12日から20日までほぼ寝たきりで、リンゴとバナナと干し芋とヨーグルトで過ごした10日ほど。(なのに痩せない謎)

そうだよね。
ちょっとだけ贅沢しても罰あたらないよね。
っていうか、大吉ならばなお結構。

昨日は病み上がりだからちょっと遠慮したけど、木曜日に娘が泊まりに来るからちょっと贅沢しよう。
何食べようかなあ?
こういうことを考えているときが、一番楽しいんだよね。


本日の読書:罪の声 塩田武士

罪の声罪の声
1,782円
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Amazonより
『京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声とまったく同じものだった―。 』

実際にあった企業恐喝事件(グリコ森永事件)を下敷きに、知らず巻き込まれた子どもたちのその後の人生を描く。

父の遺品の中から幼いころの自分の声が録音されたカセットテープが出てくる。
それは「ギン萬事件」で恐喝に使われたものだった。
自分(曽根俊也)は、そして父は、あの事件に関わっていたのか?

新聞の年末企画で「ギン萬事件」を取り上げることになり、文化部から社会部の手伝いに駆り出される阿久津英士。
迷宮入りした30年以上も前の事件を調べても、今更新事実が出てくるのか疑問を抱きつつ、小さな手がかりを追う。

この二人がそれぞれに追った事件が交差した時、事件はその全貌を明らかにする。
恐喝に声を使われた3人の子ども。
小さすぎて事件のことをほとんど覚えていなかった曽根俊也と違って、残る二人の人生はあまりにも悲惨なものだった。
幸せになるはずだったのに、どんどん幸せが崩れて行く。
もがいてももがいても逃げ出せない苦しみ。

当時の時代の空気であるとか、身代金を受け取らない犯人たちの狙いとか、非常に巧みに作られたフィクションだった。
事件の手がかりの小ささも、追いかける線の細さも、浮かび上がった真実の冷徹さもよかった。
ただ、曽根俊也の動機が少し弱いような気はしたけれど、そこを子を持つ親としての俊也の想いが上手くカバーしていたような気もする。

望と聡一郎の人生は胸が痛くてしょうがなかったけれども、それでも読むことを止められなかった。


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