普段、通勤時間と職場の昼休みに本を読んでいる私。
先月は忙しくて、なかなか昼休みに本を開くことができませんでした。
一週間一度も読めなかった日にゃあ、職場の人にばれないように、心の中でやさぐれていました。

それでも今月は☆5つが多くて嬉しい。

「おやすみなさいトムさん」は児童文学ながら、子どもを育てる(家族として、社会として)ことについて、すごく考えさせられた。
子どもに限らず、ひとりの人間が他人から肯定されるっていうことは、どれほど生きる力になるのか。
虐待のシーンは胸がつぶれそうに辛いけど、トムさんと出会って子供らしさを取り戻すウィルの姿を読むことができて、本当に良かった。

「ハリー・オーガスト、15回目の人生」
何度も同じ時間に生まれなおす人たちがいる。
生まれなおしては、違う人生を送るハリー。
世界の終焉を阻止するために、何度も生まれなおしながら敵と戦い、友情をはぐくみ、迎えた結末は…。
長い物語をわくわくしながら読み通す喜び。
大満足。

「坂の途中の家」は、乳児を浴槽で溺死させた母親を裁く裁判で、裁判員として参加した主人公が、被告と自分を重ねあわせながら、徐々に自分を取り巻く悪意の存在に気づいていく話。
子どもを育てる大変さって、言葉の通じない子どもと向き合うことだけではなく、大変さを共有できる人がいないことが大きいのではないかと思う。
ワンオペ育児でも、大変さをわかって精神的に支えてくれる人がいる場合と、家族の協力を得ながらも精神的に孤独に追い詰められていくのとでは、後者の方が圧倒的につらい。
そんなことを、自分の経験を思い出しながら読んだ。

「江戸を造った男」
江戸幕府を支えるインフラ整備を行った商人・河村瑞賢の生涯。
庶民の暮らしの安寧を測るのは幕府の仕事。
そして、安定した生活は世の中に活気をもたらし、経済の活性は暮らしを豊かにする。
庶民に儲けさせてもらった瑞賢は、庶民のために海運航路、治水、鉱山事業などで、庶民に儲けを還元する。
もう、熱いのよ、彼。
息子に先立たれても、立ち止まらないのよ。
でも、彼の息子に対する愛情の深さが読者には分かっているから、最後の章はこうきたかって驚きとともに納得でした。

「タイガーズ・ワイフ」
長引く内戦で荒廃しているユーゴスラビアに生きた男。
彼の人生を孫娘が「死なない男」と「トラの嫁」のエピソードを交えて、追想する。
行きつ戻りつする時制、現実とイマジネーションの融合、土着の風習が、とっつきにくくはあるが読みごたえ充分。

さて、今月はどんな本に出会えるかな。
2週連続で週末は家族と過ごすことになり、仕事も相変わらず忙しいので、体調管理をしっかりして、なんとか読書時間を捻出する予定。
Hey!Say!JUMPのDVDを観終わってもいないのに、「グレーテスト・ショーマン」のブルーレイも買っちゃったし、TEAM NACSのDVDも観終わっていないし、ああ、忙しい。わくわく。

YONDANA - 2018年06月 (21作品)
ママがやった
ママがやった
井上荒野
読了日:06月10日
評価4

わかるユダヤ学
わかるユダヤ学
手島勲矢
読了日:06月13日
評価4

坂の途中の家
坂の途中の家
角田光代
読了日:06月18日
評価5

江戸を造った男
江戸を造った男
伊東潤
読了日:06月21日
評価5

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6月の読書メーター
読んだ本の数:22
読んだページ数:7673
ナイス数:504





ペタしてね
BGMはきゃりーぱみゅぱみゅ『おねだり44℃』でした。
いや、ほんと暑いよね。