くなる。ひとこと言わせてもらえば、雌阿寒岳にシェルター置くのが間違い。北海道なら羊蹄山(蝦夷富士)の方が分かりやすいし、今現在の感覚で言えば生きやすい。近隣は農村地帯で土地も越えているし。なぜわざわざ活発な火山であり、自然の厳しい雌阿寒岳をシェルターにしたのか。エピソードとしては冬チームが一番ドラマチックだ。
読了日:07月04日 著者:田村 由美
峠(中) (新潮文庫)の感想
上巻ではいけ好かない頭でっかち野郎だった河井継之助だけど、中巻になるとちょっと趣が変わる。とりあえず本心を押し殺したまま、藩政改革に乗り出す継之助。船頭が多すぎると船が山に登ってしまうけど、ひとりでできることなんていくら有能な人物にだって限りはある。身をすり減らしながら藩内外を奔走する継之助の言った言葉。”理に合わぬ禁令が出ると、ずるいやつが得をする。政治が社会を毒するのはそういう場合だ。”これは最近のワクチン問題とか、自粛問題とか、思い当たることがいろいろあるなあ。★★★★☆
読了日:07月07日 著者:司馬 遼太郎
峠(下) (新潮文庫)の感想
『功名が辻』を読んでから、どうも司馬遼太郎の作品にノレなくなってしまったのかもしれない。主人公の時代を俯瞰する目の確かさに、確か過ぎる目に、ちょっと食傷気味というか…。河井継之助は、幕府の構造や武士という存在は過去の遺物となるであろうことを見越し、経済で長岡藩を存在させようとした。その一方で、藩主には義に殉じる人であってほしいと願う。最後まで佐幕の他藩と手を繋ごうとはしなかったが、薩長に与することだけは頑として拒否した。この矛盾。戦術家ではあったが戦略家ではなかった理想主義者の空想に殉じた長岡藩の悲劇。★★★★☆
読了日:07月10日 著者:司馬 遼太郎
花よりも花の如く 20 (花とゆめCOMICS)の感想
能の練習音がうるさい。根も葉もないご近所からの苦情の手紙には、人の心の闇が垣間見える。『安達ケ原』の鬼女はもともと人間だったのか、それとも最初から鬼なのか。能の家に生まれ育ったわけではない憲人は、スムーズに納得できない自分にコンプレックスがある。そこから能仲間に対する「負」の感情があること、自分の心にも鬼がいることを憲人は気づく。特異であることを長所に転じて、これからも憲人は能に向き合っていくのだろう。
読了日:07月11日 著者:成田 美名子
7SEEDS (5) (フラワーコミックスアルファ)の感想
拠点を九州に置く夏B チームと別れて、東京に花を探しに出た嵐と、彼について行くナツ。そして何故かついてきた蝉丸。神戸で3年前にこの世界に放り出された秋チームが村を作っているところにたどりつく。しかしそこは蘭、秋ヲが恐怖で支配する村だった。そこを逃げ出しフォッサマグナで分断された東日本を目指す3人。蝉丸の故郷はもはやなく、東京も水没していた。花の不在に打ちひしがれて自暴自棄になった嵐を救ったのは、15年間ひとりで生きてきた冬チームの生き残り、新巻だった。だが3人はもう、他人を信じることができない。
読了日:07月11日 著者:田村 由美
7SEEDS (6) (フラワーコミックスアルファ)の感想
春チームと遂に出会う新巻。ようやく他人とで会えた新巻の安堵もさることながら、春チームも長年この地に住んでいた新巻から多くの知識を得る。そんな時、花が奇病にかかる。体が徐々に青紫の湿疹に覆われ、死に至る病。仲間にうつさないように、そして見苦しい姿を見せないように姿を消す花。あとを追う新巻とハル。東北に向かった嵐たちはシェルターを見つけ、そこには船が!花と会う希望を失い、無気力になる嵐を、何とか励まそうとするナツ。そして花を助けるために動くハル。少しずつ成長している姿に希望を感じてきている。
読了日:07月11日 著者:田村 由美
吾輩も猫である (新潮文庫)の感想
猫をテーマにした8人の作家の8つの作品が収録されている。殊に好きなのは原田マハの「飛梅」。最初は、なんじゃこの語り口は!って思ったけれども、癖になる。メールのこと、電子木簡だって。笑。そして母への思慕、生きる意志、静かな愛情、飛梅太。ああ、最高。赤川次郎の作品は、あり得ない状況なんだけど正統派のミステリになっているところがさすが。石田衣良と恩田陸は猫から世界を飛ばして、非日常の猫たちを。荻原浩の作品は…彼が描いたものなんですか?めっちゃ猫。そして可愛い。★★★★☆
読了日:07月11日 著者:赤川 次郎,新井 素子,石田 衣良,荻原 浩,恩田 陸,原田 マハ,村山 由佳,山内 マリコ
天災から日本史を読みなおす - 先人に学ぶ防災 (中公新書)の感想
