今日も午後からお休みを貰って、母(と父)を病院に連れて行きました。

今後はそこの病院に通院し、病気の進行を遅らせるような治療をしてもらいます。

 

なかなか感じの良い女性の先生だったので、母もあまり緊張せず、はきはきと受け答えをしておりました。

「特別物忘れがひどいと、自分では思っていません」

「生活をするうえで困っていることは、ありません」

「食事はちゃんと食べています」

「夜もよく寝ています」

「病院に来る必要は、あまりないと思っています」

と、はきはき。

 

先生に「○○記念病院の先生に進められて、こちらに来たんですよね?」と聞かれ「・・・?わかりません」

 

病院の先生は、そんなに簡単に騙されないのよ。

私には「ご飯食べたくない」とか「眠れない」とか言うくせにさ。

 

日常の不具合は、父に話してもらわなければならないのに、「そんなに大したことではないんです。普通に生活送っています」なんて言って母をかばう。

 

「ほかに独身の弟が二人いるのですが、弟たちには連絡を取ろうとしないんです」と先生に訴えると、先生の方から「ぜひ息子さんたちにも状況をお知らせしてください」と言ってくれたのに、「言うほどのことではないので」と拒む父。

「息子さんたちは札幌にお住まいなのですか?」「はい」「では、同居してもらうことも可能かもしれないですね」「いや、公務員で忙しくしていますから」

 

私も公務員なんですけど!

 

病院から戻って、「主治医も決まったことだし、役所に介護サービスの申請書を書いて送ってくださいね」と父に言うと、「直接持って行った方が話も早いと思うから、直接行こうと思ってる」というので、「一人で大丈夫なの?」と聞くと、「一緒に行って欲しい」と。

 

「一人で役所の人と話ができないくらい耳が遠いのだから、補聴器を作ってください。この先も立ち入り審査の時は休暇取るつもりでいるし、自分の通院もあるし、そんなに仕事休めないんだよ。今日休むために、昨日だって残業するはめになったんだし。お金なら払うから、補聴器作ってください」

心からお願いした結果が、「今補聴器作ったって、どうせあと数年で死ぬんだから意味ない。書類は郵送するから、もういい!」と逆切れ。

 

娘にはとことん甘えるが、息子には弱みを見せたくないらしい。

勘弁してくれよ。

明治の男じゃないんだからさ。

 

とりあえず母の主治医が決まり、薬を処方してもらったり、いろんな検査をしてもらったりと、また一歩安心側に踏み出せてよかった。

母は、父とふたりで通院するつもりでいるけれど、父はもう病院の人たちと意思の疎通が図れないので、結局私がついて行くことになる。

2週間おきに父とケンカか。うんざり。

 

 

本日の読書:天才から日本史を読みなおす 磯田道史

 

 

カバー折返しより

『豊臣政権を揺るがした二度の大地震。一七〇七年の宝永地震が招いた富士山噴火。佐賀藩を「軍事大国」に変えた台風。森繁久彌が遭遇した大津波――。史料に残された「災い」の記録をひもとくと、「もう一つの日本史」が見えてくる。富士山の火山灰はどれほど降るのか、土砂崩れを知らせる「臭い」、そして津波から助かるための鉄則とは。東日本大震災後に津波常襲地に移住した著者が伝える、災害から命を守る先人の知恵。』

 

磯田先生、侮っていました。

ちょっと目新しい視点で歴史をちょいちょいとつまむ、タレント学者だとばっかり思っていたら、結構本格的に「災害史」「防災史」を研究していらっしゃいます。

 

災害のあった地の古文書を探して読む。

土地の古老に先人の言い伝えを聞く。

地図を見て、災害の中心地と被災地の距離を測ったり地形を分析したりして、実際に起こったであろう災害の規模を割り出す。

地名の由来を調べる。

コツコツと研究されています。←なに様?

 

文章が読みやすいだけではなく、構成も上手なので、ちゃんと歴史の本になっているのもうまいと思います。

災害について書かれている本にこういう言い方は良くないのでしょうが、読んでいて、続きがすごく気になるほど面白かったです。

 

2014年に書かれた本ですが、あとがきを読んでショックを受けました。

 

”これから備えるべき自然の危機は三つある。第一に、地震津波などの地学的危機。第二に、地球温暖化に伴って台風や集中豪雨が激化することによる風水害・高潮・土砂崩れなどの気象学的危機。そして、第三に、世界の人的交流の進展やテロの可能性が高まり、抗生物質耐性菌・インフルエンザ・出血熱などの感染症学的危機も高まってきている。”

 

こんなに以前に知る人は知っていたのに、全然無策だよなあ。

 

基礎疾患があるためワクチンを優先的に摂取できるはずの10さん、16日に予約していましたが、ワクチンが届かないということで接種延期となりました。

飛沫の飛び方のシミュレーションばっかりじゃなくて、ワクチンの効率的な輸送方法などを富岳に計算させてはいかがでしょう。

世界一のスパコンを持っていながら、何でこんなにポンコツなの?