Amazonより
『海と山に囲まれた餅湯温泉。団体旅行客で賑わっていたかつての面影はとうにない。のどかでさびれた町に暮らす高校2年生の怜は、複雑な家庭の事情、迫りくる進路選択、自由奔放な友人たちに振りまわされ、悩み多き日々を送っている。そんななか、餅湯博物館から縄文式土器が盗まれたとのニュースが……。』
公私ともにストレスハンパない今日この頃。
こんな時は、三浦しをんの書くおバカな男子高生の話でも読まなきゃやってられない。←ごめん、しをんちゃん。褒めてるんだけど
主人公の穂積怜は、母と二人、温泉街の土産物屋で暮らしている。
サビれた温泉街で土産物屋をやっていても、生活は楽ではない。
毎月三週目は、一週間家を離れて、チェーン店のファミレスを経営しているの母の別荘で、母と母の愛人と思しき若い男性と3人で過ごす。
恐縮するほど贅沢な食事と、大仰なイベント。
土産物屋とは全然違う生活。
つまり、怜には父はいないが母が二人いるのである。
この二人の母がどういう関係なのか怜は知らない。
幼い頃から二人の母の間を行ったり来たりして過ごしているので、そういうものなのだと思っている。
ちなみに怜の友達も、みんなそう思っている。
設定は深刻だし、主人公は夢も希望もない、今どきのノンポリ高校生なのだけど、友だちがスケールのでかいおバカだったりするので、それなりに日々は楽しく過ぎている。
そう、怜はどちらかというと巻き込まれ方の人間なのだ。
実に私の好きなタイプである。
そして、夢も希望もないけれど、やりたいことすら見つからないけど、自分が母ふたりに愛されていること、そして自分も母ふたりを愛していることを知った怜は、決してうつろな存在ではなく、この先どんどん器を大きくしていく余地がある。
父親はいなくても、若干大きなお世話の気もするが、怜の父親が商店街に姿を見せた途端、商店街で「危機管理グループ」が素早く組織され、怜と土産物屋の母を見守ってくれる。
高校生男子がおバカなら、そのおバカを容認する度量が大人たちにはあるので、おバカも真面目も仲良くケンカしながら高校生活を謳歌できるのだろう。
抱腹絶倒とはいかなかったけど、くすくす笑いながら読める三浦しをんの作品は、やっぱり好きだ。
さあ、明日からも元気に頑張ろ。



