日本は負けてしまいましたが、ワールドカップはまだ続いています。
そうそう熱心なサッカーファンではありませんが、夜中に目が覚めるとやっぱり見てしまいますね。
そしてまた、ちょうどいい感じに目が覚めるんですわ。
いやあ、かっこよかったですねえ、クロアチア。
次男と違ってすべての試合を観ているわけではないので(すべての試合を観ている結果、まだ予選リーグ途中までしか観終ってないらしい)、今朝の試合で始めてみましたが、ゴールにかける執念というか意気ごみというか、とにかく熱い!
多分総合力でいうとフランスの方が上なのでしょうけれど、この試合を観て思ったね。
クロアチアが優勝ってことでいいんじゃないでしょうか。
3試合連続で延長戦を制したのに、先発メンバーから交代なしで90分走る強靭なフィジカルと、めげないメンタル。
かっくいい~!
今まで割と日本と互角な試合をしていたような気がしますが、今回のクロアチアはちょっと違うのではないのでしょうか?←一試合しか観てないのに(笑)
あと少しでワールドカップも終わってしまいますが、最後まで楽しいわ!
ちなみに次男はベルギーとクロアチアの決勝戦と予想していたので、半分残念でした。
本日の読書:カエサルを撃て 佐藤賢一
Amazonより
『混沌のガリアを纏めあげた恐れを知らぬ若者ウェルキンゲトリクス。政治家人生も終盤を迎えポンペイウスへの劣等感に苛まされるカエサル。対照的かつ運命的な男と男が鎬を削る。佐藤賢一版「反ガリア戦記」。』
てっきりブルータスがシーザーを撃つ話かと思ったら、共和制の末期、ガリア(ケルト)の民を討伐して、ルビコンを渡る直前までの話でした。
ということは、ネタバレでもなんでもなくて、シーザーが勝つことは決まっている。
ところが、この作品のシーザー、つまりカエサルは、さえない中年男なのである。
対するガリアの諸部族をまとめ上げたウェルキンゲトリクスはまだ若く、鍛え上げた肉体には力がみなぎり、そして美形なのでございます。
そうなると当然読者は、判官びいきも相まってウェルキンゲトリクスを応援すると思うでしょう?
ところがこいつがまた、見た目に反して粗野で下卑たやつなのです。
基本的に男の話です。
女は、男を鼓舞するため、または性的に慰めるために存在しているだけ。
カエサルもそこそこ女たらしだが、ウェルキンゲトリクスときたら、情け容赦なくレイプしまくり。
そこが許せない人は読まないほうがいいでしょう。
私もちょっとうんざりしながら読みました。
が、この、頭も薄くて文学青年崩れのさえない中年男カエサルは、世界の中心、ローマの頂点で政治を動かすほどの男なのに、コンプレックスの塊なのだ。
男らしくあることのできない自分。
周りの目を気にして、自分をよく見せるための嘘をつき、嫌われないために全方向に愛想よくし…そんな自分が情けなくて嫌い。
だから傲岸不遜なウェルキンゲトリクスが怖い。だけど魅かれる。
一方、子どもの頃は女の子のようにかわいらしかった美しい顔立ちと鍛え抜かれた体に、下卑た品性と空っぽのおつむと天才的な戦略センスを持つウェルキンゲトリクスは、好き勝手に生きているように見えるが、満たされない思いを抱え続けている。
志半ばで弑された父の遺志を、母から、周囲の人々から、有無を言わさず押しつけられた彼は、本当の自分がわからない。
本当の自分は何をしたかったのか、何を好きで、何が嫌いなのか。
最後に気づく。
中年オヤジが嫌いなんだ。
自分に重荷を背負わせる中年オヤジ。見苦しい姿をさらす中年オヤジ。
そして父。
一度も好きだったことのない父の遺志を、なぜ自分が継がねばならないのか。
大好きな母すらも、自分より父の遺志を優先する。
中年オヤジに踏みにじられた自分の人生の虚ろさに気づくウェルキンゲトリクス。
要はマザコンでエディプスコンプレックスなのね。
強姦シーンに比べて戦闘シーンはあまり詳しく書かれていないのだけれど、人とは違う視点で戦況をとらえるウェルキンゲトリクスの戦いは、どう見てもシーザーを圧倒していたはずだけど、当然のように歴史はシーザーに勝利をもたらす。
それは多分、シーザーの方が先に本当の自分、、情けない自分を認めたからだと思う。
ふたりとも本当に情けないやつなんですが、最後はちょっとかわいそうになってくる。
でも、人生が思うに任せないのは普通のことだからね。
ウェルキンゲトリクスがぶつぶつひとりごちながら「へへ、へへ」って笑うのが、矢吹丈に思えてしょうがない。
とりあえず立てよ、ジョー!

