
得意か苦手かと言えば、苦手かも。
必要ないものはあまり買わないし、必要なものもけちけちする割に物が減らないのは、頂きものを処分できないから。
あと、思い出の品、ね。
それ以外は本とCDくらいが財産で(これがまた多いのだけど)、それもあまり買わないようになりました。
忙しいので買いに行く暇もなかったので。
ところで、4月16日付で北海道に戻ることになりました。
専業主夫になる10さんをこき使って、不用品を片付けていこうと思います。
通勤時間が短くなるし、家に帰ると10さんがいるし、読書時間はがっつり減りそう。
生活費をいくら10さんに渡せばいいのか、平日はともかく週末の食事の支度をどうするか、いろいろ話し合わねばなりません。
まだ先のことですが、あっという間のことですよね。
本日の読書:不穏な眠り 若竹七海
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			不穏な眠り (文春文庫)
			 715円 
			Amazon  | 
		
カバー裏より
『葉村の働く書店で〈鉄道ミステリフェア〉の目玉として借りた弾痕のあるABC時刻表が盗難にあう。行方を追ううちに思わぬ展開に(「逃げだした時刻表」)。相続で引き継いだ家にいつの間にか居座り、死んだ女の知人を捜してほしいという依頼を受ける(「不穏な眠り」)。満身創痍のタフで不運な女探偵・葉村晶シリーズ。』
目次
・水沫(みなわ)隠れの日々
・新春のラビリンス
・逃げだした時刻表
・不穏な眠り
私もたいがい間が悪いと自覚しているけど、葉村晶の間の悪さ、不運の連鎖ったらない。
けれど、事件は割と後味の悪いものが多いのに、葉村晶に関しては、いつもその不運に癒されるのだ。
彼女は美学にこだわるよりも実利の人だ。
本人はどう思っているかわからないが、頭の回転もすこぶる良い。
だけど自覚していないと思うけれども、お人好しだ。
これは契約範囲外だ、と一度は切り捨てても、つい気になって様子を見に戻る…と、厄介事に巻き込まれて命さえも危機に陥る。
なぜ、学習しないのだ、と言えば、それが彼女の人としての矜持であり、お人好しな部分なんだろうなあ。
「水沫がくれの日々」の、最後の2行が意味する寒気がするほどの憎悪とか、「逃げだした時刻表」の、金に飽かした自分勝手とか、やっぱり事件の後味は悪いのだけど、でも、今までの作品に比べて、なんかちょっと薄味じゃない?
葉村晶、それほど不運ともいえないのでは?
と思ったら、表題作はさすがにどど~んと不運満載でしたね。
たった60ページほどの作品の中で、2回死にかけ、最後は自然災害に巻き込まれる。
どんだけよ!と突っ込みながら、満足して本を閉じることができる。
「水沫隠れの日々」の遥香、「不穏な眠り」の宏香は、生まれてきた意味について考えさせられる。
彼女たちは一度でも、誰かから必要とされたことがあったのだろうか。
「生まれてきてくれてありがとう」と言われたことがあるのだろうか。
彼女たちの人生を思う時、苦いものがこみあげてくる。
富山店長は相変わらず理不尽で、エゾノー並みに理不尽で、そこが好き。
知り合いにはなりたくないけれど。
本屋の2階に住み込んで、本屋のバイトをしながら探偵業をこなす葉村晶。
職住一体についてこう語る。
”なにしろ家賃がない。通勤がない。昼食を家で済ませられるから、ロスする食品も出ない。読む本に困らない。”
我が家の1階も本屋なので、やっぱり憧れる本屋勤務。
探偵業と兼ねなければ、それほど大変にならないんじゃないかと妄想中。