磯田先生、侮っていました。ちょっと目新しい視点で歴史をちょいちょいとつまむ、タレント学者だとばっかり思っていたら、結構本格的に「災害史」「防災史」を研究していらっしゃいます。”これから備えるべき自然の危機は三つある。第一に、地震津波などの地学的危機。第二に、地球温暖化に伴って台風や集中豪雨が激化することによる風水害・高潮・土砂崩れなどの気象学的危機。そして、第三に、世界の人的交流の進展やテロの可能性が高まり、抗生物質耐性菌・インフルエンザ・出血熱などの感染症学的危機も高まってきている。”まさにその通り。★★★★☆
読了日:07月14日 著者:磯田 道史
カーテンコール! (新潮文庫)の感想
閉校が決まっているというのに、卒業できるだけの単位を取得できなかった学生たちに、半年間の特別補講合宿が行わることになった。最初は、それぞれの登場人物に寄り添ったような気になって読んでいたのです。ちょっと上から。でも、彼女たちの抱える問題は、家庭の在りように原因があるものが多くて、だんだん読むのが苦しくなってきました。なぜって、彼女たちの苦しさがすごく身近に感じられたから。最終章の、理事長の昔語り部分を読みながら、私はもう読者ではなかったと思います。理事長の話を聞きながら、泣いてる少女でした。★★★★★
読了日:07月15日 著者:加納 朋子
7SEEDS (7) (フラワーコミックスアルファ)の感想
夏Aチームの子ども時代。普通に暮らしていて、突然人類滅亡後の世界で目覚めたほかのチームと違い、夏Aチームは、人類滅亡後の地球に残るメンバー選抜のために、優秀な遺伝子を掛けあわせてつくられた、優秀な子ども達。未来で生き残るために、日々辛い訓練や勉強に明け暮れる毎日。ここでは生き延びることがすべてで、優しさや生真面目さは短所にすらなり得る。17歳になった時、最終選考が行われるが、その非情なこと。幼い頃から育ててきた子どもたちの命を、こうも簡単に切り捨てられるものか。地獄は既にここにあった。
読了日:07月18日 著者:田村 由美
7SEEDS (8) (フラワーコミックスアルファ)の感想
知力・体力・時の運は大事だ。けれど、ひとりでは無理なことも力を合わせるとできることがある。どうしてそれを先生たちは教えなかったのか。高校生クイズを知らんかったのか。頭がよくて、他人を必要と思ったことのない人が、自分の頭の中で作ったミッションなのではないか、これは。17歳という多感な時に、友人の命が大人たちに奪われるのを見、精神をゆがめられていくというのは、ろくな未来に繋がらないのではないか。繭のような子が本当は一番必要だったはずなのに。
読了日:07月18日 著者:田村 由美
パーマネント神喜劇 (新潮文庫)の感想
万城目学の小説ってARみたいだよなあ。普通の日常の中にポンと異物が登場する。小さな神社に行ってみたら、そこに出たのはポケモンではなく神だった、という。日本の神様って、元々はすごく人間臭い。だからここに出て来る神様の、まあ器のちっちゃいことも、逆に「まさしく日本の神」なのかもしれない。出世のために、取材中のフリーライター(神)に、いいところは大げさに、まずいところはカットしてもらうように、いちいち注文を付ける神様のセコさよ、ブラボー。忙しい毎日で凝り固まったものが、ほぐれていくような心地よさでございました。★★★★☆
読了日:07月18日 著者:万城目 学
ローマ人の物語 (30) 終わりの始まり(中) (新潮文庫)の感想
親ができる人だからって、子どもができるとは限らない。だから世襲というのは恐ろしい。実の姉に暗殺されそうになった後からコモドゥスは変わる。皇帝としての義務を果たすことなく、己の興味のあることにしか目を向けなくなってしまった。いつ殺されるのかわからないなら、好きなことだけをして過ごしたい、と思うのは、まあわかる。だけど、皇帝の責任を果たすことができないのなら、誰かに譲ることは…できないのか。暗殺されたとき、コモドゥスは言われたのかな。「生まれの不幸を呪うがいい」★★★★☆
読了日:07月19日 著者:塩野 七生
とりぱん(18) (ワイドKC)の感想
2ヶ月ぶりに図書館が開いたので、久しぶりの「とりぱん」を堪能。大好きなつぐみんもポンちゃんもヒヨちゃんも健在で嬉しい。けど、今回一番すごかったのは、気象庁より24時間早いキツネ予報。野生動物の本能って、ほんとすごい。
読了日:07月19日 著者:とりの なん子
流転の海 第4部 天の夜曲 (新潮文庫)の感想
