仕事の帰り道、ふと見上げた空に月がかかっていたのを見て、思い出したことがあります。
娘が3歳のころ「お母さん、お月様は白っぽい時と赤っぽい時があるけど、どうして?」と聞いてきたことがあります。
「うっ」と答えに詰まったものの、何食わぬ顔で「どんな時に白くて、どんな時に赤いかわかる?」と質問返しをすると、ちょっと考えて「空の下の方にいるときは赤くて、上にいるときは白いと思う」と言うのです。
おかげさまで答えにたどり着くことができたところに、次男が割って入ります。
「ぼく、どうしてだかわかるよ」
当時次男は「おつきさま こんばんは」という絵本が大のお気に入りで、毎日保育園の帰りに「おつきさま こんばんは」とお月さまにあいさつしていたくらいですから、本人的には「お月さまのことなら任せろ」っていう気分だったのだと思います。
「どうして?」と次男に聞くと「上にいるときはお月さま一人ぼっちで寂しいから白くなって、下にいるとみんながそばにいて嬉しいから赤くなるんだよ」
なるほどそう来たか。
あながち間違いとも言い切れないと思った私は、もちろんただの親ばかですが。
「そうか。そうかもしれないね。
お母さんが思った答えは、ちょっと難しいからよくわからないかもしれないけど、いつか学校で勉強することがあったら思い出して。
地球にある空気の中には目に見えないほこりがたくさんあります。たくさんあるから、光りがはね返って色がつくようにみえます。
お月さまが上にいるときは短い距離で空気の中を通って来るから、あんまりほこりが光をはね返しません。
下にいるときは斜めに長い距離で空気の中を通って来るから、たくさん光がはね返って赤く見えます。
難しく言うと、大体こんな感じです」
と、身振り手振りで説明した私に次男が一言
「僕の答えの方があってると思うよ、お母さん」
お月さまと毎日心の中で会話をしていた次男と、お月さまの色の違いを不思議だと毎日観察していた娘。
同じように育てているのに全く違う二人が、どちらも可愛いなあと思った私は、もちろんただの親ばかです。
でも時々、3歳の娘と2歳の次男の手をつないで、お月さまを見ながら歩いたあの時のことをことを思い出すのですよ。
それまではちょっと赤い月って気味が悪いと思っていたけど、あれから笑顔で見られるようになったなあって。
本日の読書:白い息 物書同心居眠り紋蔵 佐藤雅美
カバー裏より
『紋蔵が深川の元締め殺しの背後にある事情に心痛めていた折り、例繰方での経験を生かして、将軍の御前で裁きを披露する「吹上上聴(ふきあげじょうちょう)」で扱う事件に、先例がないことを確かめてくれと頼まれた。が、先例を知っていた紋蔵は苦慮の末に逆転の手を閃いて……。定廻りに任じられた紋蔵の葛藤を描いた好評短編連作。』
目次
・蘭長者簑吉の名誉
・時の物売りと卵の値
・それでも親か
・大坪本流馬術達者のしくじり
・坊主びっくり貂(てん)の皮
・そそっかしい御武家
・落ち着かぬ毎日
・白い息
前巻の最後に、物書同心から定廻り同心への出世がほのめかされた紋蔵。
巻を改めて、またいつもの物書同心の話かと思いきや、ちゃんと定廻り同心に出世していたので驚いた。
サブタイトルに偽りありではないか。
江戸時代の侍の収入は、すべて役職ごとにきっちり決められている。
しかし、直接町人との接点があることで付け届けが入る定廻り同心は、決められた収入しか持たない物書同心の10倍くらい実入りがいい。
身なりや言葉遣いにまだ戸惑いがありつつ、紋蔵はしっかり定廻りの仕事をこなしていた。
でも、30年の長きにわたり物書き同心として勤めあげてきた紋蔵は、定廻りになっても見た目の裏側にある真実を見つけ出す。
しかも、外回りをしていると居眠り病も引っ込んでしまう。
17人の岡っ引きを部下に持ち、さらにその岡っ引きが数人の下っぴきを使う。
紋蔵は一気に何十人もの部下を持つ身になり、それはそれで苦労が絶えないことを学びつつ、定廻り生活を謳歌していた紋蔵。
ところが将軍の前でお裁きを行うことになり、失敗が許されないため、先例探しを手伝わあされたのが運の尽きで、何のしくじりもしていないのに元の物書同心に戻されてしまう。
紋蔵の仕事ぶりが評価された挙句の出戻り。
役職によって手当は決められているので、いくら仕事ぶりが評価されても、定廻り同心の10分の1の収入に戻ってしまうのはいかがなものかと考えてしまうのは、現代の思考とばかりは言えないと思う。
ああ、すまじきものは宮仕え。
紋蔵、切ないのぅ。

明日は都内出張なので、都心の夜を楽しもうかな?なんて思うけど、多分人ごみに負けてまっすぐ家に帰ってしまうことでしょう。
でもいいの。
土曜日は、半年に一度のコーチャンフォー詣でです。
読む時間がないからあまり爆買いしないようにしようと思うけど、半年に一度のストレス解消。
心ゆくまで本棚を眺めて、縁のあった本を家に連れ帰るとしましょう。わくわく。
娘が3歳のころ「お母さん、お月様は白っぽい時と赤っぽい時があるけど、どうして?」と聞いてきたことがあります。
「うっ」と答えに詰まったものの、何食わぬ顔で「どんな時に白くて、どんな時に赤いかわかる?」と質問返しをすると、ちょっと考えて「空の下の方にいるときは赤くて、上にいるときは白いと思う」と言うのです。
おかげさまで答えにたどり着くことができたところに、次男が割って入ります。
「ぼく、どうしてだかわかるよ」
当時次男は「おつきさま こんばんは」という絵本が大のお気に入りで、毎日保育園の帰りに「おつきさま こんばんは」とお月さまにあいさつしていたくらいですから、本人的には「お月さまのことなら任せろ」っていう気分だったのだと思います。
「どうして?」と次男に聞くと「上にいるときはお月さま一人ぼっちで寂しいから白くなって、下にいるとみんながそばにいて嬉しいから赤くなるんだよ」
なるほどそう来たか。
あながち間違いとも言い切れないと思った私は、もちろんただの親ばかですが。
「そうか。そうかもしれないね。
お母さんが思った答えは、ちょっと難しいからよくわからないかもしれないけど、いつか学校で勉強することがあったら思い出して。
地球にある空気の中には目に見えないほこりがたくさんあります。たくさんあるから、光りがはね返って色がつくようにみえます。
お月さまが上にいるときは短い距離で空気の中を通って来るから、あんまりほこりが光をはね返しません。
下にいるときは斜めに長い距離で空気の中を通って来るから、たくさん光がはね返って赤く見えます。
難しく言うと、大体こんな感じです」
と、身振り手振りで説明した私に次男が一言
「僕の答えの方があってると思うよ、お母さん」
お月さまと毎日心の中で会話をしていた次男と、お月さまの色の違いを不思議だと毎日観察していた娘。
同じように育てているのに全く違う二人が、どちらも可愛いなあと思った私は、もちろんただの親ばかです。
でも時々、3歳の娘と2歳の次男の手をつないで、お月さまを見ながら歩いたあの時のことをことを思い出すのですよ。
それまではちょっと赤い月って気味が悪いと思っていたけど、あれから笑顔で見られるようになったなあって。
本日の読書:白い息 物書同心居眠り紋蔵 佐藤雅美
![]() | 白い息 物書同心居眠り紋蔵 (講談社文庫) Amazon |
カバー裏より
『紋蔵が深川の元締め殺しの背後にある事情に心痛めていた折り、例繰方での経験を生かして、将軍の御前で裁きを披露する「吹上上聴(ふきあげじょうちょう)」で扱う事件に、先例がないことを確かめてくれと頼まれた。が、先例を知っていた紋蔵は苦慮の末に逆転の手を閃いて……。定廻りに任じられた紋蔵の葛藤を描いた好評短編連作。』
目次
・蘭長者簑吉の名誉
・時の物売りと卵の値
・それでも親か
・大坪本流馬術達者のしくじり
・坊主びっくり貂(てん)の皮
・そそっかしい御武家
・落ち着かぬ毎日
・白い息
前巻の最後に、物書同心から定廻り同心への出世がほのめかされた紋蔵。
巻を改めて、またいつもの物書同心の話かと思いきや、ちゃんと定廻り同心に出世していたので驚いた。
サブタイトルに偽りありではないか。
江戸時代の侍の収入は、すべて役職ごとにきっちり決められている。
しかし、直接町人との接点があることで付け届けが入る定廻り同心は、決められた収入しか持たない物書同心の10倍くらい実入りがいい。
身なりや言葉遣いにまだ戸惑いがありつつ、紋蔵はしっかり定廻りの仕事をこなしていた。
でも、30年の長きにわたり物書き同心として勤めあげてきた紋蔵は、定廻りになっても見た目の裏側にある真実を見つけ出す。
しかも、外回りをしていると居眠り病も引っ込んでしまう。
17人の岡っ引きを部下に持ち、さらにその岡っ引きが数人の下っぴきを使う。
紋蔵は一気に何十人もの部下を持つ身になり、それはそれで苦労が絶えないことを学びつつ、定廻り生活を謳歌していた紋蔵。
ところが将軍の前でお裁きを行うことになり、失敗が許されないため、先例探しを手伝わあされたのが運の尽きで、何のしくじりもしていないのに元の物書同心に戻されてしまう。
紋蔵の仕事ぶりが評価された挙句の出戻り。
役職によって手当は決められているので、いくら仕事ぶりが評価されても、定廻り同心の10分の1の収入に戻ってしまうのはいかがなものかと考えてしまうのは、現代の思考とばかりは言えないと思う。
ああ、すまじきものは宮仕え。
紋蔵、切ないのぅ。

明日は都内出張なので、都心の夜を楽しもうかな?なんて思うけど、多分人ごみに負けてまっすぐ家に帰ってしまうことでしょう。
でもいいの。
土曜日は、半年に一度のコーチャンフォー詣でです。
読む時間がないからあまり爆買いしないようにしようと思うけど、半年に一度のストレス解消。
心ゆくまで本棚を眺めて、縁のあった本を家に連れ帰るとしましょう。わくわく。
