読んだ本を忘れないように、感想をこのブログや読書メーターなどに残していますが、それとは別に5年日記に記録を残しています。
「この本を読んだのはもう3年も前か」とか、「去年の今日はこの本を読んだのか」など時々眺めて喜んでいます。
毎年なぜか本が読めない日とか、毎年読めるがあるのも面白い。

今年はその5年目なので、一段と楽しいです。
一月は、5年間通して読了本がなかった日はありませんでしたが、毎年本を読み終えた日は1日だけありました。
ほぼ毎日のように本を読んでいるのに、結構難しいものです。

4年前の1月16日
『ぼくらの時代の本』クレイグ・モド
3年前の1月16日
『反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパーク5』石田衣良
2年前の1月16日
『脱・限界集落株式会社』黒野伸一
去年の1月16日
『まちの本屋』田口幹人
今年の1月16日
『向井帯刀の発心 物書同心居眠り紋蔵』佐藤雅美

4年前の本はブクログさんから頂いた本で、刷りたてのインクのにおいが嬉しかったことを思い出します。
読書記録、楽しいなあ。


本日の読書:一心斎不覚の筆禍 物書同心居眠り紋蔵 佐藤雅美



カバー裏より
『話題の書本で先祖の名誉が汚されたので、作者を罰してほしい―。大店の老舗菓子屋の主人の訴えに、書本を罰した先例はないという紋蔵が読んでみると、室鳩巣(むろきゅうそう)の記した賤ケ岳の戦いでの美談が偽りだと理詰めで証された見事な出来栄え。そんな折に作者が殺されて……(表題作)。大人気の読み切り連作長編。』

目次
・女心と妙の決心
・江戸相撲八百長崩れ殺し一件
・御奉行御手柄の鼻息
・文吉の初恋
・天網恢恢(てんもうかいかい)疎にして漏らさず
・一心斎(いっしんさい)不覚の筆禍
・糞尿ばらまき一件始末
・十四の娘を救ったお化け

二人の息子を養子に出し、娘二人も嫁に行き、残る末娘の行く先を悩む紋蔵。婿を取って跡を継いでもらうか、貧乏同心の跡を継ぐよりそこそこの商家に嫁がせるか。
そこへ、侠客の親分の元へ出て行った、預かり子の文吉と勘太が、親分の死により紋蔵のところへ帰って来る。
ついに観念した文吉は紋蔵の跡を継ぐ決心をし、心を入れ替え学問に打ち込むことにし、妙は心置きなく嫁に行く…ことになるのかな。

紋蔵一家のストーリーとは別に、今回は表題作が白眉であった。
いくつもの古文書を読みくらべて事実を読み解くだけではなく、実際に現地へ足を運び、記述に齟齬はないか確認し、歴史の真実を見てきたように講釈する。
ああ、何とすばらしい仕事だろう。
と思ったのに、彼の本業に仰天してしまう。

「天網恢恢疎にして漏らさず」も、40年前に殺された妹の仇をとるために、家業の傍らずっと犯人を捜し続けた執念。
40年、市井の人として生きてきた犯人が見つかってしまったのは、自分勝手な行いのせいで自業自得。
とはいえ、40年。その長さにめまいがしそうだ。



ペタしてね
今日はこれから長男が来るので、ブログの更新は早めです。