大阪での仕事に行き詰まり、心機一転富山で出直そうとする熊吾。しかし、実際に富山に行ってみると、共同経営者の優柔不断さが気に入らず、妻子を残したまま一人大阪に戻ってしまう。確かに事業を興すにはある程度の思い切りの良さが必要なのだろうが、ここにきて熊吾は運から見放されたかのように、やることなすことが上手くいかない。人と金とのタイミングがことごとくずれている。占い師の態度といい、なんだかこのまま坂を転げ落ちていくような不安に襲われてしまう。どうか家族三人がまた一緒に暮らせるようになりますように。★★★★☆
読了日:07月23日 著者:宮本 輝
山本容子プラハ旅日記の感想
版画家の山本容子がプラハを旅した時に持って行ったスケッチブックを本にしたもの。日記代わりのスケッチブックは、絵を描くだけではなく紙製のコースターやランチョンマットが貼ってあったりもして、その質感があまりにリアルで思わず本のページをひっかいてしまいました。ただ、地色の赤が強すぎて、読み取れない文字があったりもして、注釈を参考に読解したり、絵も、細部がよく見えなかったりで、多少もったいない気もしました。★★★★☆
読了日:07月24日 著者:山本 容子
7SEEDS (9) (フラワーコミックスアルファ)の感想
夏Aチームの7人決定。しかし彼らの表情はどれもうつろで…。各クラスの生き残り1名を選ぶということで、命を賭けたサバイバルが繰り広げられるのだが、徹底的に個人戦を強いるルールは、最強のチームを作るに適していないということに、生き残った彼らの表情を見るまで気がつかなかったんだとしたら、国家プロジェクトのはずのこの計画は余りにお粗末だ。人類のために遺伝子を掛けあわせてつくった命だから、基準を満たさない命は握りつぶして当たり前と思っていたのか。要と貴士は多分、この時過ちに気づいたのだろう。
読了日:07月25日 著者:田村 由美
7SEEDS (10) (フラワーコミックスアルファ)の感想
嵐に会うため九州に向かった花たちは、火山噴火のため春チームが神戸に向かったことを知り、あとを追う。しかし神戸もまた地殻変動のため村を捨てており、二つに分裂した秋チームは狩る者狩られる者となっていた。残り少ない資源。新たに向かった先には、隕石群がふった時に生きていた人たちのためのシェルターがあった。廃墟となって。残された日記を読み、そこで何があったのかを知る花たち。そうか。花は生まれたときから、嵐は花と付き合った時から未来に送られることが決まってたんだ。ってことは、他のメンバーにも何らかのコネが?
読了日:07月25日 著者:田村 由美
ミステリと言う勿れ (8) (フラワーコミックスアルファ)の感想
美術館で事件に巻き込まれる整とライカ。病院を抜け出してきているので、早く戻らなければならないのに。事件の謎は解け、ライカの謎も整の幼少期の一部も明らかになる。人の痛みを請け負うライカ。彼女自身は痛みも苦しみも感じない。そういうことか。痴漢冤罪に関する事件。掌編ではあるけれど、この先何かの伏線になるのかな。整は最初から彼女が犯人だとわかってたよね。最後は双子入れ代わり事件。まだ導入部だからわからないが、我路が絡んでいるので本筋の事件かな。別なマンガで人物入れ代わりの話を読んだので、ある程度予想してみる。
読了日:07月25日 著者:田村 由美
冷めない紅茶の感想
表題作は、なんとなく予想のつく展開だった。現実をともにする男に対する嫌悪と、K君への絶対的な好意。K君と、K君と一緒に暮らしている女性と、主人公の作る穏やかな安定は、本来同棲相手であるサトウと作るべきもの。最後に主人公は、夜の闇の中で自分自身をも見失う。もしかして彼女がK君たちと交流を持てたのは、そして最後までサトウとかみ合わないのは、彼女もすでに…という可能性も否定できない。少なくとも、永遠に冷めない紅茶なんてものはこの世にはない。夜の海に揺らめくワンピースのように、私には捉えどころのない作品だった。★★★★☆
読了日:07月25日 著者:小川 洋子
おいしいコーヒーのいれ方 (10) 夢のあとさき (集英社文庫)の感想
最後までハマれずに終わりました。とにかく勝利の一人称が饒舌すぎて、しかも恋愛のことばかりで鬱陶しい。一番好きじゃないのは、勝利がかれんに何かするとき、「~してやる」という言い方をすること。勝利みたいなタイプ、絶対無理だ。自分のことは自分で頑張る。互いのために時間を作る。これくらいでいいんだよなあ、私は。どうしてもあんなに恋愛至上主義にはなれない。そして相変わらずかれんの親には内緒なのね。もういろいろと文句しか出てこないので、シーズン2は読まないことにしました。ファンの人、ごめんね。★★★☆☆
読了日:07月26日 著者:村山 由佳
危険な弁護士 (下) (新潮文庫)の感想