BGMはLOVE PSYCHEDELICO『Last Smile』でした。
そうそう熱心なサッカーファンではありませんが、夜中に目が覚めるとやっぱり見てしまいますね。
そしてまた、ちょうどいい感じに目が覚めるんですわ。
いやあ、かっこよかったですねえ、クロアチア。
次男と違ってすべての試合を観ているわけではないので(すべての試合を観ている結果、まだ予選リーグ途中までしか観終ってないらしい)、今朝の試合で始めてみましたが、ゴールにかける執念というか意気ごみというか、とにかく熱い!
多分総合力でいうとフランスの方が上なのでしょうけれど、この試合を観て思ったね。
クロアチアが優勝ってことでいいんじゃないでしょうか。
3試合連続で延長戦を制したのに、先発メンバーから交代なしで90分走る強靭なフィジカルと、めげないメンタル。
かっくいい~!
今まで割と日本と互角な試合をしていたような気がしますが、今回のクロアチアはちょっと違うのではないのでしょうか?←一試合しか観てないのに(笑)
あと少しでワールドカップも終わってしまいますが、最後まで楽しいわ!
ちなみに次男はベルギーとクロアチアの決勝戦と予想していたので、半分残念でした。
本日の読書:カエサルを撃て 佐藤賢一
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Amazonより
『混沌のガリアを纏めあげた恐れを知らぬ若者ウェルキンゲトリクス。政治家人生も終盤を迎えポンペイウスへの劣等感に苛まされるカエサル。対照的かつ運命的な男と男が鎬を削る。佐藤賢一版「反ガリア戦記」。』
てっきりブルータスがシーザーを撃つ話かと思ったら、共和制の末期、ガリア(ケルト)の民を討伐して、ルビコンを渡る直前までの話でした。
ということは、ネタバレでもなんでもなくて、シーザーが勝つことは決まっている。
ところが、この作品のシーザー、つまりカエサルは、さえない中年男なのである。
対するガリアの諸部族をまとめ上げたウェルキンゲトリクスはまだ若く、鍛え上げた肉体には力がみなぎり、そして美形なのでございます。
そうなると当然読者は、判官びいきも相まってウェルキンゲトリクスを応援すると思うでしょう?
ところがこいつがまた、見た目に反して粗野で下卑たやつなのです。
基本的に男の話です。
女は、男を鼓舞するため、または性的に慰めるために存在しているだけ。
カエサルもそこそこ女たらしだが、ウェルキンゲトリクスときたら、情け容赦なくレイプしまくり。
そこが許せない人は読まないほうがいいでしょう。
私もちょっとうんざりしながら読みました。
が、この、頭も薄くて文学青年崩れのさえない中年男カエサルは、世界の中心、ローマの頂点で政治を動かすほどの男なのに、コンプレックスの塊なのだ。
男らしくあることのできない自分。
周りの目を気にして、自分をよく見せるための嘘をつき、嫌われないために全方向に愛想よくし…そんな自分が情けなくて嫌い。
だから傲岸不遜なウェルキンゲトリクスが怖い。だけど魅かれる。
一方、子どもの頃は女の子のようにかわいらしかった美しい顔立ちと鍛え抜かれた体に、下卑た品性と空っぽのおつむと天才的な戦略センスを持つウェルキンゲトリクスは、好き勝手に生きているように見えるが、満たされない思いを抱え続けている。
志半ばで弑された父の遺志を、母から、周囲の人々から、有無を言わさず押しつけられた彼は、本当の自分がわからない。
本当の自分は何をしたかったのか、何を好きで、何が嫌いなのか。
最後に気づく。
中年オヤジが嫌いなんだ。
自分に重荷を背負わせる中年オヤジ。見苦しい姿をさらす中年オヤジ。
そして父。
一度も好きだったことのない父の遺志を、なぜ自分が継がねばならないのか。
大好きな母すらも、自分より父の遺志を優先する。
中年オヤジに踏みにじられた自分の人生の虚ろさに気づくウェルキンゲトリクス。
要はマザコンでエディプスコンプレックスなのね。
強姦シーンに比べて戦闘シーンはあまり詳しく書かれていないのだけれど、人とは違う視点で戦況をとらえるウェルキンゲトリクスの戦いは、どう見てもシーザーを圧倒していたはずだけど、当然のように歴史はシーザーに勝利をもたらす。
それは多分、シーザーの方が先に本当の自分、、情けない自分を認めたからだと思う。
ふたりとも本当に情けないやつなんですが、最後はちょっとかわいそうになってくる。
でも、人生が思うに任せないのは普通のことだからね。
ウェルキンゲトリクスがぶつぶつひとりごちながら「へへ、へへ」って笑うのが、矢吹丈に思えてしょうがない。
とりあえず立てよ、ジョー!

BGMはLOVE PSYCHEDELICO『Last Smile』でした。
