昨日、実家から帰ってから耳鼻科に行ってきました。

日曜日から発症しためまいが、良くも悪くもならないからです。

 

検査の結果、9年前と同じ「突発性頭位めまい症」でした。

9年前と同じ検査をし、9年前と同じ説明を聞き、9年前と同じ薬をもらって帰ってきました。

 

薬局では「疲れていると発症しやすい」と言われましたが、お医者さんには「安静にしていても治るものではないので、普通に身体を動かしていた方がいい」と言われました。

どうすれば?

今日も残業3時間ですけれど。

 

「突発性頭位めまい症」というのは、普通のめまいと違って寝ていても目が回るのです。

というか、寝返りをうつたびにくらんくらんする。

だから眠りが浅いのかなあ。

寝ても寝ても眠いのです。

あ…いつもか。

 

 

本日の読書:カーテンコール! 加納朋子

 

 

カバー裏より

『閉校が決まった私立萌木女学園。単位不足の生徒たちをなんとか卒業させるべく、半年間の特別補講合宿が始まった。集まったのは、コミュ障、寝坊魔、腐女子、食いしん坊……と個性豊かな”落ちこぼれ”たち。寝食を共にする寮生活の中で、彼女たちが抱えていたコンプレックスや、学業不振に陥った意外な原因が明らかになっていく。生きるのに不器用な女の子たちの成長に励まされる青春連作短編集。』

 

目次

・砂糖壺は空っぽ

・萌木の山の眠り姫

・永遠のピエタ

・鏡のジェミニ

・プリマドンナの休日

・ワンダフル・フラワーズ

 

閉校が決まっているというのに、卒業できるだけの単位を取得できなかった学生たちに、半年間の特別補講合宿が行わることになった。

そこは学校の敷地内とはいえ、坂を上り切ったその向こうの、うっそうとした木立の陰にある、部活用の合宿所だったところ。

近所にコンビニはなく、パソコンもスマホも取り上げられ、軟禁状態のような合宿生活を送りながら、少女たちは自分の抱える問題に向き合っていく。

 

最初は、それぞれの登場人物に寄り添ったような気になって読んでいたのです。

でも、彼女たちの抱える問題は、家庭の在りように原因があるものが多くて、だんだん読むのが苦しくなってきました。

なぜって、彼女たちの苦しさがすごく身近に感じられたから。

 

”誰か一人、もしくはごく少数を犠牲にすることで、万事が円滑に進むコミュニティが作られてしまう。多数の側だけが、安全で安心で気分がよくて幸せ。まさしく今も学校や職場や、その他多くの場で現に行われている、いじめの構図そのものです。”

そしてそれが家庭で行われていたら。

逃げ場がなかったなら。

 

最終章の、理事長の昔語り部分を読みながら、私はもう読者ではなかったと思います。

理事長の話を聞きながら、泣けてきました。

 

”よく知られている通り、ストレスは様々な心身の不調のトリガーとなります。そこから発射された弾丸は、やがては人の命を奪うことになるかもしれないのです。(中略)死に至るほどのストレス源なら、逃げるが勝ち、といったところでしょうか。(中略)尊厳を傷つけられた時点で。心身への暴力行為を受けた時点で。決意すべきポイントは、いくらでもありました。ボンクラで鈍感な身内なんて当てにするべきじゃなかった。追い詰められ、心を壊されてからでは遅すぎるのです。”

 

いやいや私、そこまで追いつめられているわけではありませんよ。

でも、やっぱり私にとって、家族はいつも重荷でした。

「長女なんだからしっかりしなさい」「女のくせに気が利かない」と、私にばかり要求が高くて。

だから「親の期待に応えられなかった自分を否定する少女たち」の気持はわかります。

 

”もう駄目だ、耐えられないと思った時、自分の足で逃げられる力を、今のうちに育ててください”

 

この理事長先生って、最強だ。

理事長が出てくるシーンはいつもほのぼのとして、クスッとおかしくて、空気が温かくなる。

こういう人が側にいてくれたら、たいていのことは何とかなるように思えて来るわ。

 

今再び親の論理に取り込まれようとしている私に、この本は、神様から贈られたのかもしれないなあと思いました。

いや、そこまで追いつめられてはおりませんが。