人を殺して反省もしていない人を司法取引で2年程度の罪にすることができる。それに反対するような検事なら、市長権限で更迭させることができる。SWATになりたかった所轄の刑事たちや、副所長のためなら子どもを誘拐する警察。やりたい放題だな、アメリカ。ラッドが一番心にかけていたタディオに魅力がない。ラッドの元妻は最悪だし、息子も可愛くはない。新しい彼女もうすっぺらいし…要は人物が今一つ。事件の解決も、日本の制度に慣れていると納得いかないものが多かったし、全体にうーむ…でした。でも、一気に読める作品ではあった。★★★★☆
読了日:07月27日 著者:ジョン グリシャム
書店主フィクリーのものがたり (ハヤカワepi文庫)の感想
本好きの人にお薦め。まず目次を見て。これ全部、短編小説のタイトルなの。ところがこの主人公、最初は本当に感じが悪い。出版社の営業担当者に対して、こだわりの強いラーメン屋のオヤジくらい頑固でいけすかない。それは、最愛の妻を亡くしたからなのだけど、それにしても自分の好きな本しか売ろうとしないのだから、本屋として、どうよ。本好きであることは間違いのない書店主A・Jと、娘のマヤ、そして彼らの周囲の人たちの会話の中には、さらっと小説の中の人物や有名なセリフが出てきたりして、読みながらにやにやワクワクがとまらない。★★★★★
読了日:07月28日 著者:ガブリエル ゼヴィン
四畳半神話大系 (角川文庫)の感想
クセのある文体で、クセの強い登場人物を駆使しながら、着地地点は意外とまとも。そこが一番この作者らしいというか、うならされるところ。主人公は大学の3回生。自意識過剰故にバラ色のキャンパスライフを送ること能わず。それで思うのだ「あの時あっちを選んでいれば…」でもそれって、バタフライ効果的にはどうなのよ?って思ったところに蛾の大軍。もう、バタフライ効果なんてどうでもいいってことよね。筆の勢いで書いているように見せかけて、実に緻密に計算されているのが心憎い。★★★★☆
読了日:07月30日 著者:森見 登美彦
最悪の将軍 (集英社文庫)の感想
戦国時代はすでに過去のものとなり、太平の時代を迎えているはずなのに武士の意識だけが変わらずにいる。そんな世の中を変えようと、武よりも文(法律)で世の中を統べようとする綱吉。しかし、世間はそんな綱吉の思いを理解することはなかった。将軍として無能だったわけではないと思う。しかし地震が頻発し、富士山が噴火するなどの自然災害が多発したというのは、当時、将軍の治世に問題があるからだとみられてしまってもしょうがない。にしても、だ。元禄文化を謳歌できたのは、綱吉が太平の世を創り維持してきたからではないの?不憫だ。★★★★☆
読了日:07月31日 著者:朝井 まかて
読書メーター
結局一日もテレワークせず出勤して、昼休みの1時間という読書時間が確保されてにもかかわらず。
敗因は2つ。
仕事がハードで忙しすぎて、昼休みに本を読みながら寝る→家に帰っても本も読めないまま寝るという日々で、なかなか読書時間が取れなかったこと。
司馬遼太郎の『峠』にノレなくて、読み進める気力がわかなかったこと。
おかげさまで月の後半は体が慣れてきたのか、昼休みも本を読めるようになりましたし、何とか『峠』も読み終わり、ペースをつかめたように思います。
★5つは2冊。
加納朋子『カーテンコール!』は、今後何度も読み返したい本。
家族が原因で社会性を持てず、大学を卒業するための特別補講を受ける子たちが主人公の連作短編集。
親の過剰な期待や間違った愛情過多、家族というしがらみなど、どれも痛々しい話ばかりだけど、彼女たちにすべてをなげうって向かい合う理事長のおっとりと構えた包容力と、不器用な可笑しみが、読後感をすばらしいものにしている。
ずっと手元に置いておくことにした。
『書店主フィクリーのものがたり』は、本好きの琴線をこれでもかと刺激する一冊。
出だしのフィクリーの感じの悪さが、読み進めるほどに不器用で愛情豊かな過去とその後を読むことによって、フィクリーの哀しみの深さなのだとわかる。
何気ない行動が実は伏線だったというのがいくつかあり、出来過ぎなくらい良い話が、実は緻密に考えられた作品であるのだ。
最後は蛇足かなあとも思うけど、「本屋のない町は、町じゃない」のだから、まあ良しとしよう。
7月の読書メーター
読んだ本の数:29
読んだページ数:7788
ナイス数:769
峠(上) (新潮文庫)の感想主人公の河井継之助。私、この人嫌いです。まず、この人は他人を尊重することがない。他人の才を見切っては、多くは見下して切り捨てる。傲岸不遜とはこのことか。『功名が辻』の千代みたいに、現在を知っているからこその後付けの知識で物申しているんじゃないの?なんて思って調べてみたら、この小説の中で書かれている彼の行動はほとんど史実のようです。彼が何をどう思ったかまではわからないけれど、すごい人であるのだけは事実。でもね、事を起こそうとするときに、人がついてこないんじゃないの?って思う。★★★★☆
読了日:07月03日 著者:司馬 遼太郎
花よりも花の如く 18 (花とゆめCOMICS)の感想子ども能が無事終わり、いよいよ自分の能に向かうのかと思いきや、今度はクラス会からの失われたタイムカプセルの謎に。もちろん憲人の生活の中心は能であることは変わらないけれど。ひきこもりの同窓生の家を訪ねて、こころを拓こうとする憲人。憲人らしいなあと思いつつも、このテーマは別の作品でやってもよかったかな。憲人と葉月、互いの行動を報告し合わないとだめなの?そういうの、私委は鬱陶しいなあ。
読了日:07月04日 著者:成田美名子
花よりも花の如く 19 (花とゆめCOMICS)の感想タイムカプセルの謎、無事解決。人に見せたくない自分の心の闇って、もしかして人にわかってもらいたい部分なのかもしれない。さて、安達ケ原まであと半月というタイミングで、解釈が違っていたことが判明。大丈夫か?ということと、葉月と望や麻生の中に入って行けない自分を感じる憲人。両方は望めない時はあるものだよ。今集中すべきは、葉月との仲ではなく、能では?葉月はそんな憲人の立場を知っているから、敢えて雑音を憲人に聞かせないようにしているだけだと思うけど。
読了日:07月04日 著者:成田 美名子
7SEEDS (3) (フラワーコミックスアルファ)の感想春チーム、やっぱり柳はそういうことになりましたか。一つ疑問は、脳神経の、言語中枢部まで操れるようになるものなのでしょうか?体の動きでさえちょっと疑問なのに、動かせる、話せるっていうのは相当な能力では。最期に関東近辺にいることを明かしてくれたのは、よし。夏Bは九州。救援物資の保管所である由布岳を拠点とし、ナツと嵐は関東を目指す。花たちは海に沈んだ横浜を見つけ、知人たちを探しにそれぞれの地元を探すが…。お嬢さま育ちのはずのちさの現実対応能力というか、技術に感心。もしかしてこんな時のために訓練されていた?
読了日:07月04日 著者:田村 由美
7SEEDS (4) (フラワーコミックスアルファ)の感想春チーム、富士山を目指すが噴火してその姿はもうない。ようやく見つけたシェルターには、夏Bチームからのメッセージが。そして、冬チーム。解凍の失敗で最初から人数が少ないうえに、猛獣に襲われ次々に人が亡くなる。ひとこと言わせてもらえば、雌阿寒岳にシェルター置くのが間違い。北海道なら羊蹄山(蝦夷富士)の方が分かりやすいし、今現在の感覚で言えば生きやすい。近隣は農村地帯で土地も越えているし。なぜわざわざ活発な火山であり、自然の厳しい雌阿寒岳をシェルターにしたのか。エピソードとしては冬チームが一番ドラマチックだ。
読了日:07月04日 著者:田村 由美
峠(中) (新潮文庫)の感想上巻ではいけ好かない頭でっかち野郎だった河井継之助だけど、中巻になるとちょっと趣が変わる。とりあえず本心を押し殺したまま、藩政改革に乗り出す継之助。船頭が多すぎると船が山に登ってしまうけど、ひとりでできることなんていくら有能な人物にだって限りはある。身をすり減らしながら藩内外を奔走する継之助の言った言葉。”理に合わぬ禁令が出ると、ずるいやつが得をする。政治が社会を毒するのはそういう場合だ。”これは最近のワクチン問題とか、自粛問題とか、思い当たることがいろいろあるなあ。★★★★☆
読了日:07月07日 著者:司馬 遼太郎
峠(下) (新潮文庫)の感想『功名が辻』を読んでから、どうも司馬遼太郎の作品にノレなくなってしまったのかもしれない。主人公の時代を俯瞰する目の確かさに、確か過ぎる目に、ちょっと食傷気味というか…。河井継之助は、幕府の構造や武士という存在は過去の遺物となるであろうことを見越し、経済で長岡藩を存在させようとした。その一方で、藩主には義に殉じる人であってほしいと願う。最後まで佐幕の他藩と手を繋ごうとはしなかったが、薩長に与することだけは頑として拒否した。この矛盾。戦術家ではあったが戦略家ではなかった理想主義者の空想に殉じた長岡藩の悲劇。★★★★☆
読了日:07月10日 著者:司馬 遼太郎
花よりも花の如く 20 (花とゆめCOMICS)の感想能の練習音がうるさい。根も葉もないご近所からの苦情の手紙には、人の心の闇が垣間見える。『安達ケ原』の鬼女はもともと人間だったのか、それとも最初から鬼なのか。能の家に生まれ育ったわけではない憲人は、スムーズに納得できない自分にコンプレックスがある。そこから能仲間に対する「負」の感情があること、自分の心にも鬼がいることを憲人は気づく。特異であることを長所に転じて、これからも憲人は能に向き合っていくのだろう。
読了日:07月11日 著者:成田 美名子
7SEEDS (5) (フラワーコミックスアルファ)の感想拠点を九州に置く夏B チームと別れて、東京に花を探しに出た嵐と、彼について行くナツ。そして何故かついてきた蝉丸。神戸で3年前にこの世界に放り出された秋チームが村を作っているところにたどりつく。しかしそこは蘭、秋ヲが恐怖で支配する村だった。そこを逃げ出しフォッサマグナで分断された東日本を目指す3人。蝉丸の故郷はもはやなく、東京も水没していた。花の不在に打ちひしがれて自暴自棄になった嵐を救ったのは、15年間ひとりで生きてきた冬チームの生き残り、新巻だった。だが3人はもう、他人を信じることができない。
読了日:07月11日 著者:田村 由美
7SEEDS (6) (フラワーコミックスアルファ)の感想春チームと遂に出会う新巻。ようやく他人とで会えた新巻の安堵もさることながら、春チームも長年この地に住んでいた新巻から多くの知識を得る。そんな時、花が奇病にかかる。体が徐々に青紫の湿疹に覆われ、死に至る病。仲間にうつさないように、そして見苦しい姿を見せないように姿を消す花。あとを追う新巻とハル。東北に向かった嵐たちはシェルターを見つけ、そこには船が!花と会う希望を失い、無気力になる嵐を、何とか励まそうとするナツ。そして花を助けるために動くハル。少しずつ成長している姿に希望を感じてきている。
読了日:07月11日 著者:田村 由美
吾輩も猫である (新潮文庫)の感想猫をテーマにした8人の作家の8つの作品が収録されている。殊に好きなのは原田マハの「飛梅」。最初は、なんじゃこの語り口は!って思ったけれども、癖になる。メールのこと、電子木簡だって。笑。そして母への思慕、生きる意志、静かな愛情、飛梅太。ああ、最高。赤川次郎の作品は、あり得ない状況なんだけど正統派のミステリになっているところがさすが。石田衣良と恩田陸は猫から世界を飛ばして、非日常の猫たちを。荻原浩の作品は…彼が描いたものなんですか?めっちゃ猫。そして可愛い。★★★★☆
読了日:07月11日 著者:赤川 次郎,新井 素子,石田 衣良,荻原 浩,恩田 陸,原田 マハ,村山 由佳,山内 マリコ
天災から日本史を読みなおす - 先人に学ぶ防災 (中公新書)の感想磯田先生、侮っていました。ちょっと目新しい視点で歴史をちょいちょいとつまむ、タレント学者だとばっかり思っていたら、結構本格的に「災害史」「防災史」を研究していらっしゃいます。”これから備えるべき自然の危機は三つある。第一に、地震津波などの地学的危機。第二に、地球温暖化に伴って台風や集中豪雨が激化することによる風水害・高潮・土砂崩れなどの気象学的危機。そして、第三に、世界の人的交流の進展やテロの可能性が高まり、抗生物質耐性菌・インフルエンザ・出血熱などの感染症学的危機も高まってきている。”まさにその通り。★★★★☆
読了日:07月14日 著者:磯田 道史
カーテンコール! (新潮文庫)の感想閉校が決まっているというのに、卒業できるだけの単位を取得できなかった学生たちに、半年間の特別補講合宿が行わることになった。最初は、それぞれの登場人物に寄り添ったような気になって読んでいたのです。ちょっと上から。でも、彼女たちの抱える問題は、家庭の在りように原因があるものが多くて、だんだん読むのが苦しくなってきました。なぜって、彼女たちの苦しさがすごく身近に感じられたから。最終章の、理事長の昔語り部分を読みながら、私はもう読者ではなかったと思います。理事長の話を聞きながら、泣いてる少女でした。★★★★★
読了日:07月15日 著者:加納 朋子
7SEEDS (7) (フラワーコミックスアルファ)の感想夏Aチームの子ども時代。普通に暮らしていて、突然人類滅亡後の世界で目覚めたほかのチームと違い、夏Aチームは、人類滅亡後の地球に残るメンバー選抜のために、優秀な遺伝子を掛けあわせてつくられた、優秀な子ども達。未来で生き残るために、日々辛い訓練や勉強に明け暮れる毎日。ここでは生き延びることがすべてで、優しさや生真面目さは短所にすらなり得る。17歳になった時、最終選考が行われるが、その非情なこと。幼い頃から育ててきた子どもたちの命を、こうも簡単に切り捨てられるものか。地獄は既にここにあった。
読了日:07月18日 著者:田村 由美
7SEEDS (8) (フラワーコミックスアルファ)の感想知力・体力・時の運は大事だ。けれど、ひとりでは無理なことも力を合わせるとできることがある。どうしてそれを先生たちは教えなかったのか。高校生クイズを知らんかったのか。頭がよくて、他人を必要と思ったことのない人が、自分の頭の中で作ったミッションなのではないか、これは。17歳という多感な時に、友人の命が大人たちに奪われるのを見、精神をゆがめられていくというのは、ろくな未来に繋がらないのではないか。繭のような子が本当は一番必要だったはずなのに。
読了日:07月18日 著者:田村 由美
パーマネント神喜劇 (新潮文庫)の感想万城目学の小説ってARみたいだよなあ。普通の日常の中にポンと異物が登場する。小さな神社に行ってみたら、そこに出たのはポケモンではなく神だった、という。日本の神様って、元々はすごく人間臭い。だからここに出て来る神様の、まあ器のちっちゃいことも、逆に「まさしく日本の神」なのかもしれない。出世のために、取材中のフリーライター(神)に、いいところは大げさに、まずいところはカットしてもらうように、いちいち注文を付ける神様のセコさよ、ブラボー。忙しい毎日で凝り固まったものが、ほぐれていくような心地よさでございました。★★★★☆
読了日:07月18日 著者:万城目 学
ローマ人の物語 (30) 終わりの始まり(中) (新潮文庫)の感想親ができる人だからって、子どもができるとは限らない。だから世襲というのは恐ろしい。実の姉に暗殺されそうになった後からコモドゥスは変わる。皇帝としての義務を果たすことなく、己の興味のあることにしか目を向けなくなってしまった。いつ殺されるのかわからないなら、好きなことだけをして過ごしたい、と思うのは、まあわかる。だけど、皇帝の責任を果たすことができないのなら、誰かに譲ることは…できないのか。暗殺されたとき、コモドゥスは言われたのかな。「生まれの不幸を呪うがいい」★★★★☆
読了日:07月19日 著者:塩野 七生
とりぱん(18) (ワイドKC)の感想2ヶ月ぶりに図書館が開いたので、久しぶりの「とりぱん」を堪能。大好きなつぐみんもポンちゃんもヒヨちゃんも健在で嬉しい。けど、今回一番すごかったのは、気象庁より24時間早いキツネ予報。野生動物の本能って、ほんとすごい。
読了日:07月19日 著者:とりの なん子
流転の海 第4部 天の夜曲 (新潮文庫)の感想大阪での仕事に行き詰まり、心機一転富山で出直そうとする熊吾。しかし、実際に富山に行ってみると、共同経営者の優柔不断さが気に入らず、妻子を残したまま一人大阪に戻ってしまう。確かに事業を興すにはある程度の思い切りの良さが必要なのだろうが、ここにきて熊吾は運から見放されたかのように、やることなすことが上手くいかない。人と金とのタイミングがことごとくずれている。占い師の態度といい、なんだかこのまま坂を転げ落ちていくような不安に襲われてしまう。どうか家族三人がまた一緒に暮らせるようになりますように。★★★★☆
読了日:07月23日 著者:宮本 輝
山本容子プラハ旅日記の感想版画家の山本容子がプラハを旅した時に持って行ったスケッチブックを本にしたもの。日記代わりのスケッチブックは、絵を描くだけではなく紙製のコースターやランチョンマットが貼ってあったりもして、その質感があまりにリアルで思わず本のページをひっかいてしまいました。ただ、地色の赤が強すぎて、読み取れない文字があったりもして、注釈を参考に読解したり、絵も、細部がよく見えなかったりで、多少もったいない気もしました。★★★★☆
読了日:07月24日 著者:山本 容子
7SEEDS (9) (フラワーコミックスアルファ)の感想夏Aチームの7人決定。しかし彼らの表情はどれもうつろで…。各クラスの生き残り1名を選ぶということで、命を賭けたサバイバルが繰り広げられるのだが、徹底的に個人戦を強いるルールは、最強のチームを作るに適していないということに、生き残った彼らの表情を見るまで気がつかなかったんだとしたら、国家プロジェクトのはずのこの計画は余りにお粗末だ。人類のために遺伝子を掛けあわせてつくった命だから、基準を満たさない命は握りつぶして当たり前と思っていたのか。要と貴士は多分、この時過ちに気づいたのだろう。
読了日:07月25日 著者:田村 由美
7SEEDS (10) (フラワーコミックスアルファ)の感想嵐に会うため九州に向かった花たちは、火山噴火のため春チームが神戸に向かったことを知り、あとを追う。しかし神戸もまた地殻変動のため村を捨てており、二つに分裂した秋チームは狩る者狩られる者となっていた。残り少ない資源。新たに向かった先には、隕石群がふった時に生きていた人たちのためのシェルターがあった。廃墟となって。残された日記を読み、そこで何があったのかを知る花たち。そうか。花は生まれたときから、嵐は花と付き合った時から未来に送られることが決まってたんだ。ってことは、他のメンバーにも何らかのコネが?
読了日:07月25日 著者:田村 由美
ミステリと言う勿れ (8) (フラワーコミックスアルファ)の感想美術館で事件に巻き込まれる整とライカ。病院を抜け出してきているので、早く戻らなければならないのに。事件の謎は解け、ライカの謎も整の幼少期の一部も明らかになる。人の痛みを請け負うライカ。彼女自身は痛みも苦しみも感じない。そういうことか。痴漢冤罪に関する事件。掌編ではあるけれど、この先何かの伏線になるのかな。整は最初から彼女が犯人だとわかってたよね。最後は双子入れ代わり事件。まだ導入部だからわからないが、我路が絡んでいるので本筋の事件かな。別なマンガで人物入れ代わりの話を読んだので、ある程度予想してみる。
読了日:07月25日 著者:田村 由美
冷めない紅茶の感想表題作は、なんとなく予想のつく展開だった。現実をともにする男に対する嫌悪と、K君への絶対的な好意。K君と、K君と一緒に暮らしている女性と、主人公の作る穏やかな安定は、本来同棲相手であるサトウと作るべきもの。最後に主人公は、夜の闇の中で自分自身をも見失う。もしかして彼女がK君たちと交流を持てたのは、そして最後までサトウとかみ合わないのは、彼女もすでに…という可能性も否定できない。少なくとも、永遠に冷めない紅茶なんてものはこの世にはない。夜の海に揺らめくワンピースのように、私には捉えどころのない作品だった。★★★★☆
読了日:07月25日 著者:小川 洋子
おいしいコーヒーのいれ方 (10) 夢のあとさき (集英社文庫)の感想最後までハマれずに終わりました。とにかく勝利の一人称が饒舌すぎて、しかも恋愛のことばかりで鬱陶しい。一番好きじゃないのは、勝利がかれんに何かするとき、「~してやる」という言い方をすること。勝利みたいなタイプ、絶対無理だ。自分のことは自分で頑張る。互いのために時間を作る。これくらいでいいんだよなあ、私は。どうしてもあんなに恋愛至上主義にはなれない。そして相変わらずかれんの親には内緒なのね。もういろいろと文句しか出てこないので、シーズン2は読まないことにしました。ファンの人、ごめんね。★★★☆☆
読了日:07月26日 著者:村山 由佳
危険な弁護士 (下) (新潮文庫)の感想人を殺して反省もしていない人を司法取引で2年程度の罪にすることができる。それに反対するような検事なら、市長権限で更迭させることができる。SWATになりたかった所轄の刑事たちや、副所長のためなら子どもを誘拐する警察。やりたい放題だな、アメリカ。ラッドが一番心にかけていたタディオに魅力がない。ラッドの元妻は最悪だし、息子も可愛くはない。新しい彼女もうすっぺらいし…要は人物が今一つ。事件の解決も、日本の制度に慣れていると納得いかないものが多かったし、全体にうーむ…でした。でも、一気に読める作品ではあった。★★★★☆
読了日:07月27日 著者:ジョン グリシャム
書店主フィクリーのものがたり (ハヤカワepi文庫)の感想本好きの人にお薦め。まず目次を見て。これ全部、短編小説のタイトルなの。ところがこの主人公、最初は本当に感じが悪い。出版社の営業担当者に対して、こだわりの強いラーメン屋のオヤジくらい頑固でいけすかない。それは、最愛の妻を亡くしたからなのだけど、それにしても自分の好きな本しか売ろうとしないのだから、本屋として、どうよ。本好きであることは間違いのない書店主A・Jと、娘のマヤ、そして彼らの周囲の人たちの会話の中には、さらっと小説の中の人物や有名なセリフが出てきたりして、読みながらにやにやワクワクがとまらない。★★★★★
読了日:07月28日 著者:ガブリエル ゼヴィン
四畳半神話大系 (角川文庫)の感想クセのある文体で、クセの強い登場人物を駆使しながら、着地地点は意外とまとも。そこが一番この作者らしいというか、うならされるところ。主人公は大学の3回生。自意識過剰故にバラ色のキャンパスライフを送ること能わず。それで思うのだ「あの時あっちを選んでいれば…」でもそれって、バタフライ効果的にはどうなのよ?って思ったところに蛾の大軍。もう、バタフライ効果なんてどうでもいいってことよね。筆の勢いで書いているように見せかけて、実に緻密に計算されているのが心憎い。★★★★☆
読了日:07月30日 著者:森見 登美彦
最悪の将軍 (集英社文庫)の感想戦国時代はすでに過去のものとなり、太平の時代を迎えているはずなのに武士の意識だけが変わらずにいる。そんな世の中を変えようと、武よりも文(法律)で世の中を統べようとする綱吉。しかし、世間はそんな綱吉の思いを理解することはなかった。将軍として無能だったわけではないと思う。しかし地震が頻発し、富士山が噴火するなどの自然災害が多発したというのは、当時、将軍の治世に問題があるからだとみられてしまってもしょうがない。にしても、だ。元禄文化を謳歌できたのは、綱吉が太平の世を創り維持してきたからではないの?不憫だ。★★★★☆
読了日:07月31日 著者:朝井 まかて